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Britten/WarRequiem4 [声楽曲]

戦争レクィエムもいよいよ後半。今回は、ブリテン自作自演盤の20年にわたる呪縛を破ったこの録音で。国内盤は「在庫切れ」だったので、しょうがなく外盤をご紹介。たぶんミスでしょうが、裏ジャケットの写真です。さすがに殺風景ですね…。

Britten: War Requiem

Britten: War Requiem

  • アーティスト: Thomas Allen, Benjamin Britten, Simon Rattle, City of Birmingham Symphony Orchestra, Elisabeth Söderström, Robert Tear, Oxford Christ Church Cathedral Choir, City of Birmingham Symphony Orchestra Chorus
  • 出版社/メーカー: Emi Classical
  • メディア: CD

やはりCBSOが初演時のオーケストラだったから、何とか録音をしようということになったのでしょう。Deccaに対抗したい英EMIの威信のようなものもあったのかもしれません。しかしなんといっても、まだ20代だった俊英ラトルの強い意志があったのではないかと、勝手に想像しています。そのラトルも今では

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Britten/WarRequiem3 [声楽曲]

またまた昔のライヴをご紹介します。聴いたテープは以下の演奏会のもの。

指揮:ヘルムート・ヴォルフ
ソプラノ:大倉由紀枝、テナー:アダルベルト・クラウス、バリトン:小松英典
合唱:新星日響合唱団(合唱指揮:郡司博)
児童合唱:荒川少年少女合唱隊(合唱指揮:渡辺顕麿)
管弦楽:新星日本交響楽団
新星日本交響楽団第102回定期演奏会
1987年7月6日 東京文化会館大ホール

私が実際に聴いたのはこの2日前、7月4日に東京カテドラル聖マリア大聖堂で行われた特別演奏会でした。合唱団の一員として出演した友人にダビングしてもらったものですが、そうそう繰り返し聴くものでもないので、10年以上聴いていなかったと思います。

この聖堂は

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Britten/WarRequiem2b [声楽曲]

「ディエス・イレ」後半は、市販のディスクを聴きながらご紹介。

Britten: War Requiem

Britten: War Requiem

  • アーティスト: Thomas Hampson, Benjamin Britten, Kurt Masur, New York Philharmonic, Carol Vaness, Jerry Hadley
  • 出版社/メーカー: Teldec
  • 発売日: 1998/05/19
  • メディア: CD

このジャケットは1996年のサラエボの写真を使っています。CDが出た当時はけっこう衝撃的だったのではないでしょうか。「ブリテンの祈りは届かなかった」というのが、解説書裏表紙でニューヨークの教会の入り口に立つマズアの思いなのかもしれません。私の持っている、数少ないマズア指揮のCDのひとつです。というか、マズア=NYPはこれだけ。まあそんな乏しい聴体験であれこれ言うのは僭越なのですが。

クルト・マズア(1927-)は1970年に

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Britten/WarRequiem2a [声楽曲]

戦争レクィエム第2回は、第2曲「ディエス・イレ」の前半を取り上げます。

聴いた演奏は、さすがに海賊盤も、関連する録音も出ていないようで、申し訳ありません。

ブリテン/戦争レクィエム
ソプラノ:ユリア・バラディ
テノール:ペーター・シュライアー
バリトン:ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ
指揮:ウォルフガング・サバリッシュ
日本プロ合唱団連合
東京荒川少年少女合唱隊
NHK交響楽団
1979年5月9日 東京文化会館にて
(表記は当時の番組表に従っています)

文化ですので、定期公演ではないでしょう(当時は、N響定期はすべてNHKホールでした)。合唱も、難曲だからか、恒例の国立音大ではなく、日本プロ合唱団連合が受け持っています。何かの記念かどうかは私の手元資料ではわかりませんが、これだけのソリストを集めるのですから、きっと何か特別なきっかけのある演奏会だったのでしょう。

ディエス・イレの話に入る前に、前回の「キリエ」について若干の補足を。大したことではありませんが、第1曲で合唱は

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Britten/WarRequiem1 [声楽曲]

ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)は20世紀イギリスを代表する作曲家(ピアニスト、指揮者)です。若い頃から大いにその才能を示し、さまざまな分野で数々の傑作を残していますが、少なくとも代表作のひとつに、間違いなくこの曲があがるでしょう。心情的には、ベスト・ワンです。

