SSブログ

サイトウ・キネンの放送を見た [音楽関係の雑記]

昨日(10/15)小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラの番組をテレビでやっていました。前半の途中から見ましたが、外見こそ病後の痛々しいものでしたが、そのダイナミックな指揮ぶりや音楽へののめりこみ具合は変わっていませんでした。

実は先週、

バーンスタインの70年代の演奏会の放送で入魂の指揮を見たとき、小澤征爾を思い出しました(たしか小澤はNYPでバーンスタインの副指揮者をやっていたはず)。90年前後に小澤の指揮を何度か見る機会があり、曲の解釈がなじまないときもありましたが、その真摯な姿勢にはいつ見ても感動したものです。その後、指揮棒を持たなくなるなど年を経て若干スタイルは変わりましたが、音楽を全身で表現する姿勢は一貫しているようです。

小澤のリハーサルが放映されるとき、彼が「全力で弾いて、気を抜かないで表現して」という意味のことを言うシーンをよく目にします。「絵にしやすい」のでテレビ局が強調するのかもしれませんが、かれの音楽への姿勢を端的に示している言葉ですね。昔の落語の名人が病気になり、医者にもっと抑えて演じるように諭されて、「先生、お言葉ですが、落語てえもんは、声のでかい噺はでかい声で、身振りの大きい噺は大きな仕草でやらねえと、嘘になっちまうんですよ」という趣旨のこと(言葉は不正確ですが)を言ったという話を聞いたことがあります。小澤もそれと同じで、全力で表現してこそ初めて音楽になる、ということを実践しているのでしょう。

プログラムの「ノヴェンバー・ステップス」は、武満生誕80周年かなんかで小澤が振る予定の曲目だったのでしょうか?小澤は1967年の初演や初録音を指揮して以来、何度も演奏していますから自家薬籠中もいいところでしょう。彼がリハーサルで指揮者の下野竜也に「この曲はやさしい音楽ではなく、対決の音楽なんだ」と言っていましたが、これは武満がこの曲に寄せた言葉の一部(「琵琶と尺八がさししめす異質の音の領土を、オーケストラに対置することで際立たせるべき」)を受けてのことでしょう。

ソリストの周囲のオーケストラは決してソリストを包み込むわけではなく、「異質の空間」を作っているのが映像だとよくわかりますね。オーケストラ自体も、管楽器を中心に両側に弦・ハープ・打楽器を配置して、あえて「混ざらない」音を目指しているように見えました。一部スコアを見ながら聞いたのですが、初めて「音楽が見えた」ような気がしたところもありました。やはりいちどは生で聴きたい曲ですね。

ノヴェンバー・ステップスの感動が大きかったので、幻想はあえてパス(^_^; こんどは小澤の昔の録音をじっくり聴いてみたいと思います。

武満徹:ノヴェンバー・ステップス

武満徹:ノヴェンバー・ステップス

  • アーティスト: 小澤征爾,武満徹,トロント交響楽団,鶴田錦史,高橋悠治,横山勝也
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/11/07
  • メディア: CD


nice!(3)  コメント(19)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 3

コメント 19

stbh

cfpさん、Lionbassさん
ご来訪とnice!ありがとうございます!ぼちぼち復活していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
by stbh (2010-10-17 16:23) 

おさかな♪

先日、衛星放送で、バーンスタインさんがホセ・カレーラスを使って、「WEST SIDE STORY」のCD録音をしている番組を見ました。

ある曲で、なかなかうまくいかず、カレーラスは140回くらい歌っていました。
(録音係の人が「次、TAKE 140♪」とか平気で言うんです^^;)

それを見て、三大テノールの方がそんな回数歌うって・・・
本当にすごいなぁ・・・と驚愕です!
のだめの千秋さまが普通に見えました。。。T-T
by おさかな♪ (2010-10-19 21:16) 

stbh

おさかな♪さん、nice!とコメントありがとうございます!
私も見ました(コンサートの次の番組でしたね)。ホセ、かわいそうでしたね…。発売当初から「ヤンキーぽくない」とあまり評判がよくなかったホセですが、これを見ると「がんばったね~」と言ってあげたくなります。
by stbh (2010-10-20 23:07) 

サンフランシスコ人

小澤征爾は、ニューヨーク公演には予定どおり出演するみたいです。

http://www.carnegiehall.org/article/box_office/events/evt_13168.html?selecteddate=12142010
by サンフランシスコ人 (2010-11-07 05:17) 

stbh

サンフランシスコ人さん

「これだけははずせない」と小澤が言っていたコンサートですね、カーネギーホールなのですね!
by stbh (2010-11-07 19:22) 

