Wagner/Tristan [管弦楽曲]
きのうの朝FMをつけたら、このCDの一部を放送していました。一発聴きなので、ほんのちょこっとだけ。全曲を期待した方、ごめんなさい。また近いうちに。
マイスターの最後の20小節くらい(笑)とトリスタンを聴いたのですが、マイスターのシンバルの音がくぐもっていて、「古い録音かな?」と思ってしまいました。1997年の録音なので、もう10年前になってしまうのですが、私からすれば、ぜんぜん古いという感覚ではありません。ははは…。
「フルトヴェングラーの再来」とまで言われ、特にドイツ系の音楽で絶大な人気を誇るティーレマン、すでにトリスタンやパルジファルの全曲盤も録音しています。このワーグナー曲集(マイスタージンガー、ローエングリン、パルジファル、トリスタン)は、それらに先行して、アメリカのフィラデルフィア管弦楽団と録音されたものです。ティーレマンの演奏(録音、解釈)を評して「重厚な」「骨太の」という表現がしばしば用いられるのですが、確かに聴いていると、そういう言葉を選ぶのもわかる、という印象を受けました。
では具体的にどういう点がそう言われる所以なのでしょうか?まず第1に、テンポが遅めであること。他に、解釈上の点ではフレーズの最後のリタルダンドを、はっきり大きくやること、微妙なテンポのコントロールが少ないこと。音響的には、レコーディング・エンジニアによるところも大きいかと思いますが、あまり旋律線だけを際立たせることをせず、和音の中間音がそこそこ大きく、「ブワーッ」という和音の構成音すべてが響いてくること、などを思いつきました。
「前奏曲と愛の死」として、5時間に及ぶこの楽劇(ムジークドラマ、オペラよりは筋書き、登場人物の心理などストーリーに重点がおかれるようです)の最初と最後を引っ張ってきてつなげるというアイデアは、ワーグナー自身によるもののようです。もちろん、本当はこの間にすばらしい音楽が山積みなのですが、今回は抜粋を聴いただけなので、ちょっとご紹介いたしかねます(^_^;
実は遠い昔にこの曲を演奏したことがある(打楽器はティンパニしかありません)のですが、打楽器的には音符が少ないのだけれども、何箇所かある、ここでキメの一発、というところはけっこうカッコよく叩けますので、ワーグナーの醍醐味はそこそこ感じられます。この曲は最後にH-dur(ロ長調)で終わるのですが、コントラバスは(全員では無いようですが)C弦を半音下げて低いHのピツィカートを鳴らす、という話を、あるプロのベース弾きから聞いたことがあります。どこまで本当なんだか…。
おっといけない、楽譜の紹介を忘れていました。画像が無いですが、いつもの茶色の「音友-フィルハーモニア」の装丁のはずです。
全曲版の楽譜は、全曲ご紹介のときに。
ティーレマン、良いですよね〜♪♪♪
トリスタンとイゾルデ持ってます^^。
by おさかな♪ (2007-05-27 00:31)
おはようございます。
このワーグナーは良かったです。フィラデルフィア管の明朗で素直な響きが印象的でした。特に木管が良かったと記憶しています。
ティーレマンの歌劇全曲盤は聴いたことがないのですが、期待できそうな感じですね。
by mozart1889 (2007-05-27 06:54)
> おさかな♪さん
nice!とコメントありがとうございます。
ティーレマン、ベルリンでの実演を楽しまれているんですよね~。うらやましい限りです。理想的には、オーケストラはホームグラウンドのホールで聴きたいです。ワーグナーも聴く機会があるといいですね。
> mozart1889さん
コメントありがとうございます。
FMで聴いただけなのでなんともいえませんが、フィラデルフィア管の音、明るいのは明るいですが、たとえばオーマンディ(古い…)やレヴァイン、ムーティのころとは違う感じがしました。エンジニアが違うから?ティーレマン、あまり真剣に聴いたことがなかったのですが、落ち着いて聴けますね。もともとオペラたたき上げの人なので、全曲盤も興味があります。
by stbh (2007-05-27 07:35)
5弦コントラバスの場合、一番低い弦は「C派」の人と「H派」の人がいます。
通常、チェロと同じ楽譜を弾く場合にはCまでしか出てこないので、Cの方が弾きやすいのですが、「4度調弦」にするとHになるので、その方が合理的で運指が楽という考え方もあります。
私は通常Cですが、曲によってHにすることもあります。
おとといも、ワーグナー(オランダ人)だけH、他(ブラームスなど)はCでした。
ベルリンフィルの古いCD(カラヤン時代など)を聞くと、ブルックナーやらシベリウスやら、さまざまな曲で、CやHなど楽譜に書いてない低い音が響いています。
指揮者の指示なのか、コントラバスパートの「自主的判断」(笑)なのかは分かりませんが…。
by Lionbass (2007-05-27 10:38)
Lionbassさん、いつもご教示ありがとうございます。いやあ、ためになるなあ(;^_^A
「H調弦」というのもアリなのですね、というか、使い分けるのが普通なのですね。「自主的判断」はタイコもときどきあったりします(笑)
by stbh (2007-05-27 12:24)
すみません、長々と書き込みまして…。
私はおととい、ワーグナーでHやらCやらDesやらを”自主判断”で下げました。
by Lionbass (2007-05-27 22:55)
Lionbassさん、どうぞどんどん書き込みしていってくださいませ。
”自主判断”、例えばEの前後でしょうか。ベースを分厚くして心地よいのも、ワーグナーならではですね。
by stbh (2007-05-28 00:35)
ティーレマンは、サンフランシスコ・オペラを指揮したことがあります。
http://archive.sfopera.com/reports/rptOpera-id442.pdf
by サンフランシスコ人 (2008-04-07 04:45)
サンフランシスコはオペラも一流なのですね。
by stbh (2008-04-20 17:03)
「サンフランシスコはオペラも一流なのですね。」
バレエ、オペラ、シンフォニーの三つ共、超一流です。
by サンフランシスコ人 (2008-04-21 06:57)
さすが!
by stbh (2008-04-26 22:30)
サンフランシスコ歌劇場管弦楽団に日本人の楽員がいます。
http://www.bayspo.com/kurasu/kurasu9xx/kurasu917/917.html
by サンフランシスコ人 (2008-04-27 06:15)
海外の日本人も多くなってきましたね。
by stbh (2008-04-30 15:40)