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Mendelssohn/SummerNightDream [管弦楽曲]

暑くなってきましたね。こういうときはさわやかな音楽を聴きたくなります。いちおう季節ものでもありますし。

メンデルスゾーン:真夏の夜の夢

メンデルスゾーン:真夏の夜の夢

  • アーティスト: クーベリック(ラファエル), バイエルン放送交響楽団, ウェーバー, マティス(エディット), ベーゼ(ウルズラ), バイエルン放送合唱団, メンデルスゾーン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2005/09/21
  • メディア: CD

 

オリジナル・ジャケットなのでしょうが、いささか古色蒼然として、それがまたいい味を出しているジャケットですね。最近は廉価版でも画一的なジャケットでなく、オリジナルを生かしたものが増えてきて、よいことだと思います。あ、私が聴いているのは駅売りの安物なので、オリジナル・ジャケットどころの話ではないんです、ゴメンナサイ。

さてこの録音は、声楽(ソプラノ、メゾ、合唱)が入った、いわゆる全曲版です。「いわゆる」という表現を使っているのは、本当は何箇所かに「情景」と呼ばれる小曲が入っていて、完全に全曲とはいえないからです。ただし、録音や演奏会ではこれらの「情景」は省略されることが普通のようで、私も実は聴いたことがありません。

「いわゆる全曲盤」の録音となると、どうでしょう、最右翼はクレンペラーでしょうか?しかしこのクーベリックの録音も、いつもながらのしなやかな、かといって腰砕けにならない、中庸な解釈で気持ちよく聴かせてくれます。特にメンデルスゾーンの場合、音楽自体の天才的な「リズムのよさ」と「曲想の軽さ」があって、それをむやみに無視したり、あるいは逆に強調したりすると、とたんにうっとうしい演奏になってしまいます。

モーツァルト、メンデルスゾーンといった、音楽をすなおに聴きたい作曲家の作品は、クーベリックの指揮で聴くと自然に体にしみわたる感じがしませんか?特にこの序曲は、まだメンデルスゾーンが十代のころの作品で、初々しさと天才的なきらめきが同居した名曲だと思います。これを変にこねくり回して聴かされたのではたまったものでありません。音楽をあるがままに=むやみなテンポの変更やメロディ、リズムの強調などなしに聴かせてくれる演奏が心地よいです。

劇付随音楽「夏の夜の夢」は、ご存知シェイクスピアの戯曲につけられた曲で、序曲は17歳のとき、原作を読んだメンデルスゾーンが一気に書き上げたといわれています。その完成度の高さは昔からいいならわされていることですが、やはり比肩し得るのはモーツァルトのみ、と感じます。その他の曲は33歳のときにあらためて作曲されていますが、序曲の主題を上手に用いており、通して演奏してもまったく違和感を感じさせません。このCDに収録されている曲を挙げておくと、

1.序曲
2.スケルツォ
3.妖精の行進
4.歌と合唱「まだら模様のお蛇さん」
5.間奏曲
6.夜想曲
7.結婚行進曲
8.葬送行進曲
9.道化役者たちの踊り
10.終曲

の10曲で、4.と10.に独唱と合唱が入ります。エディト・マティス、やはりいいですね~。

ちなみに、器楽だけで演奏される「組曲」は、1、2、5、6、7の5曲からなります。私は組曲の演奏に参加したことがありますが、他のメンデルスゾーンの曲と同様、「聴くと弾くとは大違い」の曲です。ただ聴いているぶんには爽快なのですが、演奏するのは細心の注意が必要で、なおかつ無用な重量感・緊張感が出ないようにしなければなりません。かなーり疲れたのを覚えています。


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コメント 2

mozart1889

この数日、暑いですね。たまりません。
そんなとき、「真夏の夜の夢」はエエですね。メンデルスゾーンの素晴らしい音楽は、涼やかで気持ちいいです。
聴いている分には、全く爽快なんですが、なるほど、演奏するのはシンドイんですね・・・・・。
クーベリック盤はエディット・マティスの声が素晴らしいですね。
マリナーやプレヴィンのフィリップス盤やDGの小澤征爾盤をふだんは聴いてます。
週末の猛暑、今夜あたり、ゆっくり聴いてみたいです。
by mozart1889 (2007-07-27 09:22) 

stbh

mozart1889さん、こんにちは。お暑うごさいます。
本当に急に、ふと聴きたくなったのですが、正解でした。爽やかな気分で出勤できました。
メンデルスゾーンはこの季節向きかもしれません。少なくとも(演奏するので聴いている)ヴェルディよりは合っていますね…(汗
by stbh (2007-07-27 21:36) 

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