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みずほフィルハーモニー第19回定期演奏会(1/29) [実演]

先日、友人が出ているオーケストラの演奏会に行ってきました。

http://www.geocities.jp/mizuhophilharmony/

場所はミューザ川崎シンフォニーホール、2000近い席数とワインヤード型の左右非対称でユニークな座席配置で有名な、東京近郊でも屈指の名ホールです。

http://www.kawasaki-sym-hall.jp/

多少の余裕を持っていったつもりだったのですが、着いたときに正面で聴けるのは4階席だけでした。何でも1700は入っていたということで、非常に集客力の高いオケですね。プログラムは以下のとおりの「ロシア・プロ」ですが、どこぞのオケ(;^_^Aとは違って、曲はよく聴くものばかりでした。

グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」第2幕
チャイコフスキー/交響曲第4番へ短調

旧友が在籍しているにもかかわらず初めて聴いたのですが、大変楽しめました。

大学などでオーケストラを経験した人が増えたためと、昔からやっている人がなかなか引退しないためだと思いますが、首都圏にはものすごい数のアマチュア・オーケストラがあります。特に管楽器は、ローテーションしても1楽団で所属できる奏者の人数が限られるため、次々に新しい楽団が生まれてきたのではないでしょうか。ここ20年くらいで、立派なホールが数多くできたのも要因のひとつにあるかもしれません。

いずれにしても、管楽器奏者にくらべて弦楽器奏者が不足するのはどの楽団でも共通の悩みだと思います。その点では、ここは母体が日本を代表する企業グループのひとつだけあって、ヴィオラとベースこそエキストラを入れていますが、たっぷりとした弦の響きが聴ける、良いバランスの楽団だと感じました。

前半は会場のガイドの方の案内に従って4階席へ行き、いちばん前に陣取ったのですが、さすがにステージが遠い(@_@) ここまで上がってくる音のバランスはいまいちでした。特に「ルスラン」は、曲のせいもあってティンパニがやや大きめ。この曲は高いGの音を多用しているのですが、この音は普通のティンパニの上限で、どうしても「ポカンポカン」と浮いて聞こえてしまいます。(余談ですが、「未完成」のF#も同じようにはまりにくいですね)でも演奏自体はきっちり、颯爽としていてかっこよかったです。

2曲目は「くるみ割り」の第2幕をほぼ全曲、という、オーケストラのコンサートにしては珍しいプログラム。組曲に出てくる大半の曲プラス、さまざまな踊りの曲が聴けて楽しめました。チャイコフスキーの華麗なオーケストレーションを堪能できるのですが、アンサンブルとして求められるものは高度なので、腕に覚えがないとこういう選曲はできませんよね。でも弾いている方も聴衆も、たいへん楽しかったと思います。

事前には知らなかったのですが、打楽器には有名な知人が出ており、彼らの演奏を聴けたのも思わぬ収穫でした。この曲の打楽器はスパイスのようにピリリと効くけど決して出しゃばらないという、絶妙のバランス感覚が必要なのですが、もう、お手本のような美しい演奏でしたね~。

後半は階下に移動し、下手よりの舞台うしろの席へ。シンフォニーが始まったとたん、妙に聴いたことある響きだなあ、と思ったら、何のことはない、打楽器の真後ろですから、いちばんオーケストラを聴きなれているポジションでした(笑) 指揮者の方の表情も良く見えます。上から見ていた時から「表情の豊かな指揮だなあ」と思っていたのですが、顔が見えるとその印象は一段と強烈に(^_^; でもアマチュアって、一般的に表情付けが乏しいので、こうやってあおる指揮者のほうが出てくる音はいいことが多いです。

シンフォニーが始まって真っ先に感じたのは、「くるみ割り」にくらべてなんとモノトーンな音楽だろう!ということ。あの華麗なチャイコのシンフォニーが、「くるみ割り」の前ではすごくストイックに聞こえてびっくりしました。しかしこの曲でも、弦中心の豊かな響きは心地よいですね。この第1楽章はへ短調、9/8拍子ですごく演奏しにくいのですが、テンポが大きく揺れる中、アンサンブルはしっかりしていたと思います。ときに「ん?」と思うような縦線のズレがありましたが、立ち直りも見事でした。

アンサンブルで言えば第2・第3楽章も数々の難所があるのですが、これらは全く問題なくクリア。第3楽章からアタッカで入った第4楽章も、絶叫や爆音になることなく、おおいに鳴らしてくれました。ちょっと言葉はふさわしくないかもしれませんが、matureな演奏だったと思います。

熱烈な拍手にこたえてのアンコールは、本割で演奏できなかった「くるみ割り」の「行進曲」。シンフォニーの間、使わないサスペンデッド・シンバルを置いてあった理由がわかりました。第2幕同様、これもまた優雅で楽しい演奏でした。

プログラムによると、次の演奏会は7月、人見で「新世界から」など、ということでした。日程があればまた聴かせてもらおうかな、と思える、良い演奏会でした。

出ていた友人に後日、話を聞くと、「壁が近く、壺の底で演奏しているみたいだった」とのこと。確かにステージ正面だけの1階席は少なく、その後ろやステージ両脇はすぐ壁ですから、そう感じるのかもしれません。ホールに慣れたら、いっそう美しい演奏を聴かせてくれそうですね(^_^)


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