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Janacek/シンフォニエッタ [交響曲(独墺以外)]

某小説のおかげで、少なくとも題名だけは有名曲になったようですね。今日はマッケラス/ウィーン・フィルの録音を聴きました。持っているCDはこちらです。

Janácek: Chamber Music & Orchestral Works

Janácek: Chamber Music & Orchestral Works

  • アーティスト: Richard Novak,Brian Wightman,Martin Gatt,Wendy Philips,Christopher van Kampen,Antony Pay,Julian Farrell,Michael Harris,Leos Janacek,Charles Mackerras,David Atherton,François Huybrechts,Neville Marriner,Riccardo Chailly,Robin McGee,Judith Pearce,Sebastian Bell,Phillip Eastop,Marta Benackova,Janet Craxton
  • 出版社/メーカー: Decca
  • 発売日: 2004/10/12
  • メディア: CD

このCDは5枚組で、ピアノ曲、弦楽四重奏曲と室内楽曲が最初の3枚に、シンフォニエッタ、タラス・ブーリバの2大管弦楽曲とグラゴル・ミサなどが残りの2枚に収められています。輸入盤なので日本語解説が無いのが難とはいえ、オペラ以外の主要作品はこの1セットで聴くことができます。お手軽な1枚ものの国内盤はこちらになります。

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

  • アーティスト: ヤナーチェク,マッケラス(サー・チャールズ),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2008/05/21
  • メディア: CD

「『利口な女狐』組曲」がカップリングされているのが魅力ですね。そういえば最近、マッケラスのヤナーチェクのオペラ録音も再発されています(去年の没後80年企画?)。

さてこの曲は、「小交響曲」という意味の題名が付いていますが、5楽章からなる管弦楽組曲、というのが実態でしょう。もともとは各楽章に、順に「ファンファーレ」「城」「王妃の修道院」「街路」「市役所」という副題が付いていたそうですが、これらは最終的に削除されています。

チェコの「ソコル体育祭」のファンファーレに端を発している、というのがこれまでの通説だったと思う(私はそう記憶していました-以前のエントリー(ノイマン/チェコ・フィル)にもそう書きました)のですが、検索してあちこち見てみると、どうもそう簡単な作曲経緯ではなさそうです。とはいえ、結果的に第1楽章はトランペット9、テナー・テューバ2、バス・トランペット2とティンパニによるファンファーレになっており、この旋律が第5楽章で回帰されて全曲を閉じています。

以前のエントリー時にはスコアを見ていなかったので楽器の話は雑でした。「4管編成」と書きましたが、実は編成はアンバランスで、以下のようになっています。

フルート4(4番はピッコロ持ち替え)
オーボエ2、コーラングレ
クラリネット2、ピッコロ(Eb)・クラリネット、バス・クラリネット
ファゴット2

ホルン4
トランペット3
トロンボーン3
テューバ

(ブラスバンド)トランペット9、テナー・テューバ2、バス・トランペット2

ティンパニ
シンバル、鐘(鉄琴の録音もあり)
ハープ

弦楽5部

これらの楽器が同時に鳴ることはありません。例えばブラスバンドとティンパニは第1、5楽章だけ、ハープは逆に第2、3、4楽章だけ、ファゴットは第2楽章だけ(!)、Ebクラは第5楽章だけ。特殊楽器を音の厚みを増すために使う、という思想はヤナーチェクには無いようで、Ebクラ、コーラングレとも出番は全曲で二十数小節です。当然、シンバルと鐘も出番はわずかで、華やかなようですが、打楽器奏者としてはあまりオイシクないですね(笑)

マッケラスはアナログ末期からデジタル初期にかけてヤナーチェクのおもなオペラをウィーン・フィルと録音しており、この録音も同時期に行われたものです。オーストリア東部のウィーンとチェコ南部のブルノは国境を介してすぐ近く(200km足らず)にあるので、ヤナーチェクの作品はウィーンでそれなりに受け入れられやすいのでしょうか?

音色はいつものウィーン・フィルで美しいです。縦の線がイマイチなのもいつものウィーン・フィルですが、だからといってアンサンブルが雑に感じられるわけではないのが不思議ですね。なお、この録音ではマッケラスが独自に研究した成果が使われているようで、第5楽章のシンバルが1小節早いのも、間違いかと思ったら「改訂」なのだそうです。オムニバスの輸入盤を買うと、どうしてもそういう情報にはうとくなります(;^_^A

ヤナーチェクも最近になって国内版の楽譜が出ています。「シンフォニエッタ」は現在2種類。オイレンブルクは写真がありませんが、トレードマークの黄色の表紙です。

オイレンブルクスコア ヤナーチェク/シンフォニエッタ

オイレンブルクスコア ヤナーチェク/シンフォニエッタ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 全音楽譜出版社
  • 発売日: 2004/10/20
  • メディア: 楽譜

 

NO.286 ヤナーチェク/シンフォニエッタ

NO.286 ヤナーチェク/シンフォニエッタ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本楽譜出版社
  • 発売日: 2006/03/16
  • メディア: 楽譜

 

この曲のもうひとつの特徴として、繰り返しがすごく多いです。また部分部分の編成が全然違うので、スコアを追いかけて聴くのはなかなか楽しめます(つまり、ちょっと大変)。


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コメント 1

さすらう若人

出版によって編成が違うようで
私のは2楽章と5楽章はトロンボーン4です
2楽章にチューバは無いですねちなみに終章も
ファゴットが終章の中間部で持続音がありますが直ぐ無くなりますねw
作曲者の書き忘れかもですな
クラリネットは2番が持ち替えるのが普通なので実は3にんでやったりしますw
by さすらう若人 (2015-07-11 22:24) 

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