SSブログ

Mozart/Spatzenmesse [声楽曲]

モーツァルト・イヤーもあとわずか。駆け込みになりますが、モーツァルトの作品を取り上げたいと思います。今回は、ちょっとマイナーな曲(^^;

モーツァルト:戴冠ミサ

モーツァルト:戴冠ミサ

  • アーティスト: クーベリック(ラファエル), シュミットフーバー(ヨーゼフ), バイエルン放送交響楽団, バイエルン放送合唱団, マティス(エディト), プロクター(ノーマ), グローベ(ドナルド), シャーリー=カーク(ジョン), トロヤノス(タティアーナ), ラウベンタール(ホルスト・R), モーツァルト
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 1997/02/05
  • メディア: CD

「戴冠ミサ」のほうがもちろん有名ですが、ここでは、私が演奏したことがあり(^^;、その後も時折聴いてなじんでいるK220を、あえて取り上げさせていただきます。宗教曲とはいえ、モーツァルトの他の作品同様、聴いていて楽しくなるような、美しい場面が多いと感じます。

ザルツブルク時代のモーツァルトは宮廷音楽家として身を立てており、この間に大半のミサ曲を作っています。この曲もそのうちのひとつで、1775年、モーツァルトが20歳のときに作曲されています。編成は4部合唱と各ソリスト、ヴァイオリン2部、通奏低音にトランペット、ティンパニとなっています。トランペットとティンパニが入っているので、「ミサ・ブレヴィス」(簡易なミサ)という呼称はそぐわない、とする向きもあるようですが、実際のところ、どうしてこういう呼び名が決まっているのか、きっと決まりがあるのでしょうが、私はよくわかりません(^^;

曲は、ミサの通常文に作曲されており、実際のミサに用いることができるよう、全体でも20分足らずの長さに仕上がっています。

第1曲「キリエ」の冒頭三つの和音がC-dur、G-durときてa-mollになるのが、哀愁を帯びていてモーツァルトっぽいですね。第2曲「グローリア」と第3曲「クレド」の第1節は作曲されておらず、グレゴリオ聖歌を歌うことになっていますが、これも礼拝用の曲ならでは。3拍子の「グローリア」はいささか平板な曲調ですが、「クレド」は豊かな楽想にあふれており、特に冒頭の十六分音符は印象的です。

第4曲「サンクトゥス」、7小節のアンダンテを経て、アレグロに入った部分のヴァイオリンの装飾音符の旋律が、この曲のニックネーム、「雀のミサ」の由来だそうです。この音形が、雀の「ちゅんちゅん」に聞こえる、ということらしいです。これは、言われれば、まあそうか、という程度のものですね。第5曲「ベネディクトゥス」は全曲で唯一のG-dur。アンダンテの曲想は全曲中最も美しいと思います。最後は「ちゅんちゅん」に戻って「ホサンナ」が再帰。第6曲「アニュス・デイ」は、恰幅のよいアダージョで、なかなか堂々とした音楽だと思います。アレグロの「キリエ」の旋律が帰ってきて、全曲を閉じます。

「戴冠ミサ」とこの「雀のミサ」、それにアヴェ・ヴェルムの3曲が1973年のクーベリック指揮バイエルン放送交響楽団の演奏で、もともとのカップリングです。これら3曲は、長年、これらの曲のスタンダード的演奏として親しまれてきたもので、アナログ盤をお持ちの方も多いでしょう。クーベリックのスタジオ録音における統率の確かさが生き生きとした曲調と絶妙のコンビネーションになっています。さらにこのCDでは、エディト・マティスが歌った「エクスルターテ・ユビラーテ」が組み合わされており、いっそう聴きがいがある曲集になっています。もちろん、モーツァルト・イヤーが終わっても、その価値はまったく減じませんので、ぜひお試しください。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 2

mozart1889

stbhさん、あけましておめでとうございます。
クーベリック盤の「戴冠ミサ」、僕も持っています。素晴らしい演奏ですね。
ミサ・ブレヴィス 「雀」も良い演奏でした。
エディット・マティスの歌唱も好きなんです。これ、エエですね。
愛聴したいCDです。

では、今年もよろしくお願いします。
by mozart1889 (2007-01-02 06:54) 

stbh

mozart1889さん、明けましておめでとうございます。
新年早々のご来訪、ありがとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。
戴冠ミサのCDがほしいと思ったとき、いろいろ試聴したり評を見たりしたのですが、結局、アナログ盤と同じクーベリックに落ち着きました。エディト・マティスの伸びやかな声は、特にモーツァルトにあっていると思います。ベームのレクィエムもこの人でしたよね。
by stbh (2007-01-02 22:50) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

ThreeDogNight/Around..Beethoven/Sym9 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。