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Brahms/Sym3 [交響曲(独墺系)]

ふだんは、ブラームスの交響曲は、あまり聴きません。むかし、たくさん聴いたり演奏したりして、あまり聴きたいと思わなくなってしまったようなのです。で、どんなときに聴くかというと、仕事が忙しかったり、家庭内に不和があったり(^^;、とかとか…。心に乱れがあって、なじみのうすい音楽をしっかり聴くようなことがとてもできそうにないとき、マイ「癒し系」として聴くことが多いのです。今回は最初の理由です(苦笑)

ブラームス:交響曲第3&4番

ブラームス:交響曲第3&4番

  • アーティスト: ベーム(カール), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ブラームス
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2004/06/30
  • メディア: CD

うーん、こんなカップリングになっていたのですね。私の持っているCDは第3番と「アルト・ラプソディ」。さっき、「そういえばベームのCDはお店にいってもあまり見ないなあ」と思ってユニバーサルクラシックのサイトを見に行ったら、アーチスト別索引にベームがない!ということは、それだけ発売数が少ないということですよねえ。ユニバーサルですよ?DGとDeccaとPhilipsですよ?みーんな、名録音がすぐ浮かぶじゃないですか!

モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの各交響曲全集+再録音、フィガロ、魔笛、コジなどモーツァルトのオペラ、バイロイトのリングやトリスタン、モツ・レク、ミサ・ソレなどの声楽曲、リヒャルト・シュトラウスの各作品など。ざっと思い出してもこれだけ出てくるのに、みんなどこへ行って(行かされて)しまったのでしょう?

この第3番は1975年、変な言い方ですが、晩年の絶頂期の録音です。1975年と言えば、ウィーン・フィルとの来日公演が今でも語り草になっていますし、ライヴもいくつか出ていました。日本での人気はすさまじいものがありましたね。

この録音、当時は「決定盤」のようにいわれていましたが、今聴きなおしてみると、必ずしも完璧な録音とは言えませんねぇ。音が1975年にしてはクリアでないように感じますし、アンサンブルがあまりきちんとしていないところがところどころ。他に代え難いウィーン・フィルの音ではありますが、ちょっと物足りない気がしないこともないです。

でも、「癒し系」にそんな完璧な演奏は無用です。多少ダルでも、違和感がないことが大事。「晩年のベームは遅い」というのはたしかにそうですが、ここではそんなに極端に遅くない(まあ決して速くはないけれど)。ひとつひとつの和音、ひとつひとつのフレーズを確かめながら聴くにはこのくらいがちょうど良いです。

そう、他のブラームスの交響曲だと、勢いで持っていってほしいところがありますが、この曲はそういうのとは無縁ですね。両端楽章でも、着実なあゆみを聴きたいです。

第1楽章は、第1番に続いて6/8拍子ですが、あそこまで仰々しくないです。大雑把に言って、ブラームスの作品は後になればなるほど、簡潔になっていきます。複雑なシンコペーションや一瞬「ひゃらりら」と鳴る合いの手(副旋律)などは健在で、けっこう凝ってはいるのですが、ぱっと見、第1番ほど複雑ではないです。この楽章の第2主題、9/8拍子のところは振りにくいので有名で、なかなか「適正なテンポ」に落ち着けないそうです。ベームは「曲に語らせる」というか、あまりいじくることをしないで、でもさっぱりではなくしっとりと(どうゆうこっちゃ)曲を進めていきます。まあ聴いたらわかっていただけますよ、きっと。

第2楽章で、ベームが思ったよりロマンティックだったのでちょっとびっくりしました。テンポを自在に揺らしたり、クレッシェンド・ディミヌエンドをけっこう大げさにやったり。でもそのおかげで、やはりブラームスはロマン派の人だということを再認識できます。これがまた、この楽章には似合うんだ。

映画に使われたことでとても有名だった第3楽章ですが、私は映画を知らず、曲もそんなになじみがありませんでした。ブラームスは交響曲では本格的なスケルツォを1曲も書いていません。この曲も「ロマンツェ」とでも呼びたいような、魅力的な旋律にあふれた小品になっています。

第4楽章はまた、飾りの少ない解釈なのですが、ベームの場合、「かっちり」「がっちり」「ずっしり」という感じではありません。中間楽章に比べるとテンポの揺れは少ないですが、ブラームスの流麗な面を失うことなく、音楽が流れていきます。ブラームスの交響曲の中で唯一、弱音で終わるエンディングは、ff から少しずつ落としていくのがとても難しいのです。受け渡しされていく十六分音符をきれいにつなげていくだとか、なかなか聴衆の耳にとどかなくても苦労するところが、この人の作品には多いような気がする。そういう意味でもばりばりのロマン派ですよね、やはり。

ブラームスの交響曲の中では、私にとってはいちばんなじみの薄い曲ですが、それでも思い入れがどうしてもあって、なんかいつも以上にへんな文章でごめんなさい。今週はほんとに疲れているので、もうちょっと付き合ってください(-人-)


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コメント 2

ブラームスはベームが最高ですね。
ウィーンフィルの団員には「もうろくじじい」とか
「ベームの曲に俺らがしてやっている」とか
言われていたそうでしたが、やっぱ癒されます。
浦島のCDはグラモフォンの全集です。
by (2006-02-16 23:51) 

stbh

浦島さん、nice!&コメントありがとうございます。
ベーム指揮・ウィーン・フィルの演奏、特に70年代以後は聴いていてほっとするものばかりです。廉価落ちして喜んでいたのもつかの間、ベームの録音がどんどん減っています。キープしとかなくちゃいけませんね。
by stbh (2006-02-18 01:07) 

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