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PinkFloyd/狂気 [その他の音楽]

とうとうこの星座も、星が欠けてしまいました。

狂気(SACD-Hybrid)

狂気(SACD-Hybrid)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2003/03/29
  • メディア: CD

 

リック・ライトがガンで亡くなってしまいました。合掌。

20周年、30周年とここまで形を変えて出てくるアルバムも珍しいでしょう。後半のアルバムはよく知りませんが、私の知る限り、これはピンク・フロイドの最高傑作だと思います。「狂気」と言う日本語訳も「原子心母」の次くらいに優秀ですよね。このLPが出た当時、私は「サロメ」を読んで、月が狂気のイメージを持っていることを知ったばかりだったので、この邦題のつけ方が非常に印象に残っています。

聴き始めから最後まで全9曲、約40分の小宇宙は、聴き応えがあります。ピンク・フロイドのサウンドには、テクニックを誇る部分はまったくと言っていいほどありませんが、その「音世界」はまさに「プログレッシブ」と呼べる、独自で先鋭的なものです。曲自体はそれほど凝ったつくりのものではありませんが、それにさまざまなエフェクトや日常生活の音が加わることで、とても常人にはまねできないものが出来上がって行っているのです。「マネー」のレジスター、「タイム」の時計の振り子や時報の音などはぱっと聴いただけでもわかりやすですよね。それより何より、アルバムの冒頭と結尾を飾る心臓の鼓動。こういった「非音楽音」の使い方は、他のバンドの追随を許さないものがありました。

ピンク・フロイドの初期は、(本当に)狂気のリーダー、シド・バレットがサウンド・リーダーで、それに続くのがロジャー・ウォーターズでしたが、このアルバムあたりからリック・ライトも積極的に作曲にかかわるようになってきます。プログレ全盛期など、「静かに黙々と弾く」イメージの強かったリック・ライトはかえって異質だったのかもしれませんが、今でも残る名曲の数々を聴くと、「リック・ライト侮りがたし」と思ってしまいます。どうぞ安らかにお休みください。


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