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Mozart/Requiem [声楽曲]

急に、この曲を聴いてみたくなったのは、近所で痛ましい事故があったからかもしれません。 

Mozart: Requiem in D Minor

Mozart: Requiem in D Minor

  • アーティスト: Catherine Rogers, Peter Rose, Wolfgang Amadeus Mozart, Charles Mackerras, Scottish Chamber Orchestra, Susan Gritton, Timothy Robinson
  • 出版社/メーカー: Linn
  • 発売日: 2003/05/05
  • メディア: CD

今回聴いたのは、現代作曲家による補筆のうち、ロバート・レヴィンによるもの。モーンダーが初採用したAmenフーガをさらに拡大しての採用、SanctusとBenedictusの大改訂とBenedictus後のHosannaのニ長調への移調、全編にわたるオーケストレーションの修正、などが特徴です。なお、各種の補筆完成版についてはこちらのサイトが詳しいです。他の記事をみてもしっかりした見識をお持ちの方のようなので、URLを引用させていただきます。

http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/talk/mozart/requiem.htm

この録音を聴いたとき、「秀才のくどさ、天才の簡潔さ」という言葉を思い出しました。全面にわたるオーケストレィションの改訂により、響きや和声進行は自然になりました。しかし例えばBenedictus後のHosannaをニ長調にするためになぜ長々とIntroitusを引用する必要があるのか?わざわざニ長調で統一したのにHosannaフーガを1回目と2回目で変えるのはなぜ?など、手を尽くしたところほどモーツァルトから離れていくように感じてしまうのですが…。

でも、最近ジュスマイヤー版支持の声が高まるのには、もっと違和感を感じます。200年も使われてきたのだから?彼の「作曲」という意味では、現代の補筆と何も違わないのではないだろうか?200年前の凡才のほうが、現代の秀才より必ず優れている、というつもりなのか?

***

記事を書いている途中に家人と話をしていたら、なくなった方が知人の知人の息子さんであったとのこと。痛恨。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

もっとコメントするつもりでいたのですが、ちょっと元気が出ません。「補筆完成はいろいろ楽しみたいが、やはりこの曲の本質はIntroitusとKyrieで終わり」という、たぶん今となっては少数派の意見を再掲して、今回は終わらせていただきます。最後にもうひとつだけ、カップリングに入っている「アダージョとフーガ」K546は、輪をかけて悲痛です。


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コメント 4

おさかな♪

今日は、ウイーンフィルの定期演奏会をラジオで聴いて過ごしました^^。
ゲストのピアニストさんが、「モーツアルトは明るい曲が多い反面、短調の曲はたまらないものがある。」というようなことをコメントされていました。
なるほどー、と思いました。
by おさかな♪ (2005-10-23 22:17) 

stbh

今日は「優雅なおさかな♪さん」ですね^^。コメント&nice!ありがとうございます。モーツァルトの作品は貴族などから注文を受けて作ったものが多いので、基本的に明るく楽しい長調の曲が多いようです。短調の曲は、2曲のト短調の交響曲(第25、40番)、ニ短調のピアノ協奏曲(第20番)、ホ短調のヴァイオリン・ソナタ(第28番)など少ないのですが、モーツァルトの内面が吐露されているというか、心に訴えかけてくる名作が多いと思います。機会があれば、聴くのも弾くのもお試しください。
by stbh (2005-10-23 23:44) 

そうですね。私もモーツァルトの短調が好きです。
モツレク(モツ肉みたい。。。^^)は神戸の震災のレクイエムで弾きました。
寄せ集めオケなだけに演奏そのものはイマイチだったのですが、いろいろな
想いを持って弾いたので今でも印象深い曲です。
by (2005-10-25 00:00) 

stbh

震災のモツレク弾かれたのですか。私はモーツァルトの「フリーメイソンのための葬送音楽」、ベートーヴェンの「エロイカ」第2楽章など、知人の告別のために演奏したこと(あるいは接したこと)があります。こういった体験をした曲には特別な想いを持つようになりますね。
上でご紹介した「アダージョとフーガ」は、ライナーノートに拠ればカラヤンの葬儀で演奏されたそうです。この曲も人の死を悼むにふさわしい、かなりつらく悲しい音楽です。
by stbh (2005-10-25 12:24) 

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