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Ginastera/PCon1 [協奏曲]

[ちなんで7]

アルゼンチンの作曲家、アルベルト・ヒナステラ(1916-1983)の作品を集めたCDからの録音をご紹介、と思ったのですが、検索しても販売店などのサイトではヒットしませんでした(個人で紹介しているサイトはありました)。アルテ・ノヴァは入れ替わりが激しいそうなので、これも廃盤になってしまったのでしょうか(1996年録音なのに(;_;)

Alberto Ginastera
Variaciones concertantes para orquesta de cámara
Piano Concerto No. 1
Piano Sonata No. 1
Europa Symphony
Wolfgang Gröhs, conductor
Martha Noguera, piano
ARTE NOVA/74321 59218 2

と書いた後、再度、検索していたらアマゾンが外からひっかかりました。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00002461N/250-9401217-7578636
やはり現役盤ではないようです。しっかし1490円て、通常価格の倍近いのでは…。

今回は、この中から「ピアノ協奏曲第1番(1961)」を。ピアニストのマルタ・ノグェラ(?)はアルゼンチン出身で、ローマ在住だそうです。ヨーロッパデビューが1977年ということですから、録音時点でも約20年のキャリアがあるということですね。

伝統的な協奏曲は急-緩-急の3楽章構成ですが、この曲はどちらかというと交響曲に近い、4楽章構成をとっています。
I. Cadenza e varianti
II. Scherzo allucinante
III. Adagissimo
IV. Toccata concertante

ヒナステラには、「南米のバルトーク」というニックネームがあるそうです。この曲も、確かに「20世紀音楽」っぽい無調的な、不協和音の部分が多く、一聴するとバルトークっぽいですが、あそこまできびしくない。言い方は変ですが、思わず居住まいを正して聴いてしまう、というほどでもないと思います。何が違うのかというと難しいのですが、ヒナステラの方が単純な繰返しが多くて親しみやすいとか、音を切り詰めて最低限を選択した、というよりマッシブな音の鳴りようが思いのほか単純に聞こえるとか、が「バルトークとは違う」と感じる原因でしょうか。

第1楽章はオーケストラが3つの和音をならし(3つ目はクレッシェンド)たあと、ピアノのカデンツァみたいな音形がひとしきり走り回る、というパターンを(音は違いますが)2回繰り返します。題名から、冒頭に長いカデンツァがあるのかと思いましたが、どちらかというとピアノとオーケストラが一体となって進んでいきます。いわゆる「バルトーク風の現代的」曲想で満ちています。

第2楽章は「スケルツォ」ですが、3拍子系かどうかは聴いただけではわかりません(汗)。Allucinanteというのは「まばゆい」とか「驚愕の(@_@)」という意味なのだそうですが、弦のフラジオ、鉄琴やトライアングルなどの金属打楽器群、ミュートした金管、そしてピアノの高音を多用したキラキラする感触が「まばゆい」のでしょうか。

第3楽章は唯一の緩徐楽章ですが、だんだん速くなるリズムやルバートがたくさん出てきて、第1楽章よりカデンツァ色が濃いような感じがします。ピアノが目立つところはもちろんあるのですが、全体的に協奏的、というかピアノとオーケストラが一体となったアドリブといった趣です。

第4楽章は6/8(たしか)を基本にした「トッカータ」。同音の繰返しが多く、リズムというか小節が割とはっきりわかるので、他の楽章よりも聴いていて「乗れる」感じがします。

不協和音や変則リズム、テンポ・ルバートとか、パーカッシヴなピアノとか、よく聞こえる打楽器とか、ある意味「お約束」的な現代ピアノ協奏曲かもしれません(最先端よりは、多少、古いのではないか、と思います)。併録のピアノソナタも含めて、ピアノ的にはかなり面白いのではないでしょうか。

モーツァルトやベートーヴェン、ブラームス、ショパンなどをききなれている(だけしかききなれていない)方にとっては、いきなり全部通して聴くのは苦痛かも。プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、バルトークあたりが平気な方なら問題ないでしょう。ラフマニノフ、スクリャービンあたりまでの方、ビミョー…。まあ、皆さん試してみてください(^^;


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