サンフランシスコ人

http://www.carnegiehall.org/article/box_office/series/brochure/japannyc/index_jp.aspx

12月14日(火)
午後8時
サイトウ・キネン・オーケストラ

曲目: 権代敦彦: デカセクシス (カーネギーホールとの共同委嘱 ・アメリカ初演)
ベートーベン: ピアノ協奏曲第三番
ブラームス: 交響曲第一番
出演: 小澤征爾 (音楽監督・指揮)
内田光子(ピアノ)
料金: 18ドル~108ドル
会場: カーネギーホール、スターン・オーディトリアム・ ペレルマン・ステージ
W57th Street and Seventh Avenue | Manhattan
協賛: ノムラ・ホールディング・アメリカ Inc.
チケット ›

12月15日(水)
午後8時
サイトウ・キネン・オーケストラ

曲目: 武満徹: ノヴェンバー・ステップス
ベルリオーズ: 幻想交響曲
出演: 小澤征爾 (音楽監督・指揮)
田中之雄 (琵琶)
三橋貴風 (尺八)
料金: 18ドル~108ドル
会場: カーネギーホール、スターン・オーディトリアム・ ペレルマン・ステージ
W57th Street and Seventh Avenue | Manhattan
チケット ›

2月18日(土)
午後8時
サイトウ・キネン・オーケストラ

曲目: ブリテン: 戦争レクイエム
出演: 小澤征爾 (音楽監督・指揮)
クリスティーネ・ゲルケ (ソプラノ)
アンソニー・ディーン・グリフィー(テノール)
マティアス・ゲルネ(バリトン)
SKF松本合唱団
SKF 松本児童合唱団
栗友会合唱団
料金: 17ドル~100ドル
会場: カーネギーホール、スターン・オーディトリアム・ ペレルマン・ステージ
W57th Street and Seventh Avenue | Manhattan
協賛: 武田薬品工業株式会社、トヨタ自動車株式会社
チケット ›
このコンサートは、ジュディス・アーロンとロバート・ショーのためにS.ドナルド・サスマンが設立したコーラル・ミュージックの基金により実現。
by サンフランシスコ人 (2010-11-08 07:06) 

stbh

サンフランシスコ人さん、詳しいプログラムをありがとうございます!
by stbh (2010-11-13 11:17) 

サンフランシスコ人

小澤征爾は、予定どおり出演するみたいです。

http://www.observer.com/2010/culture/program-what-we-love-week-december-1-december-8

By Rachel Morgan
November 30, 2010 | 10:21 p.m

MUSIC

Go to the opening of JapanNYC, a citywide, 65-event festival running through March. Saito Kinen Festival Orchestra will perform Dec. 14, 15, 18 and famed Maestro Seiji Ozawa himself will return on April 1 and 2 to lead the Seiji Ozawa Ongaku-juku (Seiji Ozawa Music Academy Orchestra) as part of this unique festival exploring the juxtaposition of Japanese beliefs and Western influences.
by サンフランシスコ人 (2010-12-02 05:22) 

サンフランシスコ人

小澤征爾は出演するみたいですが....

http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2010/12/07/ozawa-to-limit-his-role-in-carnegie-japan-festival/?src=mv

December 7, 2010, 9:30 AM
Ozawa to Limit His Role in Carnegie’s Japan Festival
By JAMES R. OESTREICH
by サンフランシスコ人 (2010-12-08 08:08) 

サンフランシスコ人

"Seiji Ozawa’s cancellation of performances at the Saito Kinen Festival Matsumoto, in Japan, in September because of back problems heightened concern at Carnegie Hall, since the programs in question were also scheduled for Carnegie next week. The programs are still coming, Carnegie announced on Tuesday, and so is Mr. Ozawa, though in a reduced capacity."
by サンフランシスコ人 (2010-12-08 08:11) 

