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Mahler/Sym4 [交響曲(マーラー)]

第4番は、フレデリカ・フォン・シュターデつながりでこの録音を。

Mahler: Symphony No. 4; Symphony No. 2

Mahler: Symphony No. 4; Symphony No. 2

  • アーティスト: Gustav Mahler, Claudio Abbado, Vienna Philharmonic Orchestra, Frederica Von Stade, Marilyn Horne, Chicago Symphony Orchestra, Carol Neblett, Gerhart Hetzel
  • 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
  • 発売日: 1997/09/16
  • メディア: CD

アバドの旧全集から、ウィーン・フィルとの第4番とシカゴとの第2番がセットになった2枚組が2千円台半ば。これは間違いなく「お買い得」でしょう。第2番も高い評価を得ていましたが、第4番は初出当時から出色の出来と評判で、ベスト・ワンに推す人も多かったと思います。その理由としては、まずウィーン・フィルであること、次にフォン・シュターデの歌唱が、天真爛漫そうでいかにもこの曲向きであったこと、さらにアバドの清新な解釈、などがあげられると思います。

録音は1977年5月で、ちょうど30年前になりますが、そんな古さは微塵も感じられません。こうして聴いてみると、第1楽章冒頭のシャンシャン(鈴)から第1ヴァイオリンの主題につながるまでが、軽やかで抑揚があって、これだけでとても楽しい気分になります。第1楽章はもともと全編楽しげな曲調ですが、それがいっそう強調されているのがこの録音で、ffのところも決しておどろおどろしくなく、あくまで快活で元気です。必ずしもビシッとあっているわけではないウィーン・フィルのアンサンブルが、この曲には非常に似合って聞こえるから不思議なものです。

第2楽章も、本来不気味なはずのヴァイオリン・ソロ(1音上げてチューニングしてあるので、多少きしんだような音で聞こえてきます)が、やや早めのテンポで、あくまで諧謔に徹して演奏されます。一転して第3楽章は静謐な世界が広がりますが、ここでも音の響きはあくまで軽やかで、最大のクライマックスも、トロンボーン・テューバがない以上に軽い、明るい響きになっています。

そしてやはり、この録音の白眉は第4楽章でしょう。売り出し中のフレデリカ・フォン・シュターデを起用したのは誰のアイデアだったかわかりませんが、その軽やかな歌声を聴くと、彼女以上、この曲にあう歌手はいないように思えてしまいます。声質もメゾで若干やわらかく、それでいて丁寧な歌い方は、まさにこの録音にベストマッチ。この録音が、彼女の評判をいっそう高めたことは間違いないと思います。

ウィーン・フィルの第4番にはキャスリーン・バトルを立てたマゼール盤(デジタル)があるのですが、ついつい手が伸びるのはこちらですね。おまけに、この録音で十分満足しているから、ベルリン・フィルとの新盤はあまり聴く気になりません。

ところで、この曲の第3楽章のクライマックスのティンパニは、もう、きつにじもちがいい(このギャグをご存知なかた、同世代ですね)。トランペットのファンファーレが鳴り渡り、両手で「ぱん、ぱん、、ぱん|ぱん、ぱん、、、」と叩くのは、マーラーにしては珍しく干されている、ティンパニ最大の見せ場(聞かせ所とは限らない)です。もし実演に接する機会があれば、ここはぜひ、ティンパニ奏者の恍惚とした(!?)表情を楽しんでください。

☆追記

最近恒例の、楽譜のリンクを忘れました。

OGTー1214 マーラー交響曲第四番

OGTー1214 マーラー交響曲第四番

  • 作者: マーラー
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2006/03/08
  • メディア: 楽譜

CDと一緒にお楽しみください。


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コメント 4

吉田

こんばんは。
アバドのマーラー4は、愛聴盤です。しなやかな弦の響きがいいです。シュターデの独特の甘い声が幻想味たっぷりでシビレます。
ちょっとタイプは違いますが、マゼール盤も捨てがたいですね。
by 吉田 (2007-05-09 22:30) 

stbh

吉田さん、いつもありがとうございます。第4が聴きたくなると、この録音を取り出すことが多いです。これに比べると、マゼール盤は聴くのにちょっと元気が要りますか(^^; 60年代のショルティ旧盤(コンセルトヘボウ)も思いのほかさわやかだと思います。昔から親しまれている曲だからか、昔の名録音が多いですね。
by stbh (2007-05-09 23:36) 

mozart1889

stbhさん、こんにちは。
これはアバドがマーラーを録音した初期の名盤ですね。この4番とシカゴ響との2番は、非常にフレッシュな名演だったと思います。とくに4番は今も色褪せませんね。
フレデリカ・フォン・シュターデがまた絶品!永く聴き続けたい名盤ですね。
by mozart1889 (2007-05-13 12:29) 

stbh

mozart1889さん、ありがとうございます。アバドの壮年期を代表する名録音、ということになりますか。最近のベルリン・フィルとのは第4は聴いていないのですが、いかがでしょうか。最近、新しいのはあまり聴かなくて、懐古趣味に走っているので、ちょっとよくないなあ、とは思うのですが。
by stbh (2007-05-13 20:41) 

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