ブリテン:戦争レクイエム

ブリテン:戦争レクイエム

  • アーティスト: カリ・レファース, ライプツィヒ放送合唱団, ドレスデン礼拝堂少年合唱団, テオ・アダム, アントニオー・ローデン, ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団, ハンスユルゲン・ショルツ, ブリテン, マンフレート・シェルツァー, ヘルベルト・ケーゲル, ライプツィヒ放送管弦楽団
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 1999/05/26
  • メディア: CD

聴いたのはケーゲル盤。死の直前の1990年(ジャケットには1980年とありますが…)に行われたといわれている、ドレスデン・ルカ教会での録音です。日付はありませんが、1989年に「ベルリンの壁」が崩壊し、東独が西独に併合される前後の録音なのでしょう。

弾丸が並んだジャケットが印象的です。何も無ければ戦争/死の悲惨さを訴えていると普通に言えるのですが、指揮者が

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Puccini/GloriaMissa [声楽曲]

今週は電車で出かける機会が多かったので、あまり音楽が聴けませんでした。こんな景色のとことか行ってました。

ご多分にもれず「トゥーランドット」を聴いてみたりしていたのですが、ここで天邪鬼根性がむくむく。「トゥーランドット」の記事は多くの方がupするでしょうから、私はあえてこれで。

Puccini: Messa di Gloria: Preludio sinfonico; Capriccio sinfonico

Puccini: Messa di Gloria: Preludio sinfonico; Capriccio sinfonico

  • アーティスト: Hermann Prey, Giacomo Puccini, Claudio Scimone, Monte Carlo National Opera Orchestra, Philharmonia Orchestra of London, José Carreras
  • 出版社/メーカー: Apex
  • 発売日: 2003/02/18
  • メディア: CD

「トゥーランドット」がプッチーニの最後の作品ですから、その対極としての「グローリア・ミサ」"Messa di Gloria"ですね。演奏はクラウディオ・シモーネ指揮のフィルハーモニア管弦楽団とアンブロジアン合唱団、ソロがカレーラスとプライというのが魅力的です(1983年のデジタル録音です)。このCD、プッチーニ初期の珍しい管弦楽曲も入っていて、プッチーニのオペラに魅力を感じている方におすすめだと思うのですが、いかがでしょう?

この「ミサ」はプッチーニの非常に若いときの作(卒業作品らしい)です。初演は

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Berlioz/Requiem [声楽曲]

なんか忙しくてばたばたしていたら、モーツァルトの誕生日も忘れてこんなのを聴いてしまっていました…。

ベルリオーズは1867年(死の2年前)に、手紙の中で「もし私の作品がひとつしか残せないとしたら、私はレクィエムの救済を乞う」と書いています。数々の傑作をものしたベルリオーズが最晩年に至っても、この曲を自らの代表作として選んだ理由は何なのでしょうか。

Berlioz: Requiem; Te Deum

Berlioz: Requiem; Te Deum

  • アーティスト: Hector Berlioz, Sir Colin Davis, London Symphony Orchestra, Nicholas Kynaston, Franco Tagliavini, Ronald Dowd
  • 出版社/メーカー: Philips
  • 発売日: 2003/04/08
  • メディア: CD

録音はレクィエム、テ・デウムとも1969年、もう40年近く前になるのですね。当時、デイヴィスはベルリオーズの作品を多く手がけていて、「ベルリオーズのスペシャリスト」と言われていました。このCDのジャケットはオリジナルLPのジャケットが縮刷されているのですが、そこにも"Colin Davis Belrioz cycle"と書いてあります。

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Poulenc/Gloria [声楽曲]

年内の通勤が次第に残り少なくなってきました。天気概況を見ると関東以外の皆さんは軒並み雪だそうで、お見舞い申し上げます。

時節柄か、なんとなく宗教曲づいてしまった今日この頃、ドイツ、イギリス(書いたのはドイツ人だけど)ときたので、今回はフランスものを。ただし、フランス語でなくてラテン語、聖書でなくて典礼文です。聴いているのはこちらのCDですが、これも例によって現役ではないようです。

Leonard Bernstein Conducts Stravinsky, Poulenc, Bernstein

Leonard Bernstein Conducts Stravinsky, Poulenc, Bernstein

  • アーティスト: John-Paul Bogart, Leonard Bernstein, Francis Poulenc, Igor Stravinsky, Abraham Kaplan, Leonard Bernstein, Camerata Singers, London Symphony Orchestra, New York Philharmonic, Westminster Choir
  • 出版社/メーカー: CBS
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

