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Takemitsu/Winter [管弦楽曲]

この二人は日本を代表する作曲家、指揮者でしたが、早いもので、亡くなってそれぞれ11年、1年経ちます。

 武満徹作品集/岩城宏之(リンク先はTowerrecordsです)

先週の金曜日、NHK-FMをつけたら黛敏郎の「曼荼羅交響曲」をやっていたので、「なんでこんな曲を(失礼)!」とびっくりしましたが、「岩城宏之没後1周年企画」でした。N響、ひいてはNHKに貢献大なる方でしたから、納得。

(追記 岩城指揮黛作品の自己リンクを最後に追加しました)

このCDは、もともと「ウィンター」(1971、札幌オリンピック記念演奏会のための委嘱)、「マージマリア」(1976、N響50周年の委嘱)、「ジティマルヤ-マリンバとオーケストラのための」(1974、マリンバ奏者高橋美智子(本CDでも独奏)の委嘱)という、70年代の武満の管弦楽曲を代表する3曲が入ったアルバムでした。都響としては、かなり早い時期のスタジオ録音ではないでしょうか。私はこのオリジナルで聴いています。30分あまりの録音時間で3200円ですから、コストパフォーマンスはすごく悪いですね。我ながらよく買ったなあ…、と思います。

3曲中では、特殊2管でもっとも編成の小さい「ウィンター」が、いちばん緊張感が高くて好きです。「ジティマルヤ」はマリンバ協奏曲ですが、ヴァイオリンのない編成のため、全体の音色が多少暗く聞こえます。

これらの曲はいわゆる「現代音楽」で、敬遠される方も多いのではないかと思います。そういう方は、ある意味で音楽を真剣に聴いていらっしゃるのかも、と最近、思うようになりました。

いわゆる現代音楽の作曲家は、昔のロッシーニとか、ハイドンなみの多作の人はまちがいなくいません。それは1曲1曲にかけるエネルギーが、昔とはまったく違うからです。武満は驚異的に多作な部類に入ると思いますが、その音楽は、一瞬一瞬が研ぎ澄まされた真剣勝負であり、まさに骨身を削って生まれてきた音楽です。そのエネルギーを真摯に受け止めたら、一夜限りの演奏会ならともかく、何曲も立て続けに録音を聴いたりできないのではないでしょうか。ひるがえって自分は、あまりに気楽に現代音楽を聴きすぎていないか、作曲家と演奏家の作り上げた響きを安易に受け流していないか、という気が、最近になってしてきました。

しかし今日、あえて車の運転をしながらこれらの曲を聴いて認識したのは、「やはり美しい(と感じる)音楽はどう聴いても美しい」ということでした。さらっと表面だけ聴いても、美しいものは美しい。どうぞ、現代音楽が嫌いな方、武満ワールドが苦手な方、いちど虚心に、音響に身を任せてみてください。きっと思わぬ発見があると思います。

ところで、今朝(6/11)のNHKFMで、ティーレマン(再び!)のブラームス第1交響曲を第3楽章の途中から聴きました。やはり古色蒼然と言うか、往年の名演を思い出すような重厚な解釈でしたね。機会があればしっかり聴いてみたい指揮者です。

以下、追加しました。あわせてごらんいただければ幸いです。
昨年、岩城さんがなくなった直後のエントリー、涅槃交響曲。
http://blog.so-net.ne.jp/classicalandsoon/2006-06-15
こちらは、BUGAKU。一昨年のエントリーです。
http://blog.so-net.ne.jp/classicalandsoon/2005-08-22a


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