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Verdi/レクイエム [声楽曲]

So-netブログも、私の体調もいまいちなので、ずいぶん間が開いてしまいました。とはいえ、ぜんぜん音楽を聴かないわけではないので、簡単にご紹介しましょう。例によって昔のライヴです。

ヴェルディ/レクイエム

ソプラノ:カーティア・リッチャレッリ
メゾ・ソプラノ:ブリギッテ・ファスベンダー
テナー:バリアーノ・ルケッティ
バス:フェルッチョ・フルラネット

指揮:リッカルド・シャイー
合唱指揮:ヴォルフガング・シェーファー
フランクフルト聖歌隊
フライブルク声楽アンサンブル
ベルリン放送交響楽団

1984年10月8日、ベルリン・フィルハーモニーホールにて

シャイー指揮のレクイエムの録音をさがしたのですが、少なくとも現在は出ていないようです。昔はありましたっけ?シャイーの常任時代のベルリン放送交響楽団(現在のベルリン・ドイツ交響楽団、同名の楽団が「東」にもあって、ややこしいですね)の演奏会、何かの記念演奏会だったと思うのですが、FM放送時に「ドイツなのにヴェルディをやると話題になった」という解説がされていたと記憶しています。当時30歳を過ぎたばかりのシャイーがこの曲をとりあげるに際して、実はかなり大変な思いをしたのかもしれませんね。

イタリア最大のオペラ作曲家ヴェルディは、自作のプロモーションにも積極的に取り組んでいました。しかし、ロッシーニ追悼のために当時の作曲家達に呼びかけてレクイエムを作曲・演奏しようとした企画は、失敗に終わります。その曲はリリングによって蘇演されました。この演奏会のDVDが出ています(Towerrecordsへのリンクです)。

ヴェルディ他:ロッシーニのためのミサ/ヘルムート・リリンク

 

このとき自分が作曲した「リベラ・メ」をもとに、

数年後、彼の尊敬するマンゾーニの死を弔うために作曲されたのが、このレクイエムです。ヴェルディの晩年、「アイーダ」と「オテロ」の間を埋める傑作のひとつですね。近年「ディエス・イレ」があちこちで使われ、そこだけ手垢にまみれてしまった感がして個人的には不本意なのですが、それだけ印象が強烈ということなのでしょう。私もこの曲をはじめて聴いたとき、「ディエス・イレ」から受けた衝撃は忘れません。

そう、「レクイエムとしてはあまりに劇的過ぎる」という評価は、初演当時からこの曲についてまわっています。しかしこれはヴェルディの本当に真摯な心情から湧き出た表現であり、彼が晩年になってはじめて到達しえた境地であると思います。最たるものは「リベラ・メ」。Cの音を並べただけの旋律が、なんと深く響いてくることでしょう。もちろん「ラクリモーサ」、「ドミネ・イエズ」など美しい旋律にも事欠きません。

シャイーが若かったせいもあるのか、この演奏は全体的にきびきびした運びになっています。「リベラ・メ」など、もう少しゆったり聴かせてもらってもいいような感じもしますが、旋律をよく歌わせているのは「イタリアの血」なのでしょうか。豪華なソリスト陣も、期待に違わず素敵な(というのは妥当な表現ではないかもしれませんが)アンサンブルを聴かせてくれます。今や名門ゲヴァントハウスのマイスターとなった大指揮者シャイーの、青春の一ページというところです。


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