プーランク/グローリア、ストラヴィンスキー/詩篇交響曲(これはLSO)の2曲は70年代の録音で、LPはこの2曲で出ていました。特にプーランクは

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Handel/Messiah [声楽曲]

日本では年の瀬のクラシックと言えば「第九」ですが、欧米(英米?)ではこれが「暮れの風物詩」のようで、あちらこちらでプロ・アマ問わず演奏が行われます。今回はちょっとひよって抜粋盤。

Messiah Hlts

Messiah Hlts

  • アーティスト: Handel, Westenburg, Blegen, Musica Sacra
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1991/06/21
  • メディア: CD

これではあまりに不親切なので、演奏者を書きます。
Musica Sacra, Musica Sacra Chorus
Richard Westenburg(Music Director, Harpsichord)
Judith Blegen(S), Katherine Ciesinski(A), John Aler(T), John Cheek(B)

18トラック、70分以上入っている1981年のデジタル録音で、全曲盤もあるようです。10年以上前に廉価盤(1000円くらい?RCAのシルバー・シール)で購入したものです。時間にすると全曲の半分近くが入っていることになります。ムジカ・サクラという団体はぜんぜん知らなかったし、これまで調べもしなかったのですが、検索するとニューヨークの団体らしく、クリスマス・キャロル集のCDなども出しているようです。ウェステンバーグは主宰者らしいですね。

「メサイア」はいうまでもなく

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Brahms/DeutschesRequiem [声楽曲]

合唱を多少かじったせいで、ブラームスの大規模な曲で最初になじんだのが「ドイツ・レクィエム」でした。LPしかなかった当時のスタンダード盤は、カラヤンのEMI盤であったと記憶しています。私はまずワルターのモノラル盤(1枚1300円だったので…)で親しみ、1983年の生誕150年を記念してDGから発売された「ブラームス大全集」の第8巻「合唱曲」のシノーポリ/チェコフィルを聴いていました。現在の愛聴CDはこれです(例によってリンクは国内盤ですが、聴いているのは輸入盤です)。

ブラームス:ドイツ・レクイエム

ブラームス:ドイツ・レクイエム

  • アーティスト: ジュリーニ(カルロ・マリア), ボニー(バーバラ), シュミット(アンドレアス), ウィーン国立歌劇場合唱団, ハーゲン=グロル(ヴァルター), ショルツ(ルドルフ), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ブラームス
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2005/09/07
  • メディア: CD

今年ジュリーニが亡くなって追悼盤が多く出てきましたが、いずれ劣らぬ名盤ぞろいです。片っ端から

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Mozart/Requiem [声楽曲]

急に、この曲を聴いてみたくなったのは、近所で痛ましい事故があったからかもしれません。 

Mozart: Requiem in D Minor

Mozart: Requiem in D Minor

  • アーティスト: Catherine Rogers, Peter Rose, Wolfgang Amadeus Mozart, Charles Mackerras, Scottish Chamber Orchestra, Susan Gritton, Timothy Robinson
  • 出版社/メーカー: Linn
  • 発売日: 2003/05/05
  • メディア: CD

今回聴いたのは、現代作曲家による補筆のうち、ロバート・レヴィンによるもの。モーンダーが初採用したAmenフーガをさらに拡大しての採用、SanctusとBenedictusの大改訂とBenedictus後のHosannaのニ長調への移調、全編にわたるオーケストレーションの修正、などが特徴です。なお、各種の補筆完成版については

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Mozart/Requiem [声楽曲]

マーラー10番から、「作曲者死後の補作」つながりで、いまさらですがモーツァルトの最後の作品、未完の大作「レクィエム」。例の匿名の使者の話は映画「アマデウス」以前からレコードの解説などに必ず載っていましたし、借金の山だったこと、だれも立会いがいないまま葬られたこと(これは、当時としては常識的な方法だったという説もあります)など、モーツァルトの死にまつわる話の中で、「レクィエム」の作曲過程は狂言回しのように語られていました。

なんとか「レクィエム」を完成して作曲料を得なければならない未亡人コンスタンツェは、まず弟子の一人アイブラーに完成を依頼します。しかし彼はこの作業を半ば(10小節目、"Lacrimosa"のモーツァルト書いた声楽パートが切れた2小節後)で中断してしまいます。その後も何人かの人に依頼しては断られ、結局、別の弟子ジュスマイヤーが、アイブラーの作業を全部無視して"Dies Irae"以降"Lacrimosa"の8小節目までを補筆しなおし、"Domine Jesu"を新たに補筆し、"Lacrimosa"の残りと"Sanctus-Benedictus"、"Agnus Dei"を作曲し、"Communio"に"Introitus-Kyrie"の後半を転用して、曲を完成します。これが長いこと「モーツァルトのレクィエム」として親しまれてきたわけです。

