テアトロ・カーリ・アミーチ第1回公演「蝶々夫人」(4/17) [実演]
もう1カ月近く前になってしまいましたが、題記公演、無事終了しました。
http://www.h5.dion.ne.jp/~violar/tca/
多くのお客様に来場いただき、ありがとうございますm(_ _)m 特殊な状況下でしたが、よい公演であったと個人的には思っています。ステージはこんな感じでした(前日のカーテンコールの練習をピットから撮影)。
舞台の背景は「松羽目」(歌舞伎で能舞台を模すときに使う)です。演出の方が歌舞伎関係のお仕事をしていて、「オペラで松羽目を使う」のをやってみたかったとのことでした。
本番の音楽(舞台はよく見えなかったので…)は、やはり「蝶々さん」に尽きます。第1幕の途中で出てきてから終幕で自害するまで、演技しっぱなしの歌いっぱなし。それもアリア「ある晴れた日」をはじめとするソロの見せ場(聞かせどころ)だけでなく、「花の二重唱」をはじめとするアンサンブルもこなさなければいけない、スーパーヘビー級の役どころです。
今回の蝶々さんは、つくばを本拠に活躍されているという田中宏子さん。その可憐さ、はかなさと強さが同居した見事な歌いぶりは、とても初役とは思えないすばらしさでした。指導者としても活躍されており、今回の公演では合唱指導もつとめられたそうで、この方なしには今回の公演は無かったのではないかと思えるほどでした。
他の歌手の皆さんも尻あがりに調子を上げてきて、本番はなかなか聞かせてくれたと思います。合唱・オーケストラを含めて、(細かいところはいろいろありましたが)よいかたちでまとまったのではないでしょうか。次回公演は未定だそうですが、若い人が多いですし、今後も楽しみな団体ですね。
では、今回登場した「打楽器」たちの写真を。
左は子供用の小型グロッケン、結婚式の場面だけで使いました。小さいだけできちんとした楽器です。下の台は中空で、共鳴箱になっている凝った造りなんですよ。右は第2幕冒頭のスズキの祈りのシーンで使った「お鈴(りん)」、お寺で使われている仏具をお借りしてきました。いずれもグロッケンで代用しようと思えばできるものですが、やはり独特の音が聞こえると楽しいです。
次は第2幕第2場の夜明けの音楽で使われる「鳥笛」。夜が明け、鳥たちが啼き出す描写で使われます。水を入れて息を吹きこむとピヨピヨ鳴る、いわゆる「水笛」です。「おもちゃの交響曲」にも使われていますね。
今回は音量不足にならないよう、2台同時に吹きました。
で、最後はこれ、「クロマチック・ゴング」(タイゴング)です。
5年前のトゥーランドットに続き、同じ楽器(レンタル)を使いました。出番はトゥーランドットにくらべると少ないですが、あるとないでは大違い、ぐっと「(プッチーニの)オリエンタル」な感じになります。実はネットでこの公演の感想を検索したら、「銅鑼がやたらと鳴ってるし・・・」という文がありました。譜面に書いてあるんだから、本来、聞こえるものなんですけどね…(;^_^A
あと、「ドラ(Tam-tam)」としては、通常のものと大型のもの(舞台袖)が指定されています。今回は一つの楽器でやってしまいましたが、大型のものはボンゾの登場シーンと蝶々さんの自害の瞬間のffに使われるだけです。このドラが仏教の象徴だとしたら、蝶々さんはキリスト教に改宗したものの、父の形見の方名で自害するという「日本的な」死を選ぶことで仏教の世界(日本人)に戻った、という意味なのかもしれません。
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