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Grofe/NiagaraFalls [管弦楽曲]

ちょっと調子が持ち直したので、さっそく変な曲を(^^; フェルディナンド・グローフェ(1892-1972)の代表作といえば、「グランド・キャニオン」と「ラプソディ・イン・ブルー」のオーケストレイションですね。あと日本に限っていえば、クイズ番組に使われた「ミシシッピー」組曲の一部の旋律が有名かも。

グローフェ:ミシシッピー組曲/組曲「グランド・キャニオン」/組曲「ナイアガラ大爆布」

グローフェ:ミシシッピー組曲/組曲「グランド・キャニオン」/組曲「ナイアガラ大爆布」

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: アイビィー
  • 発売日: 1999/07/01
  • メディア: CD

指揮者のウィリアム・T・ストロンバーグという人はハリウッドの映画人で、映画音楽をいろいろ手がけている人のようです。オーケストラがアメリカでなくイギリスのボーンマス交響楽団なのは、NAXOSですからギャラの関係(アメリカのオーケストラはユニオン(組合)がうるさくてろくに仕事をしないのに高いギャラばかりとる、と嘆いていたのはキース・エマーソンでしたっけ?)かもしれません。でも、1998年のデジタル録音はなかなかスペクタキュラーで、アメリカの映画音楽に引けをとらない(^^;ように思います。

このCDはどうやら、この曲の唯一の録音のようです。NAXOSのAmerican Classicsというシリーズのうちの1枚で、ケースのあちこちに星条旗が描いてあります。このシリーズ、NAXOSのサイトを見ると100枚以上あるようです。でも、NAXOSってアメリカのオーケストラは(ヒストリカルを除いて)ほとんど出てきません。

このシリーズとしてもう1枚、同じメンバーによるグローフェの曲の録音があります。

グローフェ:ハリウッド組曲

グローフェ:ハリウッド組曲

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: アイビィー
  • 発売日: 2002/11/01
  • メディア: CD

こちらは「ハリウッド」「ハドソン川」「デス・ヴァレー」だそうで…。他にも彼の「ご当地シリーズ」は、いろいろありそうです。ご当地以外にも、「ガレージからのノイズによる主題と変奏」なんて題名の曲もあるそうです。ちょっとジョン・ケージみたいですね(音楽はぜんぜん違うでしょうが)。

 今回聴いた「ナイアガラ・フォールズ」組曲は4曲からなっています。

I Thunder of the Waters(瀑布の轟き)
II Devil's Hole Massacre(デビルズ・ホールの大虐殺)
III Honeymooners(新婚旅行者たち)
IV Power of Niagara - 1961(ナイアガラの力-1961)

第1曲は、いきなり大太鼓のff(fff?)のロールから始まります。…まんまです(苦笑) 小太鼓のリズムに乗って、全オーケストラが単純な旋律と、たけり狂う伴奏を繰り返します。全部で4分足らずなのですが、すごいヘビーなのでこの時間が限界ですね。

第2曲は、デビルズ・ホール(滝よりも下流-オンタリオ湖よりにあります)で英国人約350人がインディアンに虐殺されたという事件に基づいています。いかにも不気味で不安な気持ちをあおる弦楽器の伴奏で、(たぶん)コーラングレやホルンが物悲しい、悲劇を予感させる旋律を何度か奏でると、ティンパニのグリッサンド(狼煙か?)のあと、一転して攻撃的なリズムに変わります。最後はドラのff から、不協和音のppまで長いディミヌエンド。しかし、「虐殺」を描いた曲は、そう多くは無いのではないでしょうか…。

ナイアガラは「ハネムーン発祥の地」なのだそうです。なんでも1801年、副大統領の娘が「新婚旅行」と称してナイアガラまで旅行したのがはじめだとか。滝の周囲のホテルにはハート型のバスタブがある部屋とか、けっこうあるそうです。私の知り合いで、親を案内したときにこのテの部屋に当たった、という方がいました(^^;

で、第3曲では弦楽器が、今度は新婚さんの甘々ムードを奏でます。それでも後半、ティンパニや小太鼓のロール(ずどろろ(クレッシェンド)ろろろろ(ディミヌエンド)ろろろ…)で盛り上げずにはいられない、グローフェの性ですかね。

終曲は第1曲の主題の回想から始まりますが、中間部が何か変です…。「ラインの黄金」の金床のような「コン、カン、コン、カン」という規則正しい音がしだしたり、「イオニザシオン」のようにサイレンが鳴り渡ったり。実は、この組曲はNew York State Power Authority(ニューヨーク州動力(発電)局)から、1961年にナイアガラの新しい発電所の完成を祝って委嘱された作品なのです。だからこれは「水力発電所音楽」(by NAXOSの日本語解説)なのだそうです。

さて、ナイアガラの滝は大観光名所で、年中にぎわっています(もう10年以上行っていませんが、間違いなくにぎわっているでしょう)。初めての方には、まずはおなじみ「霧の乙女号」(滝壷に向かって、流れが強くてもう進めなくなるところまで船で川をさかのぼる。カッパを借りてもびしょぬれになる)やエレベーターで降りる滝の裏のツアー、スカイロンタワーからの眺めなどの定番アイテムがお勧めです。

しかし、個人的にお勧めしたいのは冬(いまごろ)。雪と氷に埋もれて、それでも流れが絶えない情景に、いかに人工的に整備されているとはいえ、自然の脅威を感じます。冬でもゴート島からは滝まで下りられました。車がないとアクセスは大変かもしれませんが、冬場にアメリカ東部やカナダにいらっしゃる方、ぜひ足を伸ばしてください。

いつになく大サービスで、ナイアガラの観光情報(カナダ観光局)はこちら。http://www.niagarajapan.com/
実は日本語を読むだけでもおもしろいので、ご紹介(^^


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