Mendelssohn/交響曲第4番「イタリア」 [交響曲(独墺系)]
関東も寒くなりました。さんさんと降り注ぐ陽光が懐かしい季節、音楽だけでもそのイメージを、ということでこの曲。昨年暮れにご紹介したロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団の演奏がダウンロードできるサイトhttp://kco.radio4.nl/?lang=en(まだダウンロードできるようです/登録が必要です)からの音源で。CDとしても発売されていたようですが、このCDは知りませんでした。
- アーティスト: 王立アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団,ブラームス,メンデルスゾーン,コンドラシン(キリル)
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1994/11/02
- メディア: CD
コンドラシンは全盛期の1981年に急死してしまいました。この録音はその死の約1年半前のライヴです。コンセルトヘボウ管との関係は良好で、他にも「シェエラザード」などの名録音が残っています。
「イタリア」は5曲あるメンデルスゾーンの交響曲(「弦楽のための…」は除きます)のうち第4番ですが、彼の交響曲は出版順に番号がついているため、作曲順とは一致しません。作曲や楽譜の異同については、最近おいでいただいたたかさんのブログhttp://blogs.yahoo.co.jp/takatakao123に詳しく述べられていますので、ご覧下さい。私は「改訂版」の演奏を聴いたことがありませんが、第2~4楽章は聴いてわかるくらいアレンジメントが違うと人から聞きました。
この録音は1979年なので、慣用版によっているものと想像されます。あえて悪い表現をすれば「ぶっきらぼう」に感じられることもままあるコンドラシンの表現ですが、特に第1楽章などは比較的しっとりと、あまり厳しくなく演奏されているように感じました。しかし、第2楽章以降、その印象は一変します。
第2楽章に与えられた速度標語は「Andante con moto」なのですが、アンダンテよりはアレグレットに近い速度感で、哀愁のあまりただよわない、がっしりとした音作りになっています。この、堅固でリズムが明快な印象は残りの楽章でも続き、第4楽章は「狂気の舞踊」ともいうべき乱舞ぶりになっています。そう、「イタリア」がさながらベートーヴェンの第7のように聴こえてきてしまうのは、もちろんイ長調という調性のせいだけでは無く、コンドラシンの厳しい解釈によるところ大なのではないでしょうか。
メンデルスゾーンというと「耳に心地よい」けれども、あまり重厚ではない解釈が一般的だと思いますが、この演奏/録音は、そういった良くある演奏とは一線を画しています。「メンデルスゾーンを楽しむ」にはあまり向いていないかもしれませんが、カッチリとしたRCOのアンサンブルと相俟って、メンデルスゾーンが尊敬し、目指していたというベートーヴェンの作品に似た、この曲のシリアスな面を見せてくれている演奏だと思います。
実はメンデルスゾーンの曲はあまりなじみが無く(やったことがあるのは「真夏」とヴァイオリン協奏曲くらい)、交響曲はスコアもきちんと読んでいません。なので受け売りになってしまいますが、たかさんのサイトで紹介されている、音友のスコアはこちらです。
OGTー240 メンデルスゾーン/交響曲第4番イ長調 作品90 (Ongaku no tomo miniature scores)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2002/06/12
- メディア: 楽譜
日本楽譜、全音はこれより出版年が新しいようですが、未読ですので内容はわかりません。勉強したら、いずれまた取り上げたいと思っていますm(_ _)m
おはよう御座います。
ブログにご訪問頂き有り難う御座います。
ブログを楽しみに拝見させて貰っています。
寒さが一番厳しい時期に成りました・・・・・
健康管理を万全になさってくださいね。
此からも宜しくお願いいたします。
by チャッピィー (2009-01-12 07:35)
コンセルトヘボウ管弦楽団は、2008年1月にサンフランシスコに来ました。
by サンフランシスコ人 (2009-01-13 08:39)
チャッピィーさん
ありがとうございます。関東も今日はいちばんの寒さだったようです。どうぞお大事に。
サンフランシスコ人さん
そうでしたか!楽しまれましたか?
by stbh (2009-01-15 22:51)