Mahler/Wunderhorn [声楽曲(マーラー)]
マーラーが若いころから傾倒した民謡詩集「子供の不思議な角笛」に基づく歌曲集。通常は12曲のセットです。これも、多くのいわゆる「マーラー指揮者」によって録音されています。ピアノ伴奏のCDは最近あまり見かけないような気がします。検索にはこれくらいしかかかりませんでした。
- アーティスト: バーンスタイン(レナード), ルートビッヒ(クリスタ), ベリー(ワルター), マーラー, フィッシャー=ディースカウ(デートリッヒ)
- 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1993/03/21
- メディア: CD
今回聴いた演奏は、1980年ごろのNHK-FMの放送録音で、スタジオライヴと思われます。
「子供の魔法の角笛」抜粋
1.誰がこの歌を作ったか
2.ラインの伝説
3.トランペットが美しく鳴りひびくところ
4.高い知性への賛歌
ソプラノ:小野寺純子
ピアノ:金井紀子
検索したところ、「小野寺純子」さんは、歌手の方はかかりませんでした。金井さんのほうは、多くのピアニストの方が、経歴に「ピアノ(あるいは伴奏法)を金井紀子氏に師事」と書いています。伴奏のプロフェッショナルなのですね。
解釈としては、奇をてらったわけではなく、オーソドックスなところだと思います。ピアノ伴奏だと、音価が長く叙情的な「トランペット…」などよりは、「ラインの伝説」や「高い知性への賛歌」のほうがしっくりくる、というか、合っているように感じられます。
手許のピアノ伴奏譜には、この手の(オーケストラ・リダクションの)常として、「弾けない」表記があります。「トランペット…」の途中、下の楽譜の最後から3小節目がこれですね。
オーケストラではこうなっています(ピアノ譜の2小節目が、最初の小節)。木管を見てください。
ピアノ譜では、最後から2小節目にスコアに無いアクセントがつき、この音が頂点であることを強調しています。いっぽうスコアも、ブレスを越えてクレッシェンドが書かれるなど、理解に苦しむところではあります(スコアの他の同様なところでは、いずれも小節線を越えてのクレッシェンドはありません)。
ピアニストとしては、こういうのを「ナンセンス!」と切って捨てる方と、「気持ちはわかるわ」と気にしない方にわかれるのでしょうが、結局は次のsfに向かって、最後から4小節目よりやや大きくめに弾くしかないわけですね。でもたとえば、手首の返し方とか、息遣いとかに違いは出てくるような気はします。
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