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Beethoven/Sym9 [交響曲(独墺系)]

出遅れました(^^;
もう「おめでとうございます」という時期ではありませんが、本年もどうぞよろしくお願いいたします m(_ _)m

さて、年初の曲は何にするか。やはりおめでたい曲がよかろう、とういことで、第九を。今回聴いたのはこれ。

ベートーヴェン:交響曲第9番

ベートーヴェン:交響曲第9番

  • アーティスト: ジンマン(デイヴィッド), ナーフ(フリッツ), チューリヒ・トーンハレ管弦楽団, スイス室内合唱団, ツィーザク(ルート), レンメルト(ビルギット), デイヴィスリム(スティーヴ), ロート(デトレフ), ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 1999/04/21
  • メディア: CD

もうこのCDも出てかなりになります(1999年でしたっけ)。私は最近入手しましたが、現在は序曲も含めた全集が安く出ています。まとめて聴きたい方はこちらもよろしいでしょう。

ベートーヴェン:交響曲全集&序曲集

ベートーヴェン:交響曲全集&序曲集

  • アーティスト: チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 ジンマン(デイヴィッド), ジンマン(デイヴィッド), チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団, ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2006/05/24
  • メディア: CD

発売元は「ベーレンライター新版に基づく」という枕詞をつけていますが、必ずしも準拠していないのは周知のこと(特に第九以外の交響曲)なので、ご留意ください。この全集については、jurassic oyajiさんが発売当初から論評されています。

http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/talk/beeth.htm

またKanzakiさんはベーレンライター版とともに、最近出版されたブライトコプフ版にも言及されています。

ベーレンライター新版の直後に出たアバド/BPOによる録音を参照して、解析を行ったのは、例によって金子建志氏。ベーレンライター新版と慣用版との比較リストもあり、便利です。現在USEDしかないようですが、いちおうリンクしておきます。

交響曲の名曲〈1〉―こだわり派のための名曲徹底分析

交響曲の名曲〈1〉―こだわり派のための名曲徹底分析

  • 作者: 金子 建志
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 1997/10
  • メディア: 単行本
ジンマンの第九、60分を切る快速運転ですが、もう近年では、この程度の速度では驚きませんね。その昔(もう四半世紀前)、CDの規格を決めるとき、カラヤンの「第九を1枚で」の鶴の一声で容量が60分から74分(650MB)に変更されたと言われています(後に80分(700MB)に拡張されています。最近は80分を越えるものも発売されています)。しかしこのCDでは第4楽章の途中(6/8のトルコ行進曲)からを別テイクで10分以上収録しており、それでも1枚に収まっています。まあ上で触れたアバド/BPOの旧盤も確か約65分程度だったと思うので、早くなる傾向は、90年前後から見えていたのかもしれません。
旧来の演奏に慣れた耳には、第1楽章冒頭のきざみの速さや、付点のモチーフのそっけなさが、「こんなことやっていいの?」と思われてしまいますが、不思議なもので、しばらく聴いていると慣れてきます。テンポを(譜面の指示以上に)揺らし、わずかなフレーズや強弱を強調する演奏よりすっきり耳に(頭に)入ってくるような気がしてくるのは不思議です。
第2楽章の主題部は、速めのテンポではありますが、これはもうこれ以上いじりようが無い。ここでびっくりするのはトリオの快速テンポと、一部を繰り返していることでしょうか。フレーズの切れ目があっけなくて気になるのは第1楽章と同様ですが、まだこの楽章のほうが違和感は少ないです。
個人的に一番恩恵を受けたのは第3楽章です。恥ずかしながら、これまでの演奏はどうしても重すぎ、遅すぎて、じゅうぶん共感するまでなじめませんでした。このテンポと見切りのよさによって初めて、この楽章の全貌がわかったような気がします。さすがにコーダなどは、もう少し思い入れをもってくれてもいいような気もしますが、最後まで「あっさりさっぱり」が貫かれています。

快速テンポは第4楽章も同じですが、このテンポで弦楽器の細かい動きが、録音のせいもあるのでしょうがきちんと聞こえてくる(ように聞こえる)のは、ゾクゾクします。2重フーガなど、文句なしにカッコイイ。ここまでくれば、もう安心して、ジンマンの音に身をゆだねられる体質になっています。最後まで一気に連れてってもらいましょう(^^

新版で変更されたところは、それこそ枚挙に暇がありませんが、聞いて明らかにわかるところも何箇所かあります。これから何十年かかけて、この新版が標準となり、これまでの慣用版は「悪しき旧弊」として衰退していくのでしょうか。ブルックナーではすでにこれが起きていますから。


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mozart1889

本年もよろしくお願いします^^。
ジンマンのベートーヴェン全集は衝撃的でした。全曲が2000円程度で買えた激安価格も衝撃ですが、演奏はもっとショッキングでした。
ベーレンライター版というのは、こういうものなのかと驚きましたが、結構ジンマンが好き勝手にやっているみたいですね。5・7・9番が特に面白く聴けました。
録音も痛快、ややオケが薄手に聞こえますが、それもジンマンが目指したところなのでしょうね。
面白い演奏でした。
by mozart1889 (2007-01-16 11:09) 

stbh

mozart1889さん、コメントをありがとうございます。
作曲当時の楽器あるいは奏法を再現する試みが本格的になってから、かなり経ちましたね。そういったアプローチの集大成が近年の新版の楽譜であり、その出版にうまくのった企画がこの交響曲全集だと思います。
ジンマンの恣意的な部分がいろいろあるにせよ、エポック・メイキングな録音ですね。どうやらこの第九は、その中ではオーソドックスな方のようですが、最初は耳慣れませんでした(^^;
by stbh (2007-01-17 19:32) 

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