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Mussorgsky/BareMountain [管弦楽曲]

ブリテンは一休みさせていただいて、ちょっと気分を変えて。

ムソルグスキー:展覧会の絵(ゴルチャコフ、フンクテ版/サラステ選)

ムソルグスキー:展覧会の絵(ゴルチャコフ、フンクテ版/サラステ選)

  • アーティスト: サラステ(ユッカ=ペッカ), トロント交響楽団, ムソルグスキー
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/12/18
  • メディア: CD

メインは「展覧会の絵」なのですが、今回はそのほかの曲を聴いてみました。1996年に行われたこの録音は、サラステとトロントSOコンビの初録音だそうです。オリジナルのジャケットは、サングラスをかけた、ちょっとこわいサラステの写真が

それにしても変わった構成。まず「禿山の一夜」があって、「展覧会の絵」組曲、そして「ホヴァンシチナ」前奏曲、荘厳行進曲「カルスの奪回」、「スケルツォ変ロ長調」となっています。特に最後の2曲はあまり聴く機会の無い曲で、私もこのCDで始めて知りました。

演奏時間は「禿山」が10分くらい、「展覧会」が30分あまり、最後の3曲の合計が10分強というバランスですから、「展覧会の絵」というトンカツを小曲のパンで挟んだ「カツサンド状態」とでもいえる構成になっています。今回は、あえて「パン」だけはがして食べてみました。ソースの味がどれだけしみているか…。

「禿山の一夜」は、ムソルグスキーのオリジナルではなく、リムスキー=コルサコフ編曲の慣用版が用いられています。ムソルグスキー版はあまりきちんと聴いていないので比較はできないのですが、いずれにしても悪魔や妖怪が集う様子を見事に描写していますね。

私が最初にこの曲に接したのは、中学の美術の時間でした。何の解説もなく曲を聞かされて、「自分のイメージしたものを描きなさい」という課題でした。もう何を描いたか忘れてしまいましたが、そのあと本来のストーリーを教えてもらって、だれもそんなことは考えていなかった(笑)ことを覚えています。これだけ良くできた曲でも、音楽だけからストーリーを想像する、というのは難しいのですね。

ディズニーの名作「ファンタジア」にも採り上げられていますし、手ごろな長さですし、ストーリーと音楽との関係もわかりやすいので、名曲のひとつではあるでしょう。ただ、思いのほか演奏効果が上がらないのか、あまり実演で取り上げられることは無いような気がしますが、いかがでしょうか。

後半の3曲、まず「ホヴァンシチナ」前奏曲。「ホヴァンシチナ」はムソルグスキーの遺作で、前奏曲に限らずピアノ・スコアしか残されておらず、リムスキー=コルサコフがオーケストレイションを行ったそうです。後年ショスタコーヴィチが、よりムソルグスキーのオリジナルに近いものを目指してオーケストレイションを行い、現在ではこちらが演奏されることも多いようですが、ここではリムスキー=コルサコフ版が用いられています。「モスクワ河の夜明け」のニックネームがあるこの曲は、全体に静かな曲調で淡々と進みますが、クラリネットやフルートのソロ、鐘を模したホルンなど、聞かせどころはけっこうあります。

「カルスの奪回」は、このCDの中で唯一、ムソルグスキー本人のオーケストレイションによっています。威勢のいいファンファーレで始まる立派な行進曲です。ぱっと聴いたところは、リムスキー=コルサコフの編曲と比較して、そんなに遜色はないと思うのですが。管楽器の用法はよく似ていると感じました。

最後の「スケルツォ」は、ムソルグスキーのピアノ曲をリムスキー=コルサコフがアレンジしたものです。2小節にわたるフレーズが、スラブ舞曲第1、8番あたりを思い出させます。最後、Gbのユニゾンから属和音、主和音で唐突に「ジャン、ジャン!」と終わるのが特に印象的です。

トロント交響楽団、「小澤のトゥランガリーラ」のイメージが強いのですが、あの録音ももう40年前のことです。当時のメンバーは、まず残っていないだろうなあ、と思うと、ずいぶん時がたったものだと、しみじみしてしまいます。そんな前の録音も聴けるというのは、ありがたいことですね。


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