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Mahler/Adagio [交響曲(マーラー)]

1ヶ月あまり勝手に続けてきた「マーラー・ライヴ・シリーズ」は今回でいちおう一区切り。残念ながら第10番の全曲版ライヴはありませんでした…。第1楽章(いわゆる「アダージョ」)も、1本だけ。1982年8月29日、ザルツブルク音楽祭におけるテンシュテット/ウィーン・フィルの演奏会(後半は「エロイカ」)から。

もちろん、ロンドン・フィルとのCD(スタジオ)があります。全集の中から第9番とのカップリングで分売されています。

マーラー:交響曲第9&10番

マーラー:交響曲第9&10番

  • アーティスト: テンシュテット(クラウス), ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団, マーラー
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2005/03/02
  • メディア: CD

こちらは未聴ですが、今回の演奏会もこの全集が作られている時期とそう遠くないので、基本的な解釈はそう大きく変わっていないのではないでしょうか。最近出てきたテンシュテットのライヴCDは、ガンで一度倒れてからの80年代後半から90年代のものばかりですが、80年前後(ロンドン・デビューから病に倒れるまで)の、ある意味(病の憂い無く)もっとも輝いていた時代のライヴもこれから発掘されていくといいですね。

冒頭のヴィオラが、生々しい音で始まります。ソロではないのですが、ひょっとしたら数本に絞っているかもしれない。かなり粘ります。そしてアダージョの第1主題。うーん、やっぱりウィーン・フィルの弦はいいなあ。あとは若干の緩急はあるものの、停滞感はありません。冒頭のアンダンテ、主題のアダージョとフリーセントの3種類のテンポの部分が、第9番の第2楽章のように交代を繰り返しながら変イ短調のクライマックスへ向かって進んでいき、大不協和音から悲痛なトランペットのAが響きわたり、やがて主題が戻ってきて、徐々に力を落としながらコーダ、そして終末へと収斂していくさまは、さながらひとつの大きなクレッシェンド-ディミニエンドのよう。あまりねばらず、潔く最後の音が消えていったあとは、さすがに前プロなのでブラヴォーこそありませんが、長い拍手。

なお、テンシュテットがウィーンフィルを振ったのは、どうやらこれが唯一の機会のようです。裏青も出ています。以下のページに顛末が若干書かれています。

http://www.syuzo.com/tennstedt/tennstedt023.html

「お互いに嫌っていた」にしてはなかなかの演奏だと思うのですが。プロだからやることはやる、ってことなのでしょうか。そのうち「エロイカ」のほうも聴いてみましょう。

さて、ある作曲家の交響曲がいくつかあってCDをそろえようとするとき、私は、各曲できるだけばらばらの指揮者で買おうとします。で、テンシュテットのマーラーはオーケストラがLPOで録音があまりよくないという理由で、実はこれまでひとつも買いませんでした(ダビングはけっこうしましたので、聴いてないわけではありません)。

ここしばらくインバル、ブーレーズ等「すっきり系」のマーラーを聞くことが多かったのですが、近ごろなんとなく、「やはりマーラーならテンシュテットもきかねばなるまい」と思うようになり、テンシュテットの全集がときどきバーゲンになる(通常7000円あまりが5000円台)ときに買おうと思っていたのです。

が、そうこうするうちライヴ発売が続き「やっぱテンシュテットはライヴかな」と思いなおし、第5番(出たばっかりの来日公演ではなく、88年録音の安いほう)を買ってしまいました。ブログをやって、多くの方からいろいろなことを教えていただいたので、これまであまり聴いていなかった指揮者によるマーラーの録音もこつこつ聴いてみようと思っています。それらの感想は、いずれまた車で聴いたときに。


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コメント 2

サンフランシスコ人

テンシュテットのコンサートに3回行きました。

by サンフランシスコ人 (2009-01-13 08:52) 

stbh

3回も!いいですね~。私はいちどフィラデルフィアでチケットを取ったのですが、体調不良で代役になってしまい、結局聴けませんでした。
by stbh (2009-01-15 22:53) 

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