SSブログ

Rodrigo/貴紳のための [協奏曲]

[ちなんで3]

ホアキン・ロドリーゴ(1901-1999)の「ある貴紳のための幻想曲」。彼について、「盲目の作曲家・ギタリスト」としてあるサイトがあって、私はこれ↓のライナーノートで「ギターは弾けない」と書いてあるのを読んで信じていたのですが、ほんとうのところどうなんでしょう?

ロドリーゴ : アランフェス協奏曲 他

ロドリーゴ : アランフェス協奏曲 他

  • アーティスト: ウィリアムス(ジョン), フィルハーモニア管弦楽団, ロドリーゴ, フレモー(ルイ), イギリス室内管弦楽団, ヴィラ=ロボス, バレンボイム(ダニエル)
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2000/11/01
  • メディア: CD

あ、ただし私が買ったときはヴィラ=ロボスはついていませんでしたので、ライナーノートも変わっているかもしれません。「ギタリストの」ジョン・ウィリアムズ3回目のアランフェス、2回目の「ある貴紳のための幻想曲」、ルイ・フレモーの指揮するフィルハーモニア管弦楽団の伴奏による、1983年3月の録音です。

超有名曲アランフェス第2楽章は、ロドリーゴにしては例外的にルバート的なリズムの曲なのではないでしょうか。アランフェスの両端楽章もそうですし、この曲も以下の4楽章に、さまざまなスペインの舞曲のリズムがあふれています。17世紀の作曲家=ギタリスト、ガスパール・サンスの主題をもとに1954年に作曲され、ギタリストのアンドレス・セゴビアに献呈されており、初演は1958年、そのセゴビアが行っています。
1. ヴィリャーノとリチェルカーレ
2. エスパニョレータとナポリ騎兵団のファンファーレ
3. たいまつの踊り
4. カナリオ
「協奏曲」でなく「幻想曲Fantasia」と銘打ったのは、ギターソロとオーケストラの役割が五分に近く、管楽器や弦楽器がギターと対等に雄弁だからでしょうか。第1楽章からギターとオーケストラで旋律と対旋律を渡しあいながら進んでいきます。実演では、協奏曲よりいっそうバランスが難しそうです。
第2楽章はシチリアーノ風のちょっとひなびた旋律(何かの番組で使われたことがあるでしょうか?)の間に、騎兵の行進とファンファーレが入ります。ファンファーレといってもおとなしいものですが。
第3楽章、第4楽章は速いテンポの舞曲ですが、ファリャのように強烈な色彩感よりは、スペインの宮廷を思わせる落ち着いたたたずまいで、いくぶん哀愁を含んだ旋律を聞かせる構成になっています。第4楽章の最後近くにひとくさりギターのカデンツァ風の走句があり、さわやかに終曲を迎えます。
スペインの大御所とはいえ、戦後の作品としてはいささか古色にあふれています。しかしオーケストラの音色の微妙な変化やあえて不協和音を目立たせる和声に気がつくと、さすがデュカの弟子だけのことはあるわいと思えます。まあこんなことをぐちゃぐちゃ言う以前に、聴いていてとても気持ちよい曲なのです。
前回までちょっと暑苦しい曲が続いたので、ここらでさわやかに、ということで取り上げてみました。しばらく非ネット環境での生活になるため、一週間ほど失礼します。皆様もお体にお気をつけて。

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(1) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 2

mozart1889

stbhさん、TBを有り難うございました。
アランフェスのカップリング、「ある貴紳のための幻想曲」も素晴らしい演奏でした。
暑い季節にはギター曲を聴きたくなりますね。繊細な響きがたまらないです。
by mozart1889 (2006-07-08 10:43) 

stbh

mozart1889さん、当方へもTBありがとうございます。
ギター曲、たしかにムシムシする晩の暑気払いによさそうですね。実は、ギター曲はあまり知りません。夏の寝苦しい夜?向けの曲がありましたら、ぜひご紹介ください(^^
by stbh (2006-07-08 15:53) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

Mozart/RequiemCopland/Rodeo ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。