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Faure/レクィエム [声楽曲]

梅雨明け宣言の蒸し暑さには似合わないような気もしますが、この曲を聴きました。

フォーレ&デュリュフレ:レクイエム~宗教曲集

フォーレ&デュリュフレ:レクイエム~宗教曲集

  • アーティスト: デュリュフレ,フレモー(ルイ),スーリッス(ジャン),デュリュフレ(モーリス),デュリュフレ(モーリス),ジョルダン(アルミン),ユボー(ジャン),モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団,コンセール・ラムルー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1995/07/25
  • メディア: CD

ああ、また廃盤かあ、と思ったら、SHM-CDが出ていました。

フォーレ&デュリュフレ:レクイエム~宗教作品集【SHM-CD仕様】

フォーレ&デュリュフレ:レクイエム~宗教作品集【SHM-CD仕様】

  • アーティスト: フレモー(ルイ),デュリュフレ,ジョルダン(アルミン),スーリッス(ジャン),デュリュフレ(モーリス),デュリュフレ(モーリス),ユボー(ジャン),モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団,カロル(シャノワール・アンリ),コンセール・ラムルー管弦楽団,ローザンヌ室内管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2009/04/22
  • メディア: CD

 

この録音がなされたのは1962年、「初のボーイ・ソプラノを起用した録音」だったのだそうです。ボーイ・ソプラノは約10年後に録音されたコルボ盤が有名ですね。

もちろん、この録音のころは「第2版」はまったく知られていなかったと思います。私の持っているペータースのスコアには1977年の日付でネクトゥーが解説を書いていますが、「1888年の第1稿」と1900年稿(もちろん、作曲者自身の編曲となっています)が言及されているだけです。また第1稿に欠けている楽章-Offertrium, Pie Jesu, Libera Me-は"lost"と表現されており、現在の7曲の構成が当初からのものと考えられていたようです。

その後研究が進み、今では第3版(1900年稿)のオーケストレーションが作曲者の手によらないことが定説となっており、復元された第2版による録音・演奏が増えてきています。もう30年も経つと、レーヴェが改訂したブルックナーの交響曲のように、第3版も消えていってしまうかもしれませんね。

とはいえ、まだクリュイタンス盤、70年代のコルボ盤など、名盤とされる(かつてされていた)録音の多くが1900年版に依っているので、なかなか完璧な駆逐は難しいかもしれません。

さてこの曲、大横綱モーツァルトの作品を除けば、ヴェルディと対をなして「三大レクィエム」の一角をなすことに異論はないでしょう。その静謐な世界は録音でも実演でも感動を誘うものだと思います。私もつい入れ込んで聴いてしまって、急ぎのものが手に付かなかったりするので、実はあまり聴く機会がありません。

「サンクトゥス」「ピエ・イエズ」「イン・パラディスム」の3曲は文句なく美しいです、「心を洗われる音楽」と呼ぶにこれほどふさわしい曲は無いでしょう。そのほかの曲も、D-C-Bbと全音で下降する冒頭で音楽に引きずり込まれてしまう「イントロイトゥスとキリエ」、最後の上行音形での転調が素晴らしい「オフェルトリウム」、入祭唱の再起が感動的な「アニュス・デイ」、つつましいディエス・イレを挟む「リベラ・メ」と佳曲ぞろいです。全曲で約40分ですから、つまみ食いせず、通して聴きたいものですね。

フレモー/モンテカルロ管の演奏は、悪くはありませんが、第2版・第3版によらず多くの録音が出てきてしまった今となってはいささか粗いというか、きめ細かくないように感じられてしまうかもしれません。ボーイ・ソプラノもいささか不安定で、ちょっと危なっかしいです。この録音の最大のメリットは「デュリュフレの自作自演とカップリングになっている」ことかもしれません、と言ったらうがちすぎでしょうか。

第3版のスコアはドーヴァーから出ています。ミニチュア版は品切れのようなので、大型スコアをご紹介します。

Faur?: Requiem in Full Score

Faur?: Requiem in Full Score

  • 作者: Gabriel Faure
  • 出版社/メーカー: Dover Publications
  • 発売日: 1992/08/24
  • メディア: ペーパーバック

 

第2版(ラッター版)もありましたが、さすがに高いですね。

Requiem (1893 Version): Full Score

Requiem (1893 Version): Full Score

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Oxford University Press
  • 発売日: 1989/01/05
  • メディア: 楽譜

 

なお、オーストラリアのPhilip Leggeという人が独自に編曲をした(と言っている)「1888/1893年版」がIMSLPにアップされています。興味のある方は探してみてください。


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コメント 10

サンフランシスコ人

クリュイタンス/サンフランシスコ響の公演に行きかったです。

by サンフランシスコ人 (2009-07-28 03:29) 

stbh

フォーレを演奏したのですか?
by stbh (2009-08-02 13:17) 

サンフランシスコ人

知りません。
by サンフランシスコ人 (2009-08-03 06:01) 

stbh

そうでしたか(;^_^A
by stbh (2009-08-06 06:59) 

サンフランシスコ人

過去100年いろいろな指揮者がサンフランシスコ響を指揮しています。
by サンフランシスコ人 (2009-08-08 05:36) 

stbh

多くの著名な指揮者が来ているようですね。
by stbh (2009-08-10 09:15) 

サンフランシスコ人

ジョージ・セルもサンフランシスコ響に登場しました。
by サンフランシスコ人 (2009-08-11 02:33) 

stbh

今をときめくセルも!さすがですねえ。
by stbh (2009-08-16 06:53) 

サンフランシスコ人

レナード・バーンスタインもサンフランシスコ響に登場しました。
by サンフランシスコ人 (2009-09-09 03:09) 

stbh

バーンスタインも出ているのですね!
by stbh (2009-09-13 07:37) 

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