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Wagner/Meistersinger [管弦楽曲]

かなり間があいてしまいました。もともとmozart1889さんに触発されての記事だったんですが、タイミングを逸してしまいましたね。カラヤンのワーグナー・アルバムから、マイスタージンガーの第1幕への前奏曲。

ワーグナー:管弦楽曲集(2)

ワーグナー:管弦楽曲集(2)

  • アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン), ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, ワーグナー
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2001/09/27
  • メディア: CD

2枚に分けて発売されている、1974年録音のワーグナー・アルバムの2枚目です。

ところで上のジャケット写真、良くご覧ください。「ALBUM 1」と書いてあるのがわかりますか?よくよく見れば曲目もタンホイザー、ローエングリン、トリスタンとなっていて、そう、管弦楽曲集(1)のジャケットです。購入を考えている方、アマゾンのこの写真に惑わされて(1)と勘違いしないでくださいね。

曲目は(1)が「タンホイザー」序曲とバッカナール(パリ版)、「ローエングリン」第1幕および第3幕への前奏曲、「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死、(2)が「マイスタージンガー」第1幕への前奏曲、「さまよえるオランダ人」序曲、「パルジファル」第1幕および第3幕への前奏曲。 LP時代のままなので、昨今のCD用編集から見ると収録時間はかなり短くなっています。このうち「パルジファル」の2曲を省いて1枚にしたものが、輸入の廉価版で発売されています。

Wagner: Orchestral Music from Der Fliegende Holländer, Lohengrin, etc.

Wagner: Orchestral Music from Der Fliegende Holländer, Lohengrin, etc.

  • アーティスト: Richard Wagner, Herbert von Karajan, Berliner Philharmoniker
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 2005/08/16
  • メディア: CD

 

70年代のカラヤン/BPOのEMI録音は、印象的なものが多いです。チャイコフスキーの後期交響曲、シューベルトの交響曲全集(今にして思えば、よく入れましたよね)、オペラではmozart1889さんが取り上げたマイスター@SKDをはじめとして、BPOとのトリスタン、VPOとのサロメ(アイーダもでしたっけ?)等。そしてこのワーグナー・アルバムも、カラヤンの推進力が前面に出た、華麗な演奏になっています。

かなりはやめのテンポでぐいぐい進む曲想は、ワーグナーにしては流麗過ぎる、と感じられないこともありません。そう、リヒャルト・シュトラウスを思わせる豪奢な響き。これが、特にマイスターのような大きく鳴らす曲には、よく似合っています。

ローエングリン以後、ワーグナーは旧来のオペラの形式である「序曲」、すなわち、オペラ全体の構成や主題を追う形式をやめ、より象徴的な主題に基づいた、簡潔な「前奏曲」形式をとります。しかし、マイスターは例外的に、ハ長調の明快な和音を基調として、3つの主要主題がからみあう、複雑な、ソナタ形式に近い構成をとっています。このおかげで、単独のコンサートピースとしても聴き応えのある、ポピュラーな曲になっています。

学生オケの時分、この曲は入学式にやったりしたので、けっこうな回数の練習・本番をこなしました。打楽器は3パート(ティンパニ、トライアングル、シンバル)ありますが、たぶん、まだほとんど覚えていると思います。シンバルは、オリジナルの序曲では2発しかありませんが、大オーケストラを締めるffの見本みたいな気持ちいいものですし、トライアングルは、全曲の2/3あたり、3つの主要主題が同時に出てくる、構成上のポイントをつかさどる一発がなんとも「タイコゴゴロ」をそそります。むろんティンパニは文句なし。ドイツ音楽の王道、って感じですかね。どんなタイコタタキでも、この曲ならどのパートでも喜んでやりますよ。

さてこのカラヤンの録音、序曲の最後に、オペラの最後の部分を用いています。トゥッティの和音が倍に増え、シンバルも加わって、いっそう壮麗に終わります。このアルバム中でも、白眉の名演だと思います。どうぞお楽しみください。


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コメント 4

mozart1889

stbhさん、おはようございます。
カラヤンの1970年代のEMIでの録音、素晴らしいものが多いですね。チャイコフスキーにシューベルト、それにオペラの数々。スゴイです。
そして、このワーグナー!
LP2枚組で持っています。今も愛聴盤です。こんなに豪華で美麗・流麗なワーグナーは、カラヤンでしか聴けません。とても綺麗、耽美的なワーグナーで、その魔力にとりつかれてしまいます。名盤ですね。大好きです。
by mozart1889 (2006-11-05 07:47) 

stbh

さすがmozart1889さん、LPからお持ちでしたか。私は人から借りてテープで聴いていたのですが、最近やっと上記の輸入盤CDを入手しました。
ワーグナーの管弦楽集数々あれど、耽美的な美しさではこのカラヤン盤がずば抜けていると思います。私もついついこればかり聴いてしまいます。
いつもコメントをありがとうございます。
by stbh (2006-11-05 17:53) 

おさかな♪

うわー・・・、良いかも。。。(*^-^*)
by おさかな♪ (2006-11-08 14:44) 

stbh

おさかな♪さん、いつもご来訪ありがとうございます。カラヤンのワーグナー、美しさでは随一です。管弦楽曲集だけでなく、全曲もぜひ機会があったら聴いてみてください。
by stbh (2006-11-11 12:59) 

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