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Bruckner/Sym3 [交響曲(独墺系)]

そうえいば、しばらくブルックナーを聴いていなかったな、と思ってこれを聴きました。

ブルックナー:交響曲第3番

ブルックナー:交響曲第3番

  • アーティスト: フランクフルト放送交響楽団, ブルックナー, インバル(エリアフ)
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1993/12/21
  • メディア: CD

うーん、もう国内盤は売っていないのかしら。輸入盤もTowerrecordsでは扱ってないみたいなので、HMVで検索してみてください(このページの左側に、検索用の窓があります)。実は今朝、このCDを聴く前にちょっとFMをつけたら、「あれ?」まだCDつけてないぞ(汗

そう、たまたまこの曲をやっていました!ヨッフム/SKD、第3稿でしたが、ちょっとびっくり。こちらは今年再発されたばかりなのですね。

ブルックナー:交響曲第3番

ブルックナー:交響曲第3番

  • アーティスト: ヨッフム(オイゲン), ドレスデン国立歌劇場管弦楽団, ブルックナー
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2007/03/21
  • メディア: CD

さて、普通のリスナー・プレイヤーでもそうですが、太鼓仲間では特にブルックナーに対する評価は分かれます。というか、タイコタタキで「ブルックナー好き!」というのは明らかに少数派です。特に優秀なプレイヤーほど、「あんなつまらないものはない」という傾向が強いです。私と同年輩のプレイヤーでも、「いままで何十年もティンパニをやってきて一番つまらない曲」といってこの曲(ブルックナーの第3、第3稿)をあげる人、すごく上手なのに「ブルックナーってどこがいいのかぜんぜんわからない」という人、こういった方たちに私がうっかり「ブルックナー好き」とか言おうものなら、小一時間…(笑)です。

たしかにベートーヴェンみたいにオーケストラを引っ張っていく力があるほどでなし、よく比較されるブラームスのほうが、ティンパニを含めたオーケストレーションでは圧倒的に面白い。ブルックナーはティンパニを(特にスケルツォ以外では)あまり使わないし、シロタマのロールばかりでぜんぜん目立たないですからね。曲のツマラナサに輪をかけて、ティンパニはやりがいがないです。でも例えば、第7の第1楽章の最後、初めてppのロールで出てきてコーダまでクレッシェンドしっぱなしでfffまで持っていくなんていうのは、周囲とのバランスをはからないといけないし、大きくなりすぎても逆戻りできなくて緊張感も高いし、面白いと思うんだけどなあ。

そろそろ曲の話も少ししましょう。ワーグナーに献呈したので「ワーグナー」のニックネームがついた第3交響曲は、もともとワーグナー作品からの直接の引用を第1、第2楽章に含んでいました(ワーグナーが見たのはこの状態、ただし終楽章は未完成だったそうです)が、まず1度目の改訂(第2稿)でそれらが落とされ、晩年の改訂(第3稿)でバッサリ短くされます。さらに出版初版(弟子たちの手が入った、いわゆる改訂稿)では、ダイナミクスやスタッカートなどの音の表情の幅が狭められ、いよいよ原型をとどめなくなりました。

インバルの第3の録音は、第4、第8と並んで「世界初の第1稿録音」ということで、長い期間、ある程度の人気があったと思います。第4のように楽章がまるごと入れ替わったわけではありませんが、繰り返しをかなり減らして、約400小節短くなった第3稿とほぼ同等の演奏時間になっており、当時のブルックナー演奏としては破格の早さでした。長い曲をすっきり聴かせようという意図は、コンサバなブルックナー・ファンには受け入れ難いものだったのかもしれませんが、ものめずらしさと、優秀な(今ではちょっとシャリシャリいう感じがしますが)録音ということもあり、そこそこ売れたのでしょう。

私が最初に第3を聴いたのはクナッパーツブッシュの改訂版だったと思います。当時はまだあまりブルックナーを聴かなかったのですが、その後、第2を聴いて、第3とのはなはだしいギャップにびっくりしたのを憶えていますが、改訂版はいろいろな部分で後期(第7、第8)に近い雰囲気を持っています。これに比べると、第1稿はいろいろな楽想が覇を競っているようで、ゴツゴツ、ゴワゴワした聴き心地であり、これなら「第2の次」と言われても納得がいきます。

第3交響曲はニ短調で、特に第1楽章は第九の影響が色濃く出ています。インバルの演奏をもってしても曲全体にやや冗長な印象は否めず、ブルックナー初心者の方には決してお勧めできるものではないと思いますが、第3の第3稿の終楽章が「ちょっと物足りないな」と思ったりしているあなた、そんなあなたにお勧めします!


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コメント 2

mozart1889

stbhさん、おはようございます。TBをありがとうございました。
ティンパニ奏者の言葉、面白かったです。そうなんですか、ブルックナーのティンパニは、奏者に云わせるとアカンのですねぇ・・・・。
ボクら素人は、7番や8番のティンパニは「おぅ・・・・来た来た」という感じで、その登場が楽しみなんですが。
インバル盤には新鮮なショックを受けました。第2楽章のタンホイザー序曲のところなど、副題の「ワーグナー」の意味が初めて分かりました。
インバルのブルックナー・シリーズは、国内ではワーナーの1000円盤で出ているんじゃないでしょうか・・・・あれ?廃盤なんですかね。
by mozart1889 (2007-06-19 03:07) 

stbh

mozart1889さん、おはようございます。最近はいっそうお早いですね。
こちらもコメントとTBありがとうございます。もともと打楽器は出番が少ないのですが、ブルックナーはいっそう…。パート譜がすごく白いんです(笑)

インバルの国内盤、出てくるのと出てこないのとありますね。輸入盤もうまく検索できませんでした。マーラーみたいに安い全集はなかったでしたっけ?でもそれを手に入れると、またダブリ買いになってしまいますね(苦笑)
by stbh (2007-06-19 07:16) 

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