SSブログ

PFM/Cook [その他の音楽]

今月も最後はプログレ系で。息の長いイタリアのバンドです。この5月に来日するそうです。

 http://www.progcitta.com/pfm/

パトリック・ジヴァスなんかは昔からおっさんくさかったけれど、かわいかった(失礼)フラヴィオ・プレモリもりっぱなおじさんですね。この録音も、もう30年前ですから。オリジナル・メンバーはだいたい1940年代後半の生まれなので、そろそろみなさん還暦近いです(!)

Cook

Cook

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Manticore Vaults
  • 発売日: 2001/03/26
  • メディア: CD

「在庫切れ」だしジャケ写も無いので、HMVのリンクも張っておきます。

http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1867769

録音は1973年、発売は英米が1974年、日本が1975年でしたか。近年は「全世界同時発売」があたりまえで、日本で(局所的に)売れていると「日本先行発売!」などもありますが、当時は、日本発売が半年くらい遅れるのが普通でしたね。

キング・クリムゾンやELPで作詞を担当していたピート・シンフィールドがプロデュースした、イタリアのプログレ・バンドです。バンド名の由来はパン屋さんの名前なのだそうですが、長いイタリア語(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)だとなじんでもらえそうに無いので、"P.F.M."という略称を使ったそうです。ELPの自主レーベルであるマンティコアから世界デビューを果たしています。

もともとイタリアではすでにトップバンドだった彼らの曲に英語の歌詞をつけて世界に紹介したピートの功績も大ですが、やはりものを言ったのはバンドの実力でしょう。インターナショナルには3枚目になるこのLPで、彼らはステージでのパフォーマンスを披露したのです。なお、バンド名の表記はこのLPから"P.F.M."になっています。

収録されている6曲(CDになってもボーナス・トラックとかないところが潔いというかケチというか)のほとんどが、先行する2枚のスタジオ盤からとられていますが、一番長い最後の曲は、ほぼインピロヴィゼイションで、スタジオでは録音されていない曲です(題名もとってつけたようですね)。

「原始への回帰」"Four Holes in the Ground" このころの邦題は、ときどき超意訳というか、味がありますよね~。早い6拍子でリズムをとって変拍子のイントロへ入っていくところから、8ビートや16ビート一辺倒のバンドと違ってかっこいい、と思ったものです。いろいろな曲想が入れ替わりに出てきてめまぐるしい、しかしよくできた曲です。2ndインターナショナル・アルバム「甦る世界」"The World Became The World"からの曲。

2曲目は、「アメリカでは発売されてない本当のファースト・アルバムに収録されている曲を、イタリア語で歌います。」といって始まる「何処…何時…」"Dove...Quando..."。ドラムスのフランツ・ディ・チョッチョが歌っているそうです。叙情的なフルートのソロは本来ヴァイオリンのマウロ・パガーニ。メロトロンも印象的です。

フランコ・ムシーダのアコースティック・ギターのソロをはさんで3曲目は、「通りすぎる人々」"Just Look Away"。メロディアスなヴォーカル主体の曲ですが、バックもよく聞くとかなり凝ったことをやっているあたりがPFMらしいです。

簡単なMCをはさんで4曲目、「セレブレイション」"Celebration" に突入します。コンサートでは1曲目やアンコールに演奏されることもあったようですが、インターナショナルには、PFMの代名詞のような曲です。とにかく、ウマい。「フニクリ・フニクラ」をひとくさり、さりげなく入れると、メドレーで「甦る世界」につながります。こちらは歌が無く、あっという間に終わってしまいます。クレジットなどはありませんが、この曲の最後にマーラーの「復活」の終楽章が出てきます。こういう自由なアレンジは、やはりライヴならではですね。

5曲目の「ミスター9~5時」"Mr. Nine Till Five"は、「セレブレイション」とともに、最初の全世界向けアルバム「幻の映像」"Photos Of Ghosts"で発表された曲です。変拍子のイントロ、スパッと途中で曲想が変わるところなど、「原始への回帰」に通ずるところがあります。

最後は、「アルタ・ロマ5~9時」"Alta Loma Five Till Nine" という題名はついていますが、ほとんどインプロヴィゼイションによる15分以上の曲。各メンバーの個人技が存分に楽しめます。最後に「ウィリアム・テル序曲」の「スイス軍の行進」をちょろちょろっと演奏していますが、ぜんぜん違和感がないというか、非常に自然にクラシックの曲もやってしまうのがすごいですね。

マンティコア・レーベルは、商業的には成功したとは言いがたい面もありますが、PFMがここを通して世界でビューを果たせたのは幸せでした。誰が?むろん、われわれのようなイタリア以外に住んでいる彼らのファンが、です。この記事を検索でたまたまひっかけたあなた、もし彼らのコンサートに行くことがあったら、ぜひ記事をupして、TBしてください。見に行きます(^^


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 2

C9

stbhさん、初めまして。
so-net blogの記事検索で「PFM」を検索していたらたどり着きました。

5/14の追加公演に行ってきました。2002年のライブも素晴らしかったですが、今回も良かったですよ。キーボードのFlavio Premoliが健康上の都合で来れなかったのが残念ですが。また皆揃って来日してくれることを期待しましょう。
by C9 (2006-05-15 23:45) 

stbh

C9さん、はじめまして。ご来訪ありがとうございます!
失礼ながら、まさかPFMの記事にコメントが付くとは思っていませんでした。ライヴにいらしたのですね!すばらしい。最近のはあまり聴いていなかったのですが、C9さんのページを見て、聴きたくなってしまいました。また来日するとよいですね。
by stbh (2006-05-16 00:44) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Mahler/Sym10Ravel/Bolero ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。