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Rimsky-Korsakov/「ムラダ」組曲 [管弦楽曲]

リムスキー=コルサコフは、生涯にオペラを15曲書いていますが、ロシア語と言う障壁もあって、イタリア・ドイツ・フランスなどの作品とくらべると目に/耳にする機会は少ないように思います(チャイコフスキーのオペラも似たようなものですよね?)。その中でもこの作品は、全曲盤DVDが出ていたりして有名なほうですね。とはいえ、今回のご紹介は管弦楽組曲版です。

リムスキー=コルサコフ:「雪姫」組曲/「金鶏」組曲/「ムラダ」組曲

リムスキー=コルサコフ:「雪姫」組曲/「金鶏」組曲/「ムラダ」組曲

  • アーティスト: ドナルド・ヨハノス,チェコスロヴァキア放送ブラティスラヴァ響
  • 出版社/メーカー: ナクソス
  • 発売日: 1993/01/01
  • メディア: CD

 

このCDには「ムラダ」のほかにオペラ「雪娘」「金鶏」からの組曲も収録されています。「ムラダ」は4番目のオペラで、その前に作曲されたのが「雪娘」、最後の第15作が「金鶏」です。

このCDはナクソス初期の録音(1991年)で、指揮者のヨハノスも、演奏団体のチェコスロバキア放送交響楽団ブラティスラバ(CDの表記どおり、現在は「スロバキア放送交響楽団ブラティスラバ」だと思われます)も、ナクソスのCDではビッグ・ネームでした。この時期のナクソスは多くが既に廃盤になっていますが、まだ現役だということは、人気があるということなのでしょうか。リムスキー=コルサコフのオペラの中では有名どころが揃っているので、初めて聴くには便利かもしれません-私もそれが目的で入手しましたから[あせあせ(飛び散る汗)]

さて、もともと「ムラダ」のオペラ化は、リムスキー=コルサコフとムソルグスキー、ボロディン、キュイ、ミンクスの5人の合作が目論まれていたようですが、この企画は失敗して、リムスキー=コルサコフ自身が台本から練り直して作曲したそうです。「ムラダ」は主人公のお姫様の名前ですが、オペラ開始早々に毒殺されてしまい、あとは霊となって登場し、最後にはフィアンセのヤロミールとあの世で結ばれる、という、なかなかシュールな筋書きです。

組曲は5曲からなっています。オペラを知らないので、どんな場面で使われる音楽かわかりませんが、静かな「導入部」で始まり、「ボヘミアの踊り」「リトアニアの踊り」「インドの踊り」と、民族色豊かな踊りの音楽が3曲続き、最後は行進曲、「貴族たちの行列」で華やかに終わります。どの曲もリムスキー=コルサコフの華麗で豊潤なオーケストレーションが楽しめます。

ナクソス初期盤の演奏に特有の、勢いがあるけどちょっと繊細さに欠ける表情付けで、ややドンシャリ系の音質と相俟って、華やかな録音になっています。大編成でリズミックな踊りの音楽が多い「ムラダ」には向いているかもしれません。

最後に蛇足をひとつ。今回お手伝いさせていただく演奏会で終曲を演奏するのですが、この録音、終曲の最後の打楽器の一部が間違っています。実はパート譜が間違っていて、よーく聴くと、「しまった!見失って入りそこなった!」という様子がありありとわかります。しかも、ずれて入りだしていて、最後の最後でどうにか辻褄を合せています。普通に聴く分にはあまり気にならないと思いますが、これを聴いて練習しようとする人は、ちょっと戸惑うかも。


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