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Brahms/交響曲第1番 [交響曲(独墺系)]

カセットテープのライヴ録音コレクションの中から、この演奏を聴きました。四半世紀前、カラヤンが亡くなる5年前のものです。

ブラームス/交響曲第1番ハ短調
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
1984年8月28日 ザルツブルク祝祭大劇場にて

CDはこの録音が近いですね。

ブラームス:交響曲第1番&第2番&第3番&第4番

ブラームス:交響曲第1番&第2番&第3番&第4番

  • アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),ブラームス,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2003/09/26
  • メディア: CD

 

収録時間の関係からか、第4番だけ70年代のアナログ録音ですが、ブラームスのシンフォニー全曲がこの価格で聴けるのはありがたいことです。

60年代は、彼自身が操縦したジェット機さながらの快速テンポがカラヤンの特徴のひとつでしたが、この頃になるとかなりゆったりとした間合いで音楽を進めるようになります。ちょうどこの年、カラヤンとベルリン・フィルの関係が悪化して、ベルリン・フィルが当番だったザルツブルク音楽祭に参加しないことになり、急遽、ウィーン・フィルがメイン・オーケストラを務めたそうですが、晩年のカラヤンの音楽は、機能的に研ぎ澄まされたベルリン・フィルより柔らかな響きのウィーン・フィルのほうが似合うような気がします。

ブラームスの交響曲は、もちろんカラヤンの重要なレパートリーで、何度も録音されています。上でご紹介したベルリン・フィルとの録音-とくに第1番-は、以前の録音にくらべて緊密さが薄れたとのことで必ずしも評判は良くないようですが、ウィーン・フィルとの演奏では、そのある種の「ゆるさ」が吉と出ているように、この録音を聴いて感じました。

もっといえば、ブラームスが決してベートーヴェンの継承者ではなく、ロマン派の作曲家であることを認識させてくれる演奏でした。うねりの大きい、「カラヤン・レガート」がぴったりはまるテンポ運びと、ウィーン・フィルの音色、特に弦の美しさが心地よい、ゆったり構えた第2、3楽章。いっぽう第1、4楽章は壮麗な音楽で、これまたウィーン・フィルの響きを堪能できます。

ベルリン・フィルで自分の音楽を追求してきたカラヤンですが、最晩年はウィーン・フィルとのほうが相性がよかった、というのはその通りなのかもしれない、と思えるほどの、息の合った演奏だと思います。

もちろん版権は消滅しているので、国内版もいろいろ楽譜が出ています。代表的なのはこちらでしょうか。

OGTー2111 ブラームス交響曲第1番 ハ短調 作品68 (ONGAKU NO TOMO MINIATURE SCORES)

OGTー2111 ブラームス交響曲第1番 ハ短調 作品68 (ONGAKU NO TOMO MINIATURE SCORES)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2003/08/21
  • メディア: 楽譜

ドーヴァーの大判は見やすいのですが、4曲一緒なので持ち運びは不便ですね。

Complete Symphonies in Full Score (Vienna Gesellschaft Der Musikfreunde Edition)

Complete Symphonies in Full Score (Vienna Gesellschaft Der Musikfreunde Edition)

  • 作者: Johannes Brahms
  • 出版社/メーカー: Dover Publications
  • 発売日: 1974/06/01
  • メディア: ペーパーバック

 

ピアノアレンジもあるようです。ウデに自信のある方はお試しください。

Brahms: Complete Symphonies for Solo Piano (Dover Classical Music for Keyboard)

Brahms: Complete Symphonies for Solo Piano (Dover Classical Music for Keyboard)

  • 作者: Johannes Brahms
  • 出版社/メーカー: Dover Publications
  • 発売日: 2006/07/21
  • メディア: ペーパーバック


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コメント 8

Lionbass

(遅くなりました。前も書いたような気もしますが…)
うちのブラームスは、有名なバースタイン=VPOのライブ録音です。
「今どきこんな演奏はしないよな」という、いろんなものがタップリの演奏です。
BPOは前回の来日でブラームスのシンフォニー全曲をやったときに聞きに行きました。
1番の1楽章でクラリネットが「出とちり」しましたが、まあ「ご愛嬌」でしょう。
by Lionbass (2009-11-09 10:46) 

stbh

Lionbassさん、こちらもありがとうございます。

バーンスタインのブラームスは独特ですね。いっぽう晩年のカラヤンはグイグイ引っ張る感じが薄れて自然体に近くなってきたように思います。

BPOのブラームスの記事、「うらやましいな~」と思いながらブログで拝見していました。
by stbh (2009-11-10 22:03) 

stbh

おさかな♪さん、nice!ありがとうございます。ブラ1、いいですよね~。
by stbh (2009-11-10 22:04) 

サンフランシスコ人

先月のベルリン・フィルのサンフランシスコ公演は、悪評でした。
by サンフランシスコ人 (2009-12-28 03:57) 

stbh

> サンフランシスコ人さん

悪評!きびしいですね。日本だとベルリン・フィルに「悪評」というのはあり得ない気がします。
by stbh (2009-12-29 18:07) 

サンフランシスコ人

ニューヨーク公演も、悪評でした。
by サンフランシスコ人 (2009-12-31 06:06) 

サンフランシスコ人

ニューヨークだと「悪評」というのはあります。
by サンフランシスコ人 (2010-01-27 09:23) 

stbh

アメリカは、西も東もきびしいのですね(;^_^A
by stbh (2010-02-06 18:48) 

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