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Prokofiev/Sym2 [交響曲(独墺以外)]

 最近、なかなかまとまった時間がとれなくて、記事の出が悪いです(汗

せっかく来ていただいている方、更新が滞っていて申し訳ありません。やめたわけではないので、どうぞときどきいらしてください。

さて今回は、いささかハードなプロコフィエフの第2交響曲。聴いた演奏はこちらになります。

Prokofiev: The Symphonies

Prokofiev: The Symphonies

  • アーティスト: Sergey Prokofiev, Walter Weller, London Philharmonic Orchestra, London Symphony Orchestra
  • 出版社/メーカー: London
  • 発売日: 1992/02/11
  • メディア: CD

当然のように中古盤しかないようですね…。オーケストラはLSOとLPO、第2はLPOです。このCDは、10年あまり前、第7交響曲の演奏に参加したときに、せっかくだから全集を買おうと思って入手した(当時としては安価でした)ものです。ウェラーは日本では有名ではないし、私もあまりよく知りません。ネット上で検索するとそれなりに引っかかってくるので、「知る人ぞ知る」というところなのでしょうが、正直言って、当時はまだ安価なボックスセットは少なく、このプロコフィエフやハイティンクのショスタコーヴィチ全集などは価格的に魅力がありました。

演奏は、あまり個性の強いものではなく、「プロコフィエフの書いた音楽をありのまま伝える」というコンセプトではないでしょうか。特に自分の演奏の参考にする場合、個性的な「名盤」よりも、こういう淡々とした演奏の方が、癖が無くってありがたいです。むろん、曲に起因するアクの強さはそのままストレートに伝わってきていましたが。

ブラームスの例を待つまでもなく、作曲家にとって最初の交響曲というのは、それなりの思いを持って書かれているものが多いのではないでしょうか。それに比べると第2交響曲は、第1の路線を踏襲した、あまり目立たないものになっているような印象を持ちます。そう例が数多くあるわけではありませんが、ベートーヴェンをはじめ、「初期交響曲群」的なスタイルの曲をしばらく作曲することになるシューベルト、20年以上かかった第1の完成からわずかの期間でものしてしまうブラームス、民族系の旋律の多様を続けるチャイコフスキー、等々。

しかしプロコフィエフの場合、第1交響曲が「古典交響曲」という、擬古的で、彼の作品群の中でも特異な作品であったため、番号は第2でも、この曲のほうが真のプロコフィエフの「最初の交響曲」のように思えます。完成・初演は1925年、一度ソ連の混乱を避けてアメリカにわたったものの、あまりの保守性にあきれてヨーロッパに戻ってきたときの作品だそうです。

そういった、ある種、流浪の生活を反映しているのか、この曲、特に第1楽章は、プロコフィエフの音楽の中でももっとも荒々しい部類に入るのではないでしょうか。基本の拍子は3/2ですが、二分音符、あるいは四分音符のリズムをこれでもかというほどたたきつけてくるオーケストレイションは激しい不協音程の連続で、ほのぼのした心地よさと対極にあるものです。好き嫌いが別れる、というよりは、確実に好きな人のほうが少ない音楽でしょう。しかしこの圧倒的な音の洪水に身を任すというのも、慣れてしまえばしびれるような快感です。

変奏曲の第2楽章は、ぐいぐい攻め込んでくる第1楽章に比べると、主題がゆったりしていることもあって比較的平穏に聴いていられますが、緩徐部分にしても、たとえばショスタコーヴィッチのような透明性よりは、暗くにごった情感を感じます。そしていくつかのアレグロの変奏のほうにより生き生きとしたものを感じるのは、ただ私の好みが「爆裂系」だから、だけではないような気がしますが、どうでしょうか。

牽強付会を承知であえて言えば、この曲はマーラーの第8交響曲に通じるところがあります。2楽章構成で、第1楽章は堅固な構成のソナタ形式に基づくアレグロ楽章。それに対して第2楽章は比較的自由な形式で、変幻自在に織り成す、より長い楽章。演奏時間でいえば、どちらの楽章もプロコフィエフはマーラーの半分見当で、楽章間のバランスも近いものがあります。

プロコフィエフの交響曲、圧倒的に第1、第5に人気が集中しているというのはやむをえないですが、その他の曲も個性的で楽しめると思います。ぜひお試しください。

 


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コメント 2

サンフランシスコ人

サンフランシスコ交響楽団の定期で、ゲルギエフがプロコフィエフの第2交響曲を指揮したのを見ました。
by サンフランシスコ人 (2008-02-17 07:05) 

stbh

ゲルギエフも登場しているのですか。迫力満点でやってくれそうですね。
by stbh (2008-02-19 08:05) 

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