Wagner/Ring [管弦楽曲]
今日はオペラではなくて、「管弦楽曲集」と名づけられたこの曲集から。
Wagner: Highlights from "The Ring"
- アーティスト: Richard Wagner, Zubin Mehta, New York Philharmonic, Montserrat Caballé
- 出版社/メーカー: CBS
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
このCDに含まれる曲目は、よくあるCD1枚分のセレクションで、以下の7曲です。
1. Das Rheingold: Entrance Of The Gods Into Valhalla
2. Die Walkure: The Ride Of The Valkyries
3. Die Walkure: Magic Fire Music
4. Siegfried: Forest Murmurs
5. Gotterdammerung: Dawn & Siegfried's Rhine Journey
6. Gotterdammerung: Siegfried's Funeral Music
7. Gotterdammerung: Brunnhilde's Immolation Scene
メータ指揮NYPの演奏で、3.(ペーター・ウィムベルガー:バス-バリトン、ヴォータン)と7.(モンセラ・カバリエ:ソプラノ、ブリュンヒルデ)に歌が入っています。実は、私の持っているCDは昔のもの(ベスト・クラシック100シリーズ)なので、7.が入っていません(!)ネット上のデータなどを見ると5.から7.が81年、残りが82年の録音のようなので、録音はしたものの、時間の関係でアルバムに入れられなかったのでしょうか。もしかしたら当初は、何か他の曲とのカップリングで出ていたのかもしれませんね。
メータが音楽監督になって3、4年後のNYPのデジタル録音ですから、本来あまりヘヴィーでない(と思う)NYPでも重低音をバリバリ効かせて迫力のあるワーグナーになっています。特にワルキューレのトロンボーンは大迫力(ちなみに、こういう単純なユニゾンはトロンボーン吹きにはつまらないそうです)。あと今回聴きなおして、ワーグナーはキンキラ打楽器=トライアングルと鉄琴(グロッケンシュピール)の使い方がうまいなあ、と感じました。「魔の炎の音楽」「ラインの旅」などで効果的に使われています。
この時期のメータは、鳴り物入りでNYPに移籍してレコーディングをバンバンやっていました。ロスフィルと録音した、ストラヴィンスキーやシュトラウスなどお得意のレパートリーを端から再録音していきましたが、結局、旧録音を上回るといわれるものは出てこなかったようです。これらの録音を聴き返すと、決して悪くはないのですが、どうしてもインパクトに欠けるというか、ロスフィルとの録音のような強烈なメッセージが感じられません。きっと当時のCBSの要望でNYPとの録音として売りたかったのでしょうが、こういっては失礼ですが、企画倒れに終わってしまったのですね…。
こんにちは。
メータはNYPOと来日したときにこの曲を演奏していて(演目は微妙に違うかもしれませんが)当時メタルテープで(古い!)エアチェックしたものを大事に聴いています。
NYPOのスゴさが満開の演奏でした。当時はCSOの全盛で、NYPOは落ち目といわれていましたが、この演奏を聴いて、それを疑うようになりました。
でも、CBS時代の録音全般は、LAPOを振っていた頃と比べると、よいものが少なかったですね。
by 吉田 (2007-11-23 09:22)
これは懐かしいですね。
メータの珍しいワーグナー、僕は今もLPで聴いています。
メータがNYPで録音したものの中では成功した部類と思います。
迫力があってイイですね。
by mozart1889 (2007-11-24 06:52)
吉田さん
いつもありがとうございます。メタルテープ、私も何本か持っています。来日公演でこんな曲もやっていたのですね。たしかに80年ごろはショルティ/CSOが大人気でした。メータ時代のNYPの評判はイマイチでしたね。それが、いち早く東独を見捨てたマズアによって再起したのは、ちょっと皮肉です。
by stbh (2007-11-24 21:03)
mozart1889さん
いつもありがとうございます。LPでお持ちなのですね、さすが。この曲はLAPOとの幻影がないせいか、のびのびやれているような感じがします。ワルキューレなんかは迫力満点で、ノリノリですよね。
by stbh (2007-11-24 21:04)
「ロスフィルとの録音のような強烈なメッセージが感じられません。」
私もそう思います。
by サンフランシスコ人 (2008-11-27 03:35)
メータのデッカ録音はスタンダードになっている「惑星」とか「ハルサイ」とか残っていますが、今や、NYP時代の録音はあまり見ませんね。
by stbh (2008-11-29 18:18)
ロスフィルの2010-11シーズンです。
http://www.broadwayworld.com/article/Los_Angeles_Philharmonic_Announces_201011_Season_20100216
by サンフランシスコ人 (2010-02-24 09:45)
初演モノが多いのはLAPOの伝統でしょうか。サロネンが「桂冠指揮者」としてバルトークやワーグナーを振るのですね!
by stbh (2010-03-06 23:11)
クレンペラー、ジュリーニ、ベイヌムと違い、ロサンゼルスの近くに 住んでいるみたいですね。
by サンフランシスコ人 (2010-03-07 06:03)
「コンダクター・イン・レジデンス」なのですね。
by stbh (2010-04-01 20:16)