里中満智子/トゥーランドット [音楽関係の雑記]
いよいよ2007年も終わりに近づいてきました。初のマンガエントリーです。
「マンガ名作オペラ」シリーズの第5巻にあたり、この1冊でプッチーニの代表作、「蝶々夫人」「トゥーランドット」「ラ・ボエーム」が漫画化されています。このシリーズは全8冊、単行本で出ていたものが文庫化され、去年から今年にかけて順次発売になっています。モーツァルト、ワーグナー、両シュトラウス、ヴェルディ、プッチーニの代表作と、「カルメン」等の有名なオペラがカヴァーされているようです。
あまり分厚くもない1冊の文庫本に、マンガという絵が中心の媒体でも(字が少ないのに)、3つのオペラが収録できてしまっています。読んでみると、もちろんせりふの省略等はありますが、いちおう筋は追えています。正味の演奏時間だけでも6時間かかる内容なのですが、これだけコンパクトになってしまうのですね…。たとえば、有名なアリア「誰も寝てはならぬ」に相当するのは、この1コマだけです。
オペラが、話としては比較的単純で、やはり歌と音楽(と演技)を楽しむものだ、ということを実感しました。
実用的な意味を考えるなら、オペラを見る前に、だいたいどんな話か確認したりするのには都合がいいかもしれません。とはいえ、そんな堅苦しいこと考えずに、オペラから派生した楽しみ方のひとつだと思えばいいのではないかと思います。ヒロインはみな、丸々太ったりしてなくて(苦笑)いかにもな美人ですし、背景も舞台のように限定されていないで美しい景色とか出てきたりします。ベテランですから、人物のデッサンの狂いもないですし、安心して読めます。
オペラは決して「読むもの」ではないというのは百も承知の上で、たまにはこういうのも面白いと思います。
そんなマンガがあるんですね。
初めて知りました。
でも買って読みたいかどうかは微妙…?
by Lionbass (2007-12-27 18:21)
Lionbassさん、コメントとnice!ありがとうございます。
私もたまたま見つけて、好きな曲ばかりなので買いました。オペラに限らず何か原作があるものの翻案だと、セリフの取捨選択とか、キャラクターの見た目をどうするかなど、どうしてもマンガの作者の主観が強くなりがち(マンガ家の方は「私なりの解釈」とみなさんおっしゃいます)なのですが、その中では比較的原作にイメージが忠実(あまりひとりよがりになっていない)だと思います。まあ逆に、そのぶんインパクトが薄いということになるのかもしれません。
というわけで、ぜひ!と強くお勧めするほどではありませんが、機会があればどうぞ。決して「なにこれ!」という代物ではないと思います。
by stbh (2007-12-27 21:11)