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Brahms/Sextet1 [室内楽・器楽曲]

室内楽は久しぶり。ブラームスも久しぶりです。

ブラームス:弦楽六重奏曲第1番・第2番

ブラームス:弦楽六重奏曲第1番・第2番

  • アーティスト: Kocian Quartet & Members Of Smetana Quartet, コチアン四重奏団, スメタナ四重奏団, ブラームス
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2002/06/21
  • メディア: CD

スメタナ・カルテットのメンバーに育てられたコチアン・カルテットに、二人のスメタナ・カルテットのメンバーが参加して、87年に行われた録音。

ブラームスの曲、もちろん交響曲などのオーケストラ曲もいいのですが、中声部の分厚い、独特のハーモニーが、特に単一に近い音色で奏でられたとき、すなわち、ピアノ曲や弦楽合奏などにおいて、とくに魅力を発揮すると思うのです。

中でも、弦楽六重奏という、もっともポピュラーな四重奏に中低部を増強した編成は、低音部に近接和声を多用して重厚さを出すブラームスならではの味わいがあり、まさにブラームス向けの編成だと思います。

この第1番は作品18、27歳のときの作品で、明るく快活な曲想が支配していますが、短調の和音を随所に織り込み陰影をつける書法はすでに十分活用されており、一聴してブラームスとわかります。

ソナタ形式の第1楽章は、特に中低音重視の編成が功を奏していると思います。時にオルゲルプンクトのような低音の充実した響きは、「ブラームスを聴いてるという愉悦」にひたれます。コーダのピツィカートが「意外な展開」であり、また美しいです。

第2楽章はニ短調、変奏曲という形式もあって、「死と乙女」の第2楽章と相通ずるものがあるような気がします。もちろんブラームスのほうが、特に後半の長調の部分など、いっそう充実した響きになっています。この楽章は映画で使われたこともあるそうです(私は知りませんでした(汗))。

第3楽章はトリオを挟んだヘ長調のスケルツォ。主題は快活ですが、あまりとげとげしくなく、ブラームス独自のあたたかみがあります。しかしヘ長調なのに旋律でH(ロ)の音を強調するなど、新しさもあります。トリオは転調に次ぐ転調で、ブラームスにしては珍しくスリリングな展開になっています。これも若いころの作品ならではでしょうか。

第4楽章は再び変ロ長調に戻ってロンド形式。ブラームスの優しさに満ち溢れた、聴いていて心が安らぐ楽章です。

このCD、発売当初に人から薦められて購入したのですが、長いこと聴いていませんでした。mozart1889さん、ensembleさんの企画に勝手に便乗して久々に聴いてみると、なんと美しい曲であることか。コチアン=スメタナというチェコを代表する師弟カルテットの演奏も、息の合った、響きの同質性の高いもので、「ブラームスの響き」を堪能させてくれるものだと思います。

mozart1889さんの、第2楽章のピアノ編曲版の記事からトラックバックさせていただきました。いつもの名調子、美しいピアノの音が聞こえてくるようですね。


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コメント 6

ensemble

当店提唱の[秋はブラームス]キャンペーンに一役買っていただき、
また、[マイ・ベスト3]にも毎回投票いただき、御礼申し上げます。
ありがとうございます。
この演奏、私も大好きで、盤を確保しています。
秋には一層、聴き栄えがするのは本当に不思議です。
by ensemble (2006-10-04 20:40) 

stbh

ensembleさん、コメントありがとうございます。僭越ながら「秋はブラームス」、くわえさせていただきました。この盤をお持ちでしたか!専門家の方にそう言われるとうれしいです。(次はちょっとはずしますが)秋のうちにブラームスを楽しみたいと思います。
by stbh (2006-10-04 23:45) 

mozart1889

おはようございます。TB、有難うございました。
弦楽六重奏、エエですね。僕はベルリン八重奏団の演奏で聴いています。
これ、チェコの名団体の2つですね。良さそうですね。聴いてみたいです。

そうそう、小編成のブラームスこそ、本領だったかもしれません。
by mozart1889 (2006-10-05 03:42) 

stbh

mozart1889さん、コメントとTB、ありがとうございました。ベルリンですか、そちらもよさそうですね。ブラームスは数少ない管弦楽曲ばかり聴いてきましたが、室内楽や器楽曲にもいい曲がいっぱいありますね。手を広げて行きたいと思います。
by stbh (2006-10-05 22:24) 

サンフランシスコ人

スメタナ四重奏団の演奏会に一回だけ行けました。

by サンフランシスコ人 (2009-05-06 07:19) 

stbh

サンフランシスコ人さん、そうでしたか!数々の貴重な体験をされているのですね。
by stbh (2009-05-06 21:47) 

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