Ifukube/JapaneseRhapsody [管弦楽曲]
ずいぶん間があいてしまいましたm(_ _)m
前回ご案内した「伊福部昭音楽祭」、成功裡に終わりました。これにちなんで、彼の曲をとりあげましょう。(本当は音楽祭前に取り上げる予定だったのですが、遅くなってしまいました。)
以前ご紹介したCDから。
あれ?以前は写真も付いてたのになあ。源氏物語絵巻でしたっけ…。
とにかく、この中に収録されている「日本狂詩曲」を聴きました。
この曲は、別のCDも出ています。
どちらかといえば、この広上惇一-日フィル等による「伊福部昭の芸術」シリーズが、今のところ、もっともauthenticな演奏と受け取られているようです。
この曲は、伊福部昭の実質的なデビュー曲に当たる、といえるかもしれません(最初の管弦楽曲です)。1935年、ロシアの作曲家チェレプニンが日本人のために設けた作曲コンクールに応募し、みごと第1位をとった作品です。当時、北大を卒業して森林官として北海道の僻地に赴任していた伊福部のことなど、中央の楽壇で知るものがいるはずもなく、パリから知らせを聞いた新聞記者が事務所にかけてきた電話で、伊福部は入賞を知ったと言います。
「あまりに日本的過ぎる、国辱的だ」と、日本の(東京の)作曲家たちによって、パリへ送付される前に葬り去られそうになったほどの作品が、かの地の審査員たちにもっとも強烈な印象を与えたとしても、現在なら想像に難くありません。並み居る一流若手作曲家を抑えて、当時としては破天荒な3管・打楽器9人という大編成の曲が、第1位となったのです。
この曲は入賞後の1936年にボストンで初演されていますが、国内での演奏会での初演は、なんと1980年まで行われていませんでした。曲は2楽章からなり、演奏時間は20分足らずですが、先に述べたように大編成であり、冒頭のヴィオラのソロをはじめ、あまりに日本的な(借り物ではなく、伊福部独自の旋律ではあるのですが)楽想が災いしてか、戦後の急進的な(十二音、ミュージック・コンクレート、電子音楽などに傾倒した)音楽界では、なかなか演奏される機会がなかったようです。
彼の特徴的な語法のひとつである「自然な」変拍子は、この作品ではまだあまり出てきていませんが、特徴的な旋律群といい、見事な管弦楽法といい、日本の管弦楽曲の代表作とするに値する名曲だと思います。
伊福部昭音楽祭が成功して良かったですね^^♪
by おさかな♪ (2007-03-15 01:15)
おさかな♪さん、ご来訪ありがとう。
来年は、ぜひ見に来てくださいな(^^
by stbh (2007-03-15 21:47)