サンフランシスコ人

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101208/t10015713071000.html

小澤征爾さん リハーサル開始
12月8日 12時46分
食道がんを克服して復帰を果たした世界的なクラシック音楽の指揮者、小澤征爾さんが、復帰後2回目となる来週のニューヨーク公演に向けて、かつて本拠地としていたボストンでリハーサルを開始しました。
小澤征爾さんは、ニューヨークの音楽の殿堂カーネギーホールが主催する「日本芸術祭」の芸術監督を務めていて、今月14日からカーネギーホールで復帰後2回目の公演を行います。今回の公演では、3日間にわたって舞台に立ち、初日の14日にはブラームスの交響曲を、2日目にはベルリオーズの交響曲を、そして最終日の18日には、演奏時間が1時間を超えるブリテンの「戦争レクイエム」を指揮するということです。小澤さんは、この公演に向けて7日、かつて本拠地としていたボストンに入り、リハーサルを開始しました。指揮台にはいすが用意されていましたが、小澤さんはリハーサル中ほとんど立ったまま指揮をし、時折大きな身振りでオーケストラの団員たちに音の抑揚などの指示を出していました。指揮する曲は、体調に配慮して当初予定していた半分に減らしたということですが、ことし9月に行った復帰後初めての公演では、指揮した時間はおよそ7分間にとどまっただけに、クラシックファンの期待が高まっています。
by サンフランシスコ人 (2010-12-09 06:46) 

stbh

> リハーサル中ほとんど立ったまま

「大きいところは大きく振らないと、うそになっちゃう」とか言ってるんでしょうか。
by stbh (2010-12-11 11:11) 

サンフランシスコ人

用意されていたいすが不要位に、元気になりました?
by サンフランシスコ人 (2010-12-12 07:27) 

サンフランシスコ人

食道がんの治療で休養していた指揮者の小澤征爾さんが14日、ニューヨークのカーネギーホールで、ほぼ1年ぶりに本格的な公演を行った。コンサートの後半にブラームスの交響曲第1番を指揮し、健在ぶりを示した 【AFP=時事】

http://www.jiji.com/jc/p?id=20101215185011-0234311
by サンフランシスコ人 (2010-12-17 09:40) 

stbh

戦争レクイエムは無事振ったようですね。ブラ1もごく一部をテレビで見ましたが、すごい気合いでした。
by stbh (2010-12-19 10:56) 

サンフランシスコ人

小澤征爾さん 大曲指揮でNY公演終了

< 2010年12月19日 19:45 >

食道がんを克服した世界的指揮者・小澤征爾さんが18日、本格復帰となった3日間のアメリカ・ニューヨーク公演を無事終えた。

 小澤さんがカーネギーホールで行われたニューヨーク公演の最終日に挑んだのは、イギリスの作曲家・ブリテンの約80分に及ぶ大曲「戦争レクイエム」。第2次世界大戦の犠牲者を悼み、平和を祈る鎮魂曲で、150人の合唱団も参加する。食道がんの治療を受けて以降、小澤さんが取り組む最も長い曲となった。

 小澤さんは時折、用意された椅子に腰かけながらも、気迫にあふれる指揮で聴衆を魅了した。約80分の指揮を終えて、小澤さんはさすがに疲れを隠せない様子だったが、聴衆は総立ちになり、約10分間、惜しみない拍手を送った。

 小澤さんは終演後、「素晴らしかった。みんな素晴らしかった。僕だけおろおろしていたけれど」と話した。

 小澤さんは、来年4月に再びニューヨークで公演を行う予定。

http://news24.jp/articles/2010/12/19/10172681.html
by サンフランシスコ人 (2010-12-20 06:36) 

stbh

無事に終えたのですね、よかったよかった。
by stbh (2010-12-25 19:32) 

サンフランシスコ人

よかったです。
by サンフランシスコ人 (2010-12-31 08:19) 

Scottnow

スーパーコピーブランド専門店
https://www.007kopi.com/product/s282-1.html

ルイヴィトン、シャネル、エルメス、ルチェ&ガッバ―ナ、
バレンシアガ、ボッテガ ヴェネタ、ミュウミュウ、クリスチャンディオール
その他の偽物バッグコピー、偽物財布コピー、偽物時計コピー、偽物ベルトコピー、偽物指輪コピー、偽物キーケース、商品は全く写真の通りです。
高級腕時計(N級品),スーパーコピー時計(N級品),財布(N級品)バッグ(N級品),靴(N品),指輪(N級品),ベルト(N級品),マフラー (N級品)
人気の売れ筋商品を多数取り揃えております。
全て激安特価でご提供.お願いします.
★100%品質保証!満足保障!リピーター率100%!
★商品数も大幅に増え、品質も大自信です。
★スタイルが多い、品質がよい、価格が低い!
★顧客は至上 誠実 信用。
★歓迎光臨
★送料無料(日本全国)
ホームページ上でのご注文は24時間受け付けております
https://www.007kopi.com/product/4747.html

by Scottnow (2019-09-18 09:26) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。