Mahler/Kindertotenlieder [声楽曲(マーラー)]
以前、ノイマンの第1のライヴについてお話したことがありました(http://blog.so-net.ne.jp/classicalandsoon/2005-05-30)。今回は、そのコンサートの前半で演奏された「亡き子をしのぶ歌」の録音を聴きました。
マーラー/亡き子をしのぶ歌
ヴィエラ・ソウクポヴァ(Ms)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
1979年11月6日、東京文化会館にて
この曲はたしかスタジオ録音もあったはずですが、うまく検索できませんでした。たぶんこれに含まれるのではないかと思いますが。
- アーティスト: ノイマン(ヴァーツラフ), チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, マーラー, ベニャチコヴァー(ガブリエラ), ランドヴァ(エヴァ), チェコ・フィルハーモニー合唱団, ヴェルセルカ(ヨゼフ)
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2005/08/24
- メディア: CD
このCDはノイマンのいわゆる「完成したチェコ・フィルとの全集」で、1980年前後の録音です。国内盤にしては(最近多くなりましたが)良心的な価格で、歌曲も多く含まれているのが魅力ですね。
チェコを代表するメゾ・ソプラノ-アルトのソウクポヴァの声は深く、染み入るように響きます。この曲集は、マーラーの他の歌曲にくらべて詩の比重が高く、音楽(器楽)だけで耳をひきつけるパッセージはそう多くありません。そのかわり、2人の子を失った父(リュッケルト)の心情を反映した、詩の雰囲気に忠実にじっくり、しっとり聞かせる曲になっています。曲は全部で5曲。
1. いま太陽は輝き登る
2. なぜそのように暗いまなざしで
3. おまえのおかあさんがはいってくる時
4. こどもたちはちょっと出かけているだけだ
5. こんな嵐に
全体は基本的に2管編成で、「リュッケルト歌曲集」のように曲によって大きく違うことはありません。全体的にストイックな響きに包まれており、第5曲の激しい前奏に至ってはじめて、「マーラーのオーケストレイション」を聴いた気になります。
以前は、この曲を作曲したあとに自分も子供を失うことになるマーラーの運命を暗示している、というような解説が多くありましたが、これは例えば、事故死した演奏家の死の直前の演奏に、死の影が見えるとかいう発言と同じで、つまらないたわごとでしょう。マーラーは純粋に音楽的、芸術的表現の題材としてこの詩を選び、作曲したに過ぎないと私は思います。
国内版の楽譜は在庫切れだそうです。がっくり。
ドーヴァー版は…
…ありました(^_^) 「大地の歌」(ご紹介しなきゃ)、「さすらう若人の歌」と併せて1冊になっています。大きくて重くて多少扱いにくいですが、見やすいですよ。
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