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Mahler/Sym3 [交響曲(マーラー)]

さて、第3交響曲。個々のメロディーやエピソードが魅力的なことは、マーラーの交響曲中で1,2をあらそうと思いますが、やはり長い。それに多くのものが詰め込まれていて、ともすれば雑多な印象があります。それがまた魅力でもあるのですが。

持っているCDはこれなのですが、あまり聞き込んでいません。

マーラー:交響曲第3番

マーラー:交響曲第3番

  • アーティスト: ノーマン(ジェシー), タングルウッド祝祭合唱団, アメリカ少年合唱団, ボストン交響楽団, マーラー, 小澤征爾, リットン(ジェームス)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 1994/07/25
  • メディア: CD

彼の「復活」の演奏は、テンポ運びや細部の表情などで首肯しがたいところが多々あるのですが、全体をすっきりわかりやすく聞かせてくれるという印象であった(「復活」「千人」などによる)ので、この長い曲をすっきり聞かせてもらいたいと思って買ったのでした。でも、やっぱり3番は3番。(苦笑)

というわけで、最近はまともにこの曲を聞いていませんでした。むろん車の中では完全に集中して聴けるわけではないし、通勤時間は1時間もないので細切れになってしまうのですが。

今回の録音は、ベルティーニ/N響、1987年3月の定期のライヴ。

第1楽章冒頭からけっこう遅い。といっても「粘る」のではなく、「不断の歩み」という感じ。例えば前打音的な細かい音符を詰めてリズムを強調したりするわけでもない。それが一転、ヘ長調に入るとぐんぐん推進される。このへんの色分けの妙がベルティーニの真骨頂か。再現部から、爆裂コーダへのなだれ込みはN響といえども(?)、すごいですね。

第2楽章は、同じような位置づけの第2交響曲の第2楽章と比較しても、非常に豊かな音楽が内包されているのがわかる。それを、くっきりと表情を変えた演奏を引き出すベルティーニの手腕は、やはりたいしたものだ。N響の木管の音色がいまいちでも、彼の解釈はゆるぎない。

第2楽章と第3楽章の間で拍手。アルトの井原直子さんでしょうか。第3楽章の主題は、歌曲集「若き日の歌」から「夏の小鳥の別れ」による。マーラーが採用した「角笛」の詩は、全体にグロテスクなものが多い。この曲だって、いきなり「カッコウが落ちて死んじゃった!」だもんね。曲想はあまりカッコウの死骸のようではなく、(笑)若干遅めのテンポでサクサク進む。中間部も、牧歌的。全体的に打楽器がオン気味の録音で、タンバリンの皮の音が妙にぱこんぱこん聞こえる。コーダも遅めのテンポでじっくり聞かせて、でも華々しく終わる。

第4楽章は「ツァラトゥストラ」から採った歌詞により歌われる。静かで美しい、リュッケルト歌曲集を思い出す曲。オーケストラは薄めだが、強弱のニュアンスは思いのほかあり、全編テンポルバートのような、かなり練習が必要と思われる曲。

第5楽章のみに、「角笛」の歌詞と女声合唱(国立音楽大学)、少年合唱(国立音楽大学付属小学校)が参加している。N響は国立音大がデフォルトですね。少年合唱の声(発音)があきらかに日本語なのは、ちょっと悲しいですが、音程は良く、いい感じです。もともと気持ちよく聴ける曲ですし、けっこう、けっこう。

第6楽章が、若いころは鬼門でした。だっていつまでたってもおわらないんだもん!ベルティーニの演奏もあまり奇をてらわず、すなおに曲想にしたがっている。最後まで一気に聞かせる、という曲ではないので集中して聴くことは必要だが、ひとつひとつのフレーズの表情がはっきりしていて、勢いで流されることのない、堅実な(かつ流麗な)音楽になっている。コーダも、とても清浄な響きがする。

LP時代は、第1楽章が途中で切れていたり、第4楽章と第5楽章、あるいは第5楽章と第6楽章の間で切れていたりして、この曲を通して聴くのは演奏会や、演奏会の録音でなければできませんでした。これがCDになって、1枚あたりの収録時間も大幅にのびたのに、どうしてこの曲のCDは第3楽章までを1枚目に入れることが多いのでしょう?休止時間の指示こそ無いけれども、「第1楽章が第1部、第2楽章以降が第2部」といっているのだから、1枚目は第1楽章だけがいいのに、と思う人はマイナーなのでしょうか。

(また酔っ払って変なことを書いたまま公開してしまったので、修正しました(恥)
(最近多い)サーバー障害などで再up遅くなってしまいました。失礼)


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mozart1889

こんにちは。TB有り難うございました。
ベルティーニのマーラー、1~5番の選集が輸入盤で安かったので持っています。この人、ユダヤ系ですかね?粘りのあるテンポで、独特の運び具合ですね。N響のは聴いたことないのですが、ケルン放送響は大変上手かったですし、3番の終楽章はやはり感動的でした。小澤のもあるんですが、あまり聴いていないんです。
by mozart1889 (2005-07-06 13:35) 

stbh

mozart1889さん、こんばんは。
ベルティーニのマーラー、さすがにお持ちでしたか。ご明察の通り、彼はユダヤ人のようです。
http://www.syuzo.com/a-column/column/what/1119177804.html
都響とのマーラーシリーズも話題になり、録音も発売されています。曲を慈しむような、丁寧な演奏が、結果として粘りのあるテンポになっているのかもしれませんね。まだまだこれからと思っていたのに、残念です。
by stbh (2005-07-06 21:05) 

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