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Schmidt/Sym4 [交響曲(独墺系)]

オーストリアのフランツ・シュミット(こちらもご覧下さい)の交響曲第4番。マイナーとはいっても、Schmidtの作品の中では1、2を争って有名ではないでしょうか。今回聴いたのは、メータ往年の名演。

Mahler: Symphony No.2/ Schmidt: Symphony No.4

Mahler: Symphony No.2/ Schmidt: Symphony No.4

  • アーティスト: Gustav Mahler, Franz Schmidt, Zubin Mehta, Vienna Philharmonic Orchestra, Ileana Cotrubas
  • 出版社/メーカー: London
  • 発売日: 1995/11/14
  • メディア: CD

70年代の全盛期のメータとウィーン・フィルの録音。このシュミットと、これも名演の「復活」。面白いことに、メータのシュミット第4の録音は、なんと3種のカップリングで発売されています。

 

フランツ・シュミット&アイネム:交響曲(楽天ブックスへリンク)
フランツ・シュミット:交響曲第4番ハ長調、アイネム:フィラデルフィア交響曲
ズビン・メータ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

メータが若い!これ↑が一番通好みでしょうか。これ↓も捨てがたきカップリングです。ただし残念ながら売り切れ。私が聴いているのはこちらなんですが(^^;

 

フランツ・シュミット:交響曲第4番|シェーンベルク:管弦楽のための変奏曲(同上、買えませんがm(_ _)m) 
ズビン・メータ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(シュミット)、ロスアンジェルス・フィルハーモニー交響楽団員

曲は便宜上4楽章に分けられることが多いようですが、全曲通して演奏され、ソナタの形式感も希薄で、ひとつの交響詩のような曲調です。曲の規模からすると、シェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」が近いイメージですね。曲のコンセプトは「娘へのレクィエム」だそうで、ハ長調とついていますが、転調や調性感の薄い部分も多いです。

第1楽章はトランペットのソロから幕を開けます。4度下降音程が半音ずつ下がってくる印象的な主要主題は、全曲を通して繰り返されます。弦主体のむせ返るような響きは、(1930年代の曲ですが)世紀末を感じさせます。ブラームスの第1交響曲冒頭を思わせるティンパニのGの連打のあと、始めて明確なV→Iでハ長調に解決します。長いフルートやオーボエのソロをはさみながら進むと、急にテンポを増し、叩きつけるようなフレーズからまた急速に静まっていき、チェロのソロから第2楽章になります。

第2楽章も基本は静かなのですが、中間部から、「ターン、タカタカターン」という特徴的なリズム(「葬送行進曲」といわれることもあるようです)が支配的になり、クライマックスを迎え、ドラが炸裂して頂点となります。再び静まっていくと、音はつながったまま、急速な第3楽章へ。

6/8のリズムが常にどこかで鳴っている楽想は、「悲愴」の第3楽章にちょっと(感触が)似ています。同じリズムを保ったままクライマックスを迎えると、怒涛のようにリズムは崩壊し静まっていき、ホルンが主要主題を吹いて第4楽章が始まります。この楽章も第1楽章と同じような粘着質の音楽で、最後は冒頭のトランペットが再現されて、消えるように終わります。

メータとVPOの演奏はかなり濃密でヘヴィーです。音楽の起伏がしっかり出ており、それでいてリタルダンドなどは極端ではないので、気持ちよく、自然にきけます。やはり、この当時のメータは(まだ30代)やり手でした。70年代のVPOとの録音は、上の「復活」もそうですし、ブラ1、シューマンなどロマンティックな名演が多いと思います。

他にも何種類かの録音がなされています。よろしければこちらもお試し下さい。 ルイジ/MDRSO、ヤルヴィ/シカゴ、デトロイトは全交響曲を録音しています。クライツブルク/オランダ・フィルはSACDも出ているようです。

キーワードは、「Franz Schmidt」がよいようです。Schmidtだけだと、ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮のベートーヴェン(これも往年の名録音ですが、またの機会に触れましょう)とか、アンドレアス・シュミットがメンバーに入っているマーラーの交響曲、アンネローゼ・シュミットの弾いているピアノ協奏曲などが引っかかってしまいます(^o^;

最後になりましたが、こちらは今月末にこの曲を演奏する団体。http://www.o-dimanche.org/bureau/regular25.htm 
前半に演奏される、シューベルトの未完の交響曲草稿の間にベリオが自作旋律を挟み込んだ「レンダリング」も名曲です。私の知り合いの、腕に覚えのある連中が出ますので、お近くの方、ぜひ行ってみてください。


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コメント 2

吉田

こんばんは。
シュミットの4番、「復活」とのカプリングで持っています。ご紹介のCDと同じであります。
とはいえ、「復活」はともかく、シュミットのほうは1,2度しか聴いていないような気がします。まだ馴染めておりません…。
再度、聴きなおしてみます。
by 吉田 (2007-04-20 22:42) 

stbh

吉田さん、ご来訪ありがとうございます。シュミットの交響曲はちょっと長いですよね…。マーラーのように起伏に富んでいないので、なかなか聴きとおすのは難しいです。形式とか構造とか気にせずに、その場その場の音の響きにつかるような、ボーっとした聴き方があっているような気がします(汗
by stbh (2007-04-21 07:08) 

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