SSブログ

Bartok/OcheCon [管弦楽曲]

本当の題は「Concerto for Orchestra」なのだが、やはり「オケコン」。バルトーク最晩年、アメリカ時代の作品。彼のオーケストラ曲の中ではもっとも親しみやすい部類に入る(ということを認識したのは、他の作品を聴いたときだった)。3楽章はいささか退屈な場面もあるが、1楽章のファンファーレ前後、2楽章の「一対の遊び」、快速5楽章など、わかりやすい聴きどころ満載で、「バルトーク(のオーケストラ曲)入門」と言える曲だと思う。演奏するのはぜんぜん「入門」ではありませんけれどもね。

LP時代は、ブーレーズ/NYPのSQ4ch盤を聞いていた。「CD-4」とよばれる4ch再生装置がはやっていて、親にせがんで買ってもらった。でも買ったレコードは数えるほど、おまけに音像定位が明確な「ディスクリート4ch」は高いし、欲しい録音も無く、結局デモ盤しか持っていなかったと思う。後ろからも音の出る「擬似4ch」もそれなりに面白かったけれども、今のディジタルプロセッサとは比ぶべくもなかった。

ブーレーズのオケコンのレコードも、ジャケットに各楽器の聞こえる位置と録音時の楽器配置が描いてあり、譜面台を前後2台使った録音風景の写真がライナーに載っていたのだが、貧弱な耳には4chになってるんだかなってないんだかよくわからなかった思い出がある。

4chが廃れて約30年、現在のサラウンドが新たに大きな流れになりつつあるのは、映像との組み合わせであることの力が大きいと思う。装置を用意してDVDを買ってくれば、映画館の迫力ある音像がそれなりに再現できるのだから、そりゃあうれしいですよね。最近の映画は当然全部サラウンドという、ソフトの充実が、30年前と大違いなところ。

今日聞いていたCDは、かつて名盤ともてはやされたショルティ/CSOの演奏。ショルティは存命中から「欧米では人気があるのに日本では人気が無い指揮者」の代表格であったが、この演奏は、ある意味強引な印象を与えるドライブ感が、明晰さ、力強さなどにポジティブに働いた好例だと思う。ブーレーズもインテンポでちゃきちゃき行くのだけれども、ショルティのようにぐいぐい引っ張っていく感じは無いですね。ここらへんがうまく言葉で表現できれば、評論家になれるのかもしれないけれど、言葉足らずでちょとくやしいです。

バルトーク : 管弦楽のための協奏曲

バルトーク : 管弦楽のための協奏曲

  • アーティスト: シカゴ交響楽団, バルトーク, ショルティ(サー・ゲオルク)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 1993/04/24
  • メディア: CD

「かつて名盤」と書いてふと思ったのだが、そういえば音楽雑誌や単行本の「特選CD」の類を見なくなって久しい。最近の録音もぜんぜん聞かない(これは経済的な影響も大きい)し、老け込んできてしまったのかなあ。持っているのは例によって輸入(たぶん安い米)盤。上のCDは「弦打チェレスタ」とのカップリングですが、所有盤は「舞踊組曲」との組み合わせ。今日は(昨晩はなぜかうまくブログにアクセスできませんでした)オケコンの5楽章とこの曲を聴いてみます。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Tchaikovsky/Sym2Baltok/DanceSuite ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。