Beethoven/交響曲第5番 [交響曲(独墺系)]
別の曲のCDを用意して車に乗り込んだのですが、たまたまかかっていたFM放送でついつい全部聴いてしまいましたので、ごく簡単に感想を。
- アーティスト: フィルハーモニア管弦楽団, ティーレマン(クリスティアン), ベートーヴェン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/01/13
- メディア: CD
ティーレマンはあまり多く聴いたことはありません。いくつかの論評など音楽以外の要素しか耳にしていないので、今回はできるだけ虚心に音楽を聴こうと思いました。FMだから一発勝負ですしね(汗 DGでのフィルハーモニア管弦楽団はシノーポリなどでおなじみですね。もともとはEMIの録音用オーケストラとして創設された団体ですが、結成後しばらくして自主運営に変わっています。
これはティーレマンのデビュー盤だそうで、もう10年以上前の録音になります。特に第1楽章の解釈に特徴があると思います。近年の演奏にしては異様に重い「運命の動機」からはじまって、ところどころでテンポをがくっと落としたりして、重厚感をあおっているように聴こえます。「運命の動機」のフェルマータの長さが3回とも違って聴こえるのも、そのような解釈に立脚しているのでしょう。2分音符などの延ばす音が「運命の動機」など動く音に比べて小さくないのも、分厚く重い印象を与えています。つまり、全体的に重々しい、近年の古楽ベースのベートーヴェンへのアプローチから見れば時代錯誤とも言える、ロマン臭芬々たる演奏なのです。
第2楽章はややゆったりとしているだけでそれほど違和感がありませんが、第3楽章から第4楽章へ至る経過部でほとんどアッチェレランドせず、非常に遅く第4楽章が始まるのは、なかなか最近では聞けない解釈です。もちろんその後テンポは速くなり、第4楽章は火の玉状態で面白いのですが、コーダの最後はまたテンポを落とし、堂々と終わります。
そういえば当時、「デビュー盤で第5を取り上げる指揮者は珍しい」というコメントがあったように思います。ベートーヴェンだと通常は演奏効果の上がりやすい第7あたりから始めるのが常道だそうで、第5は思いの外、曲を作るのが難しいそうですが、そこにあえて挑んだティーレマンの意欲作、ということができそうです。
解釈に好き嫌いはあるでしょうし、大編成でベートーヴェンの交響曲を演奏すること自体が時代錯誤ともとられかねないご時勢ですから、あまり受けないのかもしれませんが、私などはこのような大編成の演奏を聴くとほっとします。自分がいつのまにか時代錯誤になってしまっているのかな。気がつけば古い録音しか聴いていませんしね(苦笑)。
モントリオール交響楽団が「ベートーヴェン:交響曲第5番」を録音するそうです。
by サンフランシスコ人 (2008-04-06 02:56)
デュトワはドイツ系をほとんど録音しませんでしたから、ナガノによってドイツ系のレパートリーも広がりそうですね。
by stbh (2008-04-20 17:01)
韓国では既に発売?
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2008/04/143_22953.html
Kent Nagano, OSM
`Beethoven: Ideals of the French Revolution'
Sony Classical
by サンフランシスコ人 (2008-04-23 11:06)
日本でも発売されたようです。
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1803003&GOODS_SORT_CD=102
by stbh (2008-04-26 22:39)
「RCA Red Sealレーベルより継続的なレコーディング・プロジェクトの発信を開始いたします。」
現在デュトワは(他の交響楽団とも)録音していません。
by サンフランシスコ人 (2008-04-27 04:22)
そうですか。一休みなのでしょうか。
by stbh (2008-04-30 15:41)
デュトワは人気がないです。
by サンフランシスコ人 (2008-05-01 01:58)
ありゃ(^_^;、そういうものなのですか。
by stbh (2008-05-02 16:14)