このCDを入手したのは最近ですが、最初のアイブラーによる補筆についてはちょっと思い入れがありました。実はUniversal出版のスコアの解説に「最初は指揮者アイブラーに編曲を依頼した云々」と書いてあり、彼の編曲した"Dies Irae"の楽譜が1ページだけ付録としてついていたのです。トランペットやティンパニの音形がジュスマイヤー版とぜんぜん違っていたので、どのように聞こえるか聴いてみたいとずっと思っていました。その「アイブラー版」をやっと聴くことができました。

モーツァルト:レクイエム(ランドン版)

モーツァルト:レクイエム(ランドン版)

  • アーティスト: ヴァイル(ブルーノ), モーツァルト
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: CD

ピリオド楽器を用い、少年合唱を起用した1999年の録音。ただし女声のソリストは成人女性です。「ランドン版」と銘打っていますが、アイブラー版があるところはアイブラー版、ジュスマイヤーしかないところはジュスマイヤー、というのが基本構造になっているようです。なお、ランドンはハイドン研究で高名な音楽学者ですね。

ここ10年くらいでこの曲を歌ったり演奏したりした方、教えていただきたいのですが、最近はみんなこんなに早くやるのですか?私のようなベーム/VPOの刷り込みの人間だと、このようなしゃかしゃかした演奏は、最初はつらかったですね。"Introitus"なんか、「2/2だっけ?」と思ってしまう快速。もっとゆっくり、少しでも長く演奏したり聴いたりしていたいと思うのは、もうふるいのでしょうか。

さて肝心の「アイブラー版」の部分ですが、"Dies Irae"は明らかに良い、というライナーノーツのことばがありました。確かに、より迫力とめりはりのあるトランペットとティンパニのリズムは、曲想を際立たせる役割を果たしていると思います。"Tuba mirum"では「ラッパ」の話が終わってしまった"Mors..."の歌詞の裏のトロンボーンのソロはありませんし、"Rex tremendae"の2拍目の、合唱を先取りした管楽器の和音もありません。"Confutatis"のトランペットとティンパニは、ジュスマイヤー版(1、3拍)と反対に裏打ち(2、4拍)で入っていて、緊張感が増します。楽譜が無いのでこまかいところまで聴ききれませんが、ほかにもいろいろ異同はあるようです。

ただ、いかんせん"Lacrimosa"以後はジュスマイヤー版のままなので、中途半端感がぬぐえません。アイブラーは"Lacrimosa"のソプラノパートを2小節付け加えたところで、楽譜(モーツァルトの自筆譜)をコンスタンツェに返してしまいます。このわずかなアイブラーによる"Lacrimosa"の補作は、ランドンにも取り上げてもらえませんでした。その後、最後まで補筆というか創作する意欲(破廉恥さ?)が、ランドンにはなかったのでしょう。

ランドン版は、ドイツの音楽学者バイヤーに端を発する現代の学者の補作よりも、モーツァルトの同時代人(ジュスマイヤー、アイブラー、"Kyrie"の(合唱と重複する)管楽器パートを書いたフライシュテットラー)の補作を尊重したい、という意思表示のようです。それはそれで、ひとつの見解ではありましょう。"Sanctus"以下が駄作とはいえ、"Lacrimosa"の9小節目以降もそれなりに作曲しているわけだから、いちおう弟子の仕事だし、現代の人が新しく書いてもかなわないんじゃない?ということなのでしょう。

上で触れたUniversalのスコアには、"Kyrie"は全パートがモーツアルトの作のように書いてあったので、"Kyrie"のトランペットとティンパニを書いたのがジュスマイヤーだということを、このCDを購入してはじめて知りました。これでジュスマイヤー版で、"Kyrie"と"Cum Sanctis"の(同じ旋律の)フーガでトランペットとティンパニのパートが意味も無く異なる原因がわかりました。アイブラーが書いた編曲はまったく採用しなかったジュスマイヤーですが、師匠の書いたものにおいそれと手は出せませんからね。自分が書いたのなら、適当に書き換えたっていいでしょ?

