Ives/Sym1 [交響曲(独墺以外)]
先日、仕事で日本に来た米国の友人と7年ぶり(日本では8年ぶり)に会いました。彼はクラシックにはほとんど興味がないのですが、敬意を表して米国を代表する作曲家のひとり、アイヴズの作品を。アマゾンでは在庫切れですが、ジャケットも気に入っているので、いちおうリンクを張っておきます。
Ives: Symphony No.1/Unanswered
- アーティスト: Chicago Symphony Orchestra, Charles E Ives, Morton Gould
- 出版社/メーカー: RCA Classics
- メディア: CD
アイヴズというと「わけのわからん現代音楽!」と思う方もいらっしゃるかとは思いますが、今回はぜひ認識を改めていただけるとありがたいです。この第1交響曲は「ニ短調」と記されており、明確な調性を持っています。また両端楽章がアレグロ、第2楽章が緩徐楽章、第3楽章がスケルツォと、古典的な楽章構成になっています。作曲されたのは1890年代後半、アイヴズはまだ20代前半ですから、習作に近い位置づけの作品なのかもしれません。
まあ普通の曲といえば普通の曲なのですが、第1楽章からしてなんとなく雰囲気が独特です。ブラームスを思わせるような、ロマン的な響きのところもありますが、急な転調や唐突な不協和音など、後のアイヴズの様式の萌芽を見る思いです。最初聴いただけではちょっと感情移入しにくいかもしれません。何度か繰り返して聴くと、いろいろな要素が組み合わさって作られているのがわかるような気がしてきます。
コーラングレの旋律に始まる叙情的な第2楽章と、いかにも「スケルツォ」の早い3拍子の第3楽章は、比較的すっきりしており、古典的なたたずまいです。しかしその中でも、特に第2楽章は、後々の静謐な音楽(「セントラル・パーク」とか)につながる、独特の暗い響きを持っているように思えます。
第4楽章は、後の交響曲を先取りしたドンチャン騒ぎで、一部に複合リズムのような部分もありますが、まだおとなしいほうでしょう。チャイコフスキーを髣髴とさせる金管のコラールなどもあり、楽しく聴けます。最後はお約束のティンパニのソロのffロール(ドロドロドロドロ…)がありますし。
このCDは1965年の録音ですが、そこそこよい音で聴けると思います。実はこのCD、買って長らく放置してあったのですが、「答えのない質問」「ロバート・ブラウニング序曲」「オーケストラ・セット第2番」の3曲も併録されており、アイヴズに挑戦してみる手始めにはいいかもしれません(売ってないのにごめんなさい…)。売ってるCDなら、こちらはいかがでしょう?
- アーティスト: クリーヴランド合唱団, ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団, アイヴズ, ドホナーニ(クリストフ・フォン), ズービン・メータ, ネヴィル・マリナー, モレル(ガレス), クリーヴランド管弦楽団, アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2005/05/25
- メディア: CD
最初はちょっとヘビーかもしれませんが、長く楽しめると思います。ぜひお試しを!
現代音楽って意外に面白いものもありますよね。。。
by おさかな♪ (2007-11-08 02:51)
おさかな♪さん、遠くベルリンからご来訪ありがとう!(^_^)
アイヴズ、慣れてくるとなかなかいいですよ。「現代音楽」とは言っても、もうずいぶん昔の曲だし。
そちらではけっこう普通に「現代音楽」も聴けるのですか?面白い演奏会を聴かれたら、ブログでご紹介くださいな。
by stbh (2007-11-08 23:11)
了解です^^♪♪
by おさかな♪ (2007-11-12 06:06)
おさかな♪さん、ブログ拝見しましたよ~
…つまらなかったんですね、現代音楽(>_<)
えーと、面白いのもきっとあると思いますので、めげずにまたそのうち行ってみてくださいな。
by stbh (2007-11-12 22:30)