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Bach/Toccata&Fugue [室内楽・器楽曲]

この前の週末、関東はこの冬はじめてのまとまった雪でした。月曜日でもまだけっこう雪が残っていて、路面もところどころ凍結していましたね。

一生懸命聴かないといけない(ような気に、ついついなる)ため、バッハは車ではあまり聴きません。でも、ときどき聴いてみたくなるCDがあります。

Bach: Toccata & Fugue, BWV565; Prelude & Fugue, BWV552

Bach: Toccata & Fugue, BWV565; Prelude & Fugue, BWV552

  • アーティスト: Johann Sebastian Bach, Daniel Chorzempa
  • 出版社/メーカー: Philips
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

例によって、すでに国内盤も外盤もなくなっているようで恐縮です。1982年、デジタル初期の録音で、CDプレイヤーを買った直後に何枚か買ったうちの1枚です。帯の宣伝文句が「オルガンの風圧が、部屋(リスニング・ルーム)をゆるがせる。」と仰々しいのが時代を感じさせます。国内盤とはいえ、当時はCDの製造はヨーロッパ(ポリグラムは西ドイツ)で、このCDも輸入盤に日本語の解説と帯をつけただけのものです。当時はまだレコードと併売の時代で、解説が1枚の紙で、四つ折りになってCDに封入されていました。

 使われているのは、オランダ、カンペンにあるボーフェン教会のオルガン。解説書によれば1676年の建造で、1790年と1866年に大改修が行われ、1975年に現在(録音当時)の姿になったようです。ちなみに、オリジナルのジャケットには、オルガンの構成(どんな音色(ストップ)があるか、どんな組み合わせで使えるか、など、「ディスポジション」というのだそうです)」と写真が載っているだけで、曲や演奏者についての解説は一切ありません。これは、このCDが「このオルガンを聴く」ための企画だということなのか、と思ってしまいます。

写真を見ると4手鍵盤で、教会のオルガンとしては大きな部類に入るのでしょう。32フィート管(鍵盤の音程より2オクターブ下の音を出すため、非常に長いパイプ)も無く、コンサートホールなどにある巨大なものにくれべればコンパクトな印象で、けして「風圧でゆるがせる」というようなものではないように感じます(^^

デジタル初期のレコードと併売のCDの常として、最近のCDと比較すると曲目(収録時間)が少ないです。

1. トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
2. プレリュード、ラルゴとフーガ ハ長調 BWV545、BWV529-2
3. プレリュードとフーガ 変ホ長調 BWV552

第1曲は、もっとも有名な、例の「チャラリ~ン!」ですが、この曲、バッハのオルガン曲としては簡単で単純すぎるため、偽作とする説が出てきているようです。弾きやすく、聴く機会が多く、覚えやすいから広まった、といわれると返す言葉もありませんが、「オルガン」の代名詞のような曲だけに、かなり明確にバッハの作であることを否定する材料が出てこない限り、そうそう簡単にはすたれないのではないでしょうか。

2曲目の「プレリュードとフーガ」は、もともと、のちに「トリオ・ソナタ第5番」の第2楽章に転用されたラルゴ楽章を挟んだ形態だったそうで、その初期の形を再現して演奏されています。「ラルゴ」がなかなか大規模なため、まさにその「プレリュード」とポストリュード(後奏曲)のような印象を受けます。

「プレリュード/ポストリュード」ということでいえば、第3曲はまさにその役目を、「クラヴィーア練習曲集第3巻」(通称「オルガン・ミサ」)で果たしています。バッハのオルガン曲の中でも壮麗なプレリュードの主題が印象的ですし、段階的に速度を速めていくフーガも壮大です。シェーンベルクの有名な管弦楽編曲もありますので、いずれまたご紹介したいと思います。

コルゼンパの演奏は、かなり遅い部類に入ると思います。変ホ長調フーガの主題など、「いつ音が変わるのだろう?CD故障したか?」と思ってしまうほどです。しかしその分、オルガンの音色や余韻を楽しむことができ、「どっぷり浸る」感覚をおぼえます。今回もついつい聴き入ってしまい、赤信号で止まりそこないそうになってしまいました。やはりバッハはあまり車で聴かないほうがよさそうです(苦笑)


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