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Milhaud/LaCreation [バレエ音楽]

昨年末に懐かしいCDが出ました。実はこの曲を紹介しようと以前から目論んでいたのですが、手元にCDが無く、テープとレコードだけだったので、しばらく躊躇していたのでした。今回、思いがけず再発売になりました(ジャケットも、オリジナル版のそれをほぼ踏襲しているようです)ので、入手して、聴いています。

ミヨー:世界の創造

ミヨー:世界の創造

  • アーティスト: ボストン交響楽団 ミュンシュ(シャルル), ミュンシュ(シャルル), ボストン交響楽団, ミヨー
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2006/12/20
  • メディア: CD

 

オリジナルのカップリングはミヨー2曲?ミヨー2曲とプーランク?今回の発売ではストラヴィンスキーの「カルタ遊び」も入っていますが、通して聴くとストラヴィンスキーはやはり異質です(^^; これまでは、ミヨー2曲をテープで聴いていました。

バレエ「世界の創造」は、題名から創造、ちがった想像されるような劇的な音楽ではありませんが、天地創造と人間誕生の物語なのだそうです。この曲が作られた1923年ごろのミュンシュは、ストラスブール音楽院の教授職(と管弦楽団のコンサートマスター)にあったとのこと。

この曲の特異性は、なんといってもその曲調-ジャズのイディオムをふんだんに取り入れた-にあるでしょう。第一次大戦後、ジャズは急速にヨーロッパに浸透していきますが、特にパリはその中心のひとつであったようです。小編成のジャズバンドが多く台頭するのは1920年代半ばだそうなので、このミヨーの作品は、流行の最先端を行っていたことになります。

冒頭のサックスに代表される哀愁を帯びた旋律の数々、随所に織り込まれたシンコペーション、独特の不協和音やコード進行など、明らかにジャズを意識したと思われる部分が多くあることは確かですが、これらを自家薬籠中のものとして独自の世界を作ってしまったミヨーの手腕には、あらためて驚かされます。

編成もバンドを意識しているのか、非常に特殊です。管楽器はフルート2、オーボエ1、クラリネット2、ファゴット1、ホルン1、トランペット2、トロンボーン1とアルト・サックス。弦楽器はヴァイオリン2、チェロ1、コントラバス1で、「複数にしないこと」というような但し書きがスコアに書いてあります。これらにピアノ、ティンパニ(通常の楽器3台+小型2台)と数々の打楽器が加わります。小物の打楽器は1奏者が演奏するように記譜されており、ジャズのドラマーを念頭において作曲されているのは明らかです。

さて、ミュンシュ/BSOの録音、今から半世紀近く前のものですから音質にはどうしても限界がありますが、小編成ながらミュンシュの豪快なダイナミックスのコントロールやテンポ運びはここでも生きていて、ジャジーなくだけた雰囲気と、ある種の格調高さがうまく同居しているように感じます、と言ったらほめ過ぎですか(^^;


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