SSブログ

Debussy/LaMer [管弦楽曲]

昨日、仕事(会社に出てました)の合間を縫ってエントリーを書いていたら、保存し忘れてパアになってしまいました。うーん、「天網恢恢疎にして漏らさず」(勝手に変換したのだけれど、後半はこれでいいんだっけ?)というところか。よい子はおうちで遊びましょう。

さて、独襖ネタが続いたので、ちょっとひとやすみしてフランスもの。でも演奏してるのはカラヤン/BPOだったりするわけで。

ラヴェル:ボレロ

ラヴェル:ボレロ

  • アーティスト: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, ラヴェル, カラヤン(ヘルベルト・フォン), ドビュッシー
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 1996/12/02
  • メディア: CD

またジャケ写が無い録音になってしまいましたね…。いかに私が最近CDを買っていないか、ではなくて、世の中CDの淘汰が激しいか、を物語っています、あくまで(^^;

このCDは、LP1枚で出ていた1965年録音の「海」「ダフクロ2組」「牧神」に「展覧会の絵」とカップリングされていた「ボレロ」(1966年)を組み合わせてあります。展覧会/ボレロは自分で買ったLPの最初の10枚に入っていますが、その他の録音はCDで初めて聴きました、といってもすでに10年以上前のことになりますが。

この中で、今日は「海La Mer」。ドビュッシーの純粋な管弦楽曲としては3作目、ということになるのだそうです。それにしても「ペレアス」や何曲ものバレエを手がけたあとのことで、非常に洗練された音楽になっています。「純粋な管弦楽曲」というカウントの仕方がどれだけ意味があるのか疑問…。

それでもただの「管弦楽組曲」ではなく「交響的粗描」と副題を付けたのは、曲中・曲間の主題やリズムの関連性があり、彼の作品の中では比較的堅固な構成となっているからでしょう。印象派、特にドビュッシーの場合、音楽の構造よりはひとつひとつのフレーズの雰囲気を大事にして曲が作られていると感じます。この曲は、彼の作品の中では構成感というか、主題が明確であるとか、曲調が部分や楽章ではっきりと違うとか、特にシンフォニーなどを中心に聴いてきた人にもわかりやすい作品となっています。

私の持っている古い全音のスコアの解説に、「この音楽を一言で評するならば奇妙ないい方ではあるがまさに海のような音楽である。」と記されています。説明になっていない、とも言えますが、これ以上、この曲を簡潔に説明した言葉を知りません。北斎の「神奈川沖波裏」に触発されたと言われていますが、細かい音符の漣や長いフレーズの大きなうねりが織り成す波模様とでもいうか、本当にさまざまな海の表情が音楽に表わされています。

第1楽章「海の曙から真昼まで」はベースとティンパニのHのユニゾンから、1番、2番ハープ、チェロ、ヴィオラ、木管と次第に盛り上がっていき、一度落ち着いてから再度クレッシェンドして、6/8の主部に入ります。弦の細かい動きの上にフルートとクラリネットの和音、ホルンのオクターヴなどの印象深い主題が入れ替わり立ちかわり出てきます。この楽章で特筆すべきは中間部、チェロの8部合奏(16本必須!?)のところの独特な音色でしょう。

第2楽章「波のたわむれ」は素敵なアンサンブルに満ち溢れています。「グロッケンシュピールGlockenspielまたはチェレスタ」という指示の楽器があります。ドイツ語なら鉄琴のことなのですが、通常の鉄琴はフランス語ではJeu de Timbresで、Glockenspiel(フランス語だからスピールかな)はチェレスタに近い鍵盤楽器なのだそうです-何が違うんだろ?

第3楽章「風と海の対話」は音量・音色の変化が大きく、いっそう劇的な音楽になっています。この楽章ではトランペットのほかにコルネット(音色がやわらかい)が使われています。出番は少しですが、ほとんどソロばかりで、けっこう目立ちます。最後は盛大に盛り上がって、マーラーの第1交響曲みたいに弦とティンパニが1拍(2/2なので半拍か)遅れで「チャンドン」と最後を締めくくってくれています。この曲の最後は、だれのどんな演奏でもどうしても高揚してしまいます。

ドビュッシーで最初になじんだ曲で、ときどき取り出しては聴いています。BPOのシャープさとさわやかさを兼ね備えた音色が何とも良く似合う気がするのですが、いかがでしょう。


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 2

すまーふ

海はこの前聴きました♪
オケを始めた時は、なんて退屈な。。。無理。。。
って思っちゃたのですが、この間聴いたときは最初の印象に
比べて聴きやすくて、なんだかもっと知りたいって思ってきました♪

ボレロは、スネアコンチェルトみたいですよね(^v^)
by すまーふ (2005-11-25 12:53) 

stbh

すまーふさん、コメントとnice!ありがとうございます。「海」、演奏するほうは細かい、リズムの難しい音符が多くて悲鳴が上がりますが、聴くほうはでれ~と波に身を委ねてればいいのではないでしょうか。だんだん慣れてくるといろいろな音が聞こえるようになって、だんだん面白くなると思います。
ボレロ、スネアコンチェルトね、確かに。でもコンチェルトにしてはあまりにストイック(笑) 打楽器奏者として大変さの一、二を争う曲なのに。
by stbh (2005-11-26 01:48) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Strauss/HeldenlebenRavel/Daphnis ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。