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Mahler/交響曲第7番 [交響曲(マーラー)]

この曲は、しばらく聴いていませんでした。でも久しぶりに聴くと、故郷に帰ってきたような、懐かしい感じになります。若いころさんざん聴いたせいでしょうね。今回はこの録音で、とご紹介しようと思ったのですが、検索しても出てきませんでした。もう無いの?(T_T)

マーラー:交響曲第7番ホ短調”夜の歌”
ガリー・ベルティーニ指揮 東京都交響楽団
横浜みなとみらいホール 2003年6月29日 ライヴ録音

いちおう、発売元のリンクを貼っておきます。こちらでは、まだ扱っているようです。
https://www.fontec.co.jp/bin/cdd3.cgi?numb=FOCD9195&action=search&list=on&pass=

惜しくも亡くなったベルティーニが晩年に都響と残したマーラーのうちの1曲。

先立つケルン放送響との全集も名録音ですが、現代日本のオーケストラの実力を引き出したという点で、やはり都響との「選集」が出色です。実は、神奈川県民としては「Yokohama Live」である点も見逃せません。いいホールなので、このホールを使った録音点数が徐々に増えていくことを願います。もちろん、県立音楽堂は別格で、ね(^_^;

さて、このマーラーの第7という曲、形の上からはスケルツォを中心に、両端の大規模楽章、中間の小編成の楽章(いわゆる「夜の歌」)の全5楽章から構成されていて、わかりやすそうですが、まったくさにあらず。どの楽章も、どうにでも解釈できるほど曖昧で、いわゆるこの曲の「スタンダードな演奏・録音」というのは無いように思います(強いて言うなら、インバル/フランクフルトあたり?でも異論も多いでしょう?)。

ベルティーニが比較的こざっぱりした、しかし生き生きとしたアプローチを取っているのは、録音が1枚のCDに入っていることからも感じられます。そして、まず何よりの特徴は、ギターやマンドリンが入ってのどかな雰囲気の第4楽章。この楽章の後半、ベルティーニはいきなりテンポを上げ、ぐいぐい音楽を引っ張っていってしまいます。そして、その響きのなんと新鮮だったこと!今まで「トロい第4楽章」と「最初はちょっとかっこいいけれど、後でわけがわからなくなる第5楽章」を続けて演奏する違和感があったのですが、この解釈ならすんなりと第5楽章へ入っていけます。まさに「天啓」とでも言いたくなりそうな、絶妙の解釈です。

他の楽章も、基本的に早めのテンポながら、歌うところはしっかり歌って、理想的な第7の演奏となっています。第1楽章も長大な楽章を破綻無くまとめられているいっぽうで、第3楽章はクレッシェンド・デクレシェンドの関係や使い方に多少ミステリアスなものを感じますが、あまりおどろおどろしくはありません。

録音がちょっとデッドというか、楽器の直接音が入りすぎているのが難点といえばいえないことはありませんが、鮮明な録音の裏返しであると思えば、しかたないですか。ただ、楽章間の雑音が入っているので、最後の拍手も入れてもらえたら、臨場感がわかりやすいのに、と思いました。


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サンフランシスコ人

フィラデルフィアで、ベルティーニのマーラーに2回行きました。
by サンフランシスコ人 (2009-02-02 04:37) 

stbh

サンフランシスコ人さんは、フィラデルフィアも通なのですね~。
by stbh (2009-02-08 00:16) 

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