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Beethoven/PianoTrioDdur [室内楽・器楽曲]

ラジオというカテゴリーを作ろうか?と思うほど、最近の朝のNHK-FMは充実しています。基本的に再放送のようですが、人気のあったものを選っているのでしょうか?1時間足らずの出勤の車中、演奏時間・時刻にあわせるわけにもいかないので、サワリしか聴けない曲もありますが、自分で選んで聴くのとは違い、驚きがあっていいですね。

今朝は、ラジオをつけると悠々としたベートーヴェンの交響曲第2番が流れていました。今となっては「古きよき時代」に編入されそうな60年代のクレンペラー/フィルハーモニアの録音でした。

ベートーヴェン:交響曲第2番&第4番

ベートーヴェン:交響曲第2番&第4番

  • アーティスト: クレンペラー(オットー), フィルハーモニア管弦楽団, ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2004/12/08
  • メディア: CD

そのあと流れてきたのがこれ。

ベートーヴェン:交響曲第2番

ベートーヴェン:交響曲第2番

  • アーティスト: ウィーン・ベートーヴェン・トリオ, ベートーヴェン, アントルモン(フィリップ), ウィーン室内管弦楽団
  • 出版社/メーカー: カメラータ東京
  • 発売日: 1996/08/21
  • メディア: CD
上のタイトルと「アーティスト」だけだと何のことだかわかりませんが、ベートーヴェンの作品が2曲入っているのです。1曲目は「三重協奏曲」、ウィーン・ベートーベン・トリオのメンバー:(ピアノ)クリスティアーネ・カライェーヴァ、(バイオリン)マルクス・ウォルフ、(チェロ)ハワード・ペニーがソロをとっています(アントルモンではないようです)。そして2曲目がタイトル曲、交響曲第2番のピアノ・トリオ版です。これがオンエアされたのでした。
FMの解説によると、むろん録音技術のかけらもない当時、家庭で大曲を鑑賞するためにもっぱらリダクションが行われており、ピアノ・ソロや室内楽編成の編曲を演奏して楽しんでいたそうです。そういった目的のために、ベートーヴェンが自ら編曲したのがこのピアノ・トリオ版なのだそうです。
編曲時期は確定していないようですが、1805年(第3交響曲作曲の年)以前だと言われているようです。第2交響曲は1803年の作曲ですから、比較的すぐに編曲されたということでしょうか。1803年というとピアノ・ソナタは熱情、協奏曲は第3番が作曲された時期ですから、ピアニスト、あるいはピアノ曲(およびピアノの入った編成の)作曲家としてはすでに一家をなしていたのでしょう。
その勢いで、ベートーヴェンの新しい交響曲も売り込まんとするため、編曲されたのでしょうか。なにしろ運転しながら通して聴いた(おまけに曲が終わる前に勤務先についてしまった)ので漠とした印象になってしまいますが、思ったほど色彩的でない、オーソドックスな編曲であると思います。演奏の方は、数人の編成でなければ難しいテンポ・ルバートや間の取り方があり、オーケストラとは違ったアンサンブルであることを感じました。
「これさえあれば交響曲はいらない」というわけでは無く、慣れも多分にあるのでしょうが、反対に交響曲の響きが恋しくなってきます。この編曲は半分、交響曲の宣伝用(みんなこれを聴きに演奏会に来てね)でもあるわけでしょうから、そういった意味では成功しているわけですね。
余談ですが、私はベートーヴェンの交響曲第5番のヴァイオリン&ピアノ版のコピーを持っています。本人編曲ではありませんが、これでもやってみるとなかなか興味深いです。ピアノ・ソロへのモノトーンな編曲と違って、ヴァイオリンとピアノだけでも、旋律を音色に振り分ける面白さがあります。本日ご紹介した編曲では、それにチェロが加わっているので、低音がいっそう豊かになります。
最後になりましたが、作曲年代等のデータはWikipediaを参照しました。

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コメント 4

おさかな♪

私もこの日、ラジオ聴きましたヨ~♪
ピアノトリオバージョンもすごく良かったです。
小さいサロンでも演奏を楽しめるように、との配慮から編曲されたそうですね。
by おさかな♪ (2005-11-06 18:21) 

stbh

おさかな♪さん、いつもniceとコメントありがとうございます。聴きなれた曲も、編成が変わると新鮮に聴けますよね。いろいろ楽しめる、というわけですね。
オーケストラ曲はピアノ(ソロ、連弾、2台)への編曲が多いようです。マーラーの交響曲も、弟子で指揮者のブルーノ・ワルターによる第1、2番をはじめ、複数の編曲があるようです。
by stbh (2005-11-08 07:04) 

mokekek

stbhさん、情報ありがとうございます。
2番のトリオ版、5番のヴァイオリン&ピアノ版、おもしろそうですね。
生演奏はなかなか聴けないと思いますが、ちょとしたミニコンサートなどで弾いてみたら、いいかもしれません。楽譜が手に入らなそうですが!stbhさんがお持ちのデュオの楽譜はどなたの編曲でしょうか。やってみたいなと思った本人が編曲するしかないのかな~。(私は絶対できないけど…。)
by mokekek (2005-12-19 08:07) 

stbh

mokekekさん、ご来訪とnice!ありがとうございます。「運命」のヴァイオリンとピアノへの編曲、Hans Sittという人の編曲で、Petersの6914という番号がついています。昔、アメリカの大学に研究生で行っていたとき、大学の音楽学部の図書館でコピーしたものです(何してたんだか(^^; 学生時代に世話になった民音の音楽資料館(現在は「音楽博物館」というのだそうですね)で検索してみましたが、残念ながらアレンジものはSingerのピアノソロ、Ulrichのピアノ連弾しかなさそうです。
by stbh (2005-12-20 00:59) 

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