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Ravel/Daphnis [バレエ音楽]

引き続き、同じCDの次の曲をご紹介(安易だな、と思いつつ、またやってしまいました)。なのでAmazonのリンクは張りません。

ラヴェルの代表作のひとつで20世紀のバレエの名曲、「ダフニスとクロエ」から第2組曲。「三角帽子」もそうなんですけれど、第2組曲がバレエの最後のクライマックスを含むので、第1組曲より演奏効果が高い(受ける)ようです。いずれの曲も、演奏会で第2組曲のみ、あるいは第1・第2組曲を両方やることはあっても、第1組曲だけというのはあまり聞いたことがありません。

さて「ダフニスとクロエ」の第2組曲は、バレエの第3部と呼ばれる最後の3曲、すなわち「夜明け」「無言劇」「全員の踊り」からなっています。バレエ全体のあらすじは他の優良サイトを検索していただくとして(ごめんなさい)、ダフニスが夜明けとともに目覚め、パンの神の力で海賊から救われたクロエに求愛し、全員でその結婚を祝福する大団円までの場面の音楽です。

第1曲「夜明け」は、まさに夜明けを描写した音楽として有名です。ppの漠とした(でも演奏する方は大変)木管のアルペジオや鳥の鳴き声の間から、次第に太陽がのぼっていく(長いフレーズが大きくなっていく)さまは、まさに「夜明け」以外の何者でもない音楽です。日が昇りきったところで高らかに鳴る主要主題が、なんと生き生きとしていることでしょう。

第2曲「無言劇」はダフニスのプロポーズですね。あまりあからさまになまめかしい(赤面するような)フレーズは出てきません。クロエが妖精だからか、きんきら、きらりん、きらきらきら、というまぶしい光のような音楽になっています。

第3曲「全員の踊り」は5拍子(3+2)!踊る人、というか振り付けが難しいのではないでしょうか。強拍と弱拍で長さが違うため、単純な往復の動きが使えないですから、細かい動きを自然にできるように当てはめるのは大変だと思います。オーケストラ的には打楽器が活躍しまくります。最後のffからクレッシェンドの延ばし、管楽器はつらいですね(^^;

オリジナル(全曲版)は歌詞の無い合唱が指定されていて「アー」と歌っていますが、この録音はオーケストラのみです(合唱無しでも違和感が生じないように作曲されています)。最後などはやはり合唱がないといささか迫力に欠けますが、オーケストラ・ピースとして楽しむなら、細部まで聞こえるオーケストラのみの演奏がよろしいのではないでしょうか。

カラヤン/BPOの演奏は、全体的に速めのテンポで、弱音のニュアンスを大事にしているように思えます。特に、低弦とファゴット・ホルンやトロンボーンがベースを保持する時の「ずーん」という音色なんか、pでも迫力です。いっぽう終曲のようにはでなところは、とても華やかですね。

ちょっと残念なのは、私のCDの場合ワントラックであること。まあつながって演奏されるのだし途中から聴くのが邪道なことは百も承知の上で、やっぱ最後だけ聴きたいときだってあるジャン。せめて曲ごとにわけといてくれるとありがたかったのになあ。

追記:この曲も冨田勲がアレンジしています。前半の夢幻的な部分の音色の着想はすばらしいのですが、「全員の踊り」の迫力は、さすがの冨田勲をしてもフル・オーケストラにはかなわないようで、苦戦しています。どうしても音の厚みがものたりない。


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