レコードのときはA面ばかり聴いていたし、最初の自分が参加した演奏が"Introitus-Kyrie"だけだったので、極端な話、この曲はこの2曲で十分、というかここから先はマーラーの第10番全曲版に接するのと同じ気持ちで聴かなければいけないと思います。誰の補筆にせよ、「補筆」には変わりないわけですから。ブルックナーの第9交響曲のように、決して途中で終わるのは作曲者の本意ではないのだけれども、それがいちばん妥当な曲もあると思います。むろん補筆完成版が世の常識になっている曲も、トゥーランドット、バルトークの第3ピアノ協奏曲、ルル(これはまだ常識ではない?)等々いろいろあるのですけれども。

「現代の音楽学者による補作」の最右翼は、ピリオド楽器の元祖(?)ホグウッド指揮による録音で世に出たモーンダー版でしょう。ジュスマイヤーだけによる(と思われる)部分を切り捨て、残りの部分も「よりモーツァルトらしく」修正したもので、"Lacrimosa"の最後の"Amen"がフーガになっているのが特徴のひとつです。また、"Sanctus"他が生きている中でもっともジュスマイヤー版から遠いのは、最新?のレヴィン版のようです(未聴)。これらもそのうち聴いてご紹介しましょう。


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Janacek/GlagoliticMass [声楽曲]

英語圏以外の人名の表記を正しく書こうと思うと、いろいろ面倒で時間を食うので(知らない、ということなのですが)、基本的に諸記号は廃して書きます。

さて、今日はこの人。

ヤナーチェク:グラゴル・ミサ

ヤナーチェク:グラゴル・ミサ

  • アーティスト: マッケラス(サー・チャールズ), マートル(ルボミール), ゼーダーシュトレーム(エリーザベト), ドロブコバー(ドラホミーラ), リボラ(フランチシェク), ノバーク(リヒャルト), プラハ放送合唱団, ホラ(ヤン), チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, ヤナーチェク
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2002/06/21
  • メディア: CD
  • この↑CDは廉価盤ですが、これは3300円のレギュラー盤を買いましたよ…。DENONのこの1000円シリーズは、けっこう3000円前後出して買ったものが含まれていて、いささかくやしいです。
  • ヤナーチェクはこの曲だけ限定的になじんでいます。大昔、合唱をやっていた時に聞いて、オルガンの間奏や金管・打楽器・オルガンのはでなパッセージが印象に残って以来のお気に入りです。当時はクラシックにもなじみだした頃で、モーツアルトやベートーヴェン、あるいは日本の合唱曲ばかり聞いたり歌ったりしていたので、非常に新鮮に聞こえました。むろん合唱が非常に難しいので、歌う機会はとんとありませんでしたが。
  • 特徴的な跳躍音程がばしばし出てきますし、あまり敬虔な感じはしない(失礼)のですが、評論家的にいうと「原始的」というのでしょうか、一種土俗的な(何がちがうんじゃい)、単純なリズムの洪水が心地よいです。でも例えば「カルミナ・ブラーナ」とはぜんぜん違うのですが、どこがどう違うかは聴いてみてください。あまり長くないので一気に通して聴けるし、聴くと元気が出るようなパッセージが多数あると思います。
  • 学生時代(?)にこの曲のスコアを買おうとして、1万円ちかくしていたので断念した覚えがあります。そうこうしているうちに、結局、自由に大金が使える時代は終わってしまいました。「シンフォニエッタ」の国内版スコアが出るご時世だから、この曲もどこかから出してくれないかしらん。
  • 若い頃、どんな演奏を聞いていたか全く思い出せませんでした。テープを探してみたらインバル、ケンペとスロヴァークの演奏がありましたが、うーん、それでも思い出せない(汗)。このCDも、評論を見て買ったのだとは思いますが、ほとんど演奏にはこだわらずに聴いています。この曲は、どんな演奏でも、きっと盛り上がってしまうでしょう。この曲をつまらなく演奏する、という方が想像を絶するような気がします。
  • なお、このCDは「Svet」の一部が通常版より長いそうです。またマッケラスには異稿の録音↓もあるようです。最終楽章の「Intrada」が冒頭にもあるほか、「Veruju」の間奏なども違っているようです。こちらは未聴です。
  • Janacek: Glagolitic Mass, etc.

    Janacek: Glagolitic Mass, etc.

    • アーティスト: Randi Stene, Ulrik Cold, Leos Janacek, Zoltan Kodaly, Sir Charles Mackerras, Tina Kiberg, Peter Svensson
    • 出版社/メーカー: Chandos
    • 発売日: 1994/10/25
    • メディア: CD
有名盤は、アンチェル、ラトル、クーベリックあたりでしょうか。バーンスタインも録音しています。
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