Brahms/交響曲第1番 [交響曲(独墺系)]
あっという間に三が日が終わってしまいました。皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年はこの録音からはじめたいと思います。
- アーティスト: ジュリーニ(カルロ・マリア), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ブラームス
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: CD
新年にふさわしい曲をさがして、曲想が暗いとか、人が亡くなるとか(人が亡くなるオペラのなんと多いこと!)いったものを避けて、これに行き当たりました。「のだめ」の影響無きにしも非ず(苦笑)。ブラームスが構想の初期から20年以上かけて完成した、最初の交響曲です。「ベートーヴェンの『不滅の九曲』に匹敵するものを」と強く意識して書かれたこの曲は、重く沈痛なハ短調の第1楽章から歓喜の第4楽章コーダに至る、ベートーヴェンの第5、第9交響曲を想起させる構成と、中間楽章のロマンティックな旋律が同居した、稀代の傑作です。
曲についてはもちろん、ジュリーニ晩年の、ウィーン・フィルとのこの録音についてもあちこちで触れられているので私が付け加えることはありませんが、しばらくぶりにこの録音を聴いて思ったのは、ジュリーニによる演奏はいずれも声高に自己主張せず、謙虚でありながらその曲の本質が描かれている、と感じられるということです。
この録音は、特に第1楽章主題部のテンポが遅いためか、いまひとつ覇気が無いように捉えられることがあります。私も正直、最初に聴いたときはそう感じました。しかし今回、この録音を聴いて、また、他のジュリーニの録音を思い出しながらひらめいたのは、ブラームスにしても、ブルックナーにしても、非常に謙虚な人だった(のではないか)ということです。そう、彼らが自作を演奏するとき、これらのジュリーニ晩年の録音のように、衒いの無い、一聴すると平々凡々な演奏だったのではないでしょうか。だから、時として聴衆に受け入れられなかったのではないか、と思ったのです。
ブラームスの第1交響曲は、「ベートーヴェンの第10」と呼ばれて人気を博しましたから、この推測は当たっていないかもしれませんが、いずれにせよ、ジュリーニ晩年の演奏は非常に素直で、激しい起伏やドラマティックな展開とは無縁です。1回聴いただけではピンとこないかもしれません。しかし何度か聴くうちに、次第に体に染みわたってきて、気がつくと共感しています。70-80年代の、シカゴやロス・フィルを中心とした録音とはまた一味違う、より自然体の音楽になっています。ブラームスが目指したのは、きっとこんな演奏だったのではないでしょうか。
あけましておめでとうございます。年始はブラ1ですか。
僕はベームとバーンスタインしか聴いたことがないのでジュリーニも
聴いてみたいと思います。
今年の夏の演奏会はブラ1なんで、今スコアをしみじみと読み始めて
いるところです。いい曲ですよね。
by (2008-01-04 11:50)
謹賀新年。
我が家のブラームスはバーンスタイン=VPOです。
ライブ録音だとのこと。
最近では考えられない「粘り」と「起伏」に満ちた演奏です。
ところで、ブラームスといえば、年末に新聞に出ていたカラヤンのCDの全面広告に「ブラームス:交響曲第7番」というのが出ていて、目を疑いました。
詳しくは私のブログおよびmixiにアップしようと思っています。
それでは、今年もよろしくお願いします。
by Lionbass (2008-01-04 12:04)
> 浦島くん さん
おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
ブラ1演奏するのですか!いいですねー。自分で演奏すると、またいっそう愛着がわきますよね。ご成功をお祈りいたします。
> Lionbass さん
おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
バーンスタインのブラームス、ヘヴィーですよね。今はもうこういうスタイルの演奏は聴けなくなりました。そうそう、「交響曲第7番」、私も見ました(笑) 本当は何なんでしょうね。ではLionbassさんの記事にお邪魔することにします。
by stbh (2008-01-04 15:57)
はっこうさん
ご来訪とnice!ありがとうございます。貴ブログ拝見しました。札幌の方なのですね!今後ともよろしくお願いいたします。
by stbh (2008-01-20 14:07)