Brahms/VnCon [協奏曲]
数日前に、しばらくよい天気の朝が続きました。秋の日差しは明るいのですが、天真爛漫な春とは違い、どことなく、冬に向かう一抹の寂しさをただよわせているように感じます。というわけで、明るいけれども翳りのある、ブラームスの長調の曲(ちょっと強引でした?)の中でも、今日はこの大定番の録音を。
- アーティスト: ヌブー(ジネット), ブラームス, シュミット=イッセルシュテット(ハンス), 北ドイツ放送交響楽団
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1995/02/05
- メディア: CD
フィリップス盤以外にもさまざまなリマスターが市場に出ています。私が聴いているのはSTIL盤です。Amazonではすごく高いですね…。
Brahms: Concerto en re Majeur op.77
- アーティスト: Ginette Neveu, Brahms, Hans Schmidt-Isserstedt, Orchestre Symphonique de Radio Hambourg
- 出版社/メーカー: Stil
- 発売日: 2007/07/30
- メディア: CD
1949年、30歳のときに飛行機事故で亡くなってしまった、"夭折の大ヴァイオリニスト"、ジネット・ヌヴー。いくつかの録音を残してくれていますが、この演奏=録音がいちばん有名でしょう。いまさら私がどうこう言うより、聴いたことのない方は、まず聴いてみてください。それを聴くか聴かないかで音楽観が大きく変わる録音というものがいくつかある、と私は思うのですが、この録音はまさしくそのひとつです。
録音されたのは1948年ですが、非常に鮮明な音で録音されています。冒頭のユニゾンからただならぬ気配が感じられますが、最高にゾクゾクするのは、ヴァイオリンが切り込んで来る瞬間です。最初にこの録音を聴いたときの衝撃は、いまだに忘れられません。
ヌヴーのヴァイオリンの迫力は言うまでもありませんが、オーケストラが、まさに一心同体となって緊張感と大きな広がりを感じさせてくれます。特に長大な(そして、いささか地味な)第1楽章を、ここまで一気に聴かせてくれる演奏を聴く機会は、実演でもなかなかないでしょう。
今回はあまり文章を書けませんでした。何も書く必要がない、聴いていただければわかる演奏、ということでご勘弁を。なお、この曲の作曲時期は第2・第3交響曲にはさまれており、オーケストラパートも充実しています。いちどスコアもお楽しみになってはいかがでしょうか。全音と音友の両方から出ています。
スコア ブラームス バイオリン協奏曲 ニ長調 作品77 (Zen‐on score)
- 作者: ブラームス
- 出版社/メーカー: 全音楽譜出版社
- 発売日: 2006/01/20
- メディア: 楽譜
こんにちは。
ヌヴー/イッセルシュテット盤は、20年以上前に図書館でフィリップスのLPを借りて聴きました。評論家諸氏絶賛の演奏で、予約しなければ借りられないほど人気でした。
けれど、あまりピンとこなかったんですよね。
それ以来聴いておらず…。
今度聴きなおしてみますね。
by 吉田 (2007-10-27 13:15)
吉田さん
コメントありがとうございます。20年以上前でも(だからこそ、なのでしょうか)予約が必要なほど人気だったのですね。私は比較的最近聴き、かなりショックでした。私が聴いた中では、いちばん「剛毅」なブラームスだと思います。ぜひ再挑戦してみてください。
by stbh (2007-10-27 18:12)
はじめまして。
この演奏は"ACANTA"というマイナーなレーベルのCDで入手しました。超廉価版でしたが、メジャーレーベルの復刻より音にイキのよさがあって気に言っています。演奏からただならぬ熱いものが押し寄せてくるような・・・。常に座右においてます。
by 木村 (2007-10-29 08:22)
木村さん、はじめまして。ようこそいらっしゃいました。コメントありがとうございます。
ACANTAレーベル、そんなによい音だったのですか。私はSTILの録音しか知らないのですが、とても40年代とは思えない、臨場感溢れる音だと思います。
by stbh (2007-10-